
心の伊達市民 第一号
ちゃんこ鍋を食べる
ブログ閉鎖中の話題(2017年1月6日)
暮れの29日に家族で「ちゃんこ鍋」を食べに行った。
以前に両国にある「江戸東京博物館」に行った時に、帰り道で見掛けた「土俵のある割烹料理屋」という大きな看板が目に入り、女房が「行きたい!」と言ったからだ。
その看板を出していた店の名は「割烹 吉葉」である。

割烹料理「吉葉」。(周りには全く店が無い)
店の名前にもあるように「吉葉」というのは昭和29年に横綱になった吉葉山に因んで付けられている。その頃の相撲人気は大変なもので、私が中学生だった頃に父親に連れられて両国国技館に初めて相撲を見に行った。その時の結びの一番の取り組みが「横綱・吉葉山」と横綱・鏡里で、凄く興奮したことを覚えている。

店の入り口に掲げられた写真。左側が吉葉山。(かなりハンサムである)
割烹「吉葉」はその吉葉山が開いた部屋である「宮城野部屋」の場所に建てられていて、当時の吉葉山も稽古した土俵がそのまま残っている貴重な歴史記念館でもある。
午後7時に予約して、都バスで出掛けた。家から30分で行ける。

宮城野部屋で使われていた本物の土俵。 右上に見える「砂被り席」は席料が3000円プラスされる。
店に入ると先ず目に入るのが大きな土俵だ。
案内係の女性に先導されて予約してあった土俵際の席に向かうのだが、そこで困った。土俵というものは「神聖なもの」なので、現在でも女性の立ち入りは禁止である。
女房と娘がオズオズしていると、係の女性が「ここはお店なので入っても大丈夫です」と言った。

美人姉妹による津軽三味線の演奏。「なぜ土俵正面にお尻を向けて座るのか?」
草履に履き替えて土俵の上を歩いて進む。
我々は早くから予約していたので、案内された席は土俵際の正面席の小上がりである。
目の前が土俵だったが、テレビ中継で映るので有名人が座りたがるのは向正面である。
席に着くと、すぐに若い女性2人による津軽三味線の演奏が土俵で始まった。

相撲甚句を演じる。 左の男は元力士だったそうだ。
次に元力士と相撲関係者らしい男性3人と、力士の娘による相撲甚句が始まった。
それが終ると大相撲初場所の番付表が販売されるのだが、本来の値段は50円らしいが、お客はご祝儀として割り箸に挟んだ1000円札を持って土俵に上がり 番付表をもらう。
古き良き時代の名残がここに生きている。我が家は娘が代表して出て行った。

お客が割り箸に1000円札を挟んで土俵に上がると、それを腹帯に差して番組表をくれる。
一連の行事が終り、やっと我が家は食事に専念できるようになった。
前菜、刺身に続き「ちゃんこ鍋」が出て来た。
鍋には野菜、豚肉、鶏肉、ホタテ、しらたき、春菊、鮭、エビなどがいっぱい入っている。
最後に雑炊にして食べるのだが、出汁が出ていて美味しい。
相撲部屋によって入る具や味が違うようだが、気が付いたのは「味が濃い」だった。
ここは外国人観光客が喜びそうだが、まだ知られていないのか、或いは値段が高いからか全く外国人を見掛けなかった。

平成29年の初場所の番付表。 関取にはモンゴル人が多い。
(おまけの話)
中学生の同級生にU君という男がいた。
この男の父親は新聞社の記者だったようで、特にスポーツ記事の担当だったと思う。
ある時、「力士が食べている本物のちゃんこ鍋をやるから、家に遊びに来いと父親が言っている」と誘われた。

「ちゃんこ鍋」には具がいっぱい。
家に遊びに行くと、父親からちゃんこ鍋に入れる具の買い物を頼まれた。
何を買いに行ったかは忘れたが、その頃はまだ日本は貧しい時代だったので肉は無かったような気がする。ハッキリと覚えているのは「酒石酸を買って来い」だった。
それが何だか分からなかったが、酸っぱい味がした。

箸置きは組み立て式の相撲取り。
その「ちゃんこ鍋」が美味しかったかどうか忘れた。
U君はユニークな男で、大学生の時に中退してブラジルに渡った。
その時の言い草を覚えている。「俺には日本の早いスピードが合わない」だった。
彼はどんな時でも決して走らないし、歩き方も話し方もゆっくりで哲学者のようだった。
以前に風の便りで「農業をやっている」と聞いたが、まだ元気だろうか?
ちゃんこ鍋を食べて、U君のことを思い出した。

小上がりから土俵に降りる時に履く草履。 大きな草履は力士用。
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。
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南黄金に昨年2020年オープンしたカフェをご紹介します。 国道から山側入り、気仙川の橋を渡って少し進むと、「道楽」と壁に描かれた楽しげなペイントが見えてきます。 こちらがカフェ道楽。 自然に囲まれて佇んでいます。 海も川も山も近くにある国道沿いのエリア。伊達にこういう場所があったのか…と思わせるような、独特の隠れ家的雰囲気があります。 古い住宅をほとんどDIYで改装したという店内は、なんとも独創的! 手作りの温もりと遊び心にあふれるギャラリー風の空間です。 陶芸や手芸など、素朴な風合いのいろいろな作品が飾られていました。店主の鎌田さんと教室仲間の皆さんの作品だそうです。 個性的な陶芸作品の数々。 実物大ワンちゃん。なんと愛らしい! 店主の作業場。 窓の外には庭が広がっています。野鳥がたくさん訪れるそうで、運がよければ窓際の席からバードウォッチングが楽しめます。 夏真っ盛りの緑の庭。秋には紅葉、冬は雪景色と、四季折々の自然が見られます。程よく手の入ったナチュラルな雰囲気がステキ。いました!さっそく野鳥発見。 庭のあちらこちらに、野鳥のためにさりげなく置かれた種。なるべく人工的でなく自然に溶け込むよう工夫して置いているのだそうです。 倒木を利用したナチュラルな餌台。 食事はポークカレーとナポリタンの2品。手作りにこだわって提供しています。有機栽培コーヒーや、日替わりの焼き菓子も人気です。本を読んだり、おしゃべりをしながらのんびりランチやティータイムを楽しんでいく方が多いそうです。 ナポリタンの食欲をそそる香り! お米もこだわり!自家製ポークカレー この日の焼き菓子はガトーショコラ。畑でとれたブラックベリーとミントを添えて! 「人生の道を楽しんで」との願いを込めて「道楽」。 「お客さまに楽しい時間を過ごしていただき、自分も一緒に楽しめたら」と話す鎌田さん夫妻のセンスとアイデアが随所に光っていました。 まさに「マイワールド」全開! かつ、ゆったり過ごせる居心地の良さも大きな魅力です。 自分の手で、オリジナルなものを作ることの素晴らしさ、豊かさを教えていただいた気がしました。私も何か作ってみたい!創作意欲が湧いてきました。 窓辺の特等席で野鳥を眺めながらの一杯。コーヒーのおいしさが染み渡ります。 なんと庭から出てきたという縄文式土器!北黄金貝塚が近いですが関連があるのでしょうか・・・ カフェ道楽 住所 伊達市南黄金町163-10 営業時間 木・金・土10:00~17:00/日曜10:00~16:00 定休日 月曜・火曜・水曜 TEL 080-1879-2009 https://date-insyokuten.jp/archives/1017 ※記事の内容は取材時の情報に基づいています。メニューなどは変わることがあります(取材2021年)
むしゃなび編集部
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The 洋菓子界のサムライ 川村拓也 “ Sweets Nature “のオーナーシェフに出会った。
今回は、2021年10月に新規オープンした洋菓子店“ Sweets Nature “のオーナーシェフ川村拓也さんを訪ねました。 「お菓子作りに絶対に妥協はしません!」 可愛らしい洋菓子がずらりと並ぶショーケース。 ため息が出るほど繊細で可愛らしく美しいデザインに、誰もが一目で幸せに浸れるほどのインパクトがあります。 そして、綺麗に並べられたケーキの前に立つオーナーシェフ川村拓也さんは力強く言いました。 「お菓子作りに絶対に妥協はしません!」 拓也さんは神奈川県川崎市ご出身の33歳。 1歳の娘さんを持つパパでもあります。 建具職人の家に生まれ育ったことは、しっかりと少年の心と頭に刷り込まれていたようです。 中学生の頃になると、「将来もの作りをする人になる!」と決めていたといいます。 そして、当時放送されていた「アンティーク」というパティシエのテレビドラマが、拓也さんの将来の職業を決定づけました。 「自分は絶対にパティシエになる!」 そう決めてからは、脇目もふらずその道に一直線でした。 拓也さんのパティシエ修行の始まりです。 高校卒業後は「国際フード製菓・製パン専門学校」へ進学。 1年目は和菓子とパンも学びました。 卒業後は、東京の有名洋菓子店「ラテール」に就職し5年間勤めました。 ラテール退職後は、恩師の紹介でウィンザーホテル洞爺に出店していた「ミシェルブラン」にて8年間パティシエ修行。 その後退職され、起業準備を始められました。 「何故、起業の地に伊達を選ばれたのですか?」 「実は伊達は妻の出身地でもあります。ここは気候も温暖ですし、周辺地域ではフルーツ各種の生産農家さんも多くいらっしゃるからです。」 なるほど。 フルーツは洋菓子には欠かせない素材です。 「フルーツ以外の素材選びはいかがですか? 何か拘りはありますか?」 「メイン素材としての小麦については、北海道産があまり洋菓子には向かないので使っていないのですが、乳製品・卵・砂糖・塩は北海道産です。なかでも砂糖は北海道糖業(伊達市)のものですし塩はカムイミンタルの塩(洞爺湖町)です。できるだけ近隣の、もしくは北海道のものを使うと言うのが素材へのこだわりです。」 材料の出処がわかるということは、消費者としてとても安心します。 「ところで、中学生の時にパティシエになると決められてから、一直線にこの道を歩んで来られたわけですよね? 特に影響を受けた方はいらっしゃいますか? またそれはその方のどういうところですか?」 「二人います。一人は横浜の洋菓子店 “ グリューネベルグ “の浜田さん。もう一人はミシェルブラスさんです。どちらの方もケーキ一筋で引き出しが非常に豊富でしたし、私の知らない世界を見せてくださいました。そんなお二人のフランス菓子に取り組む姿勢全てに影響を受けていると思います。」 拓也さんとお話をしていると良くわかるのですが、とにかく洋菓子への想いがものすごく深いのです。 ストイックにとことん追求しようとされている姿勢が、尊敬するお二人に学んだというお話からも感じ取れました。 もの作りの魅力は、形のないゼロから作り出して自己表現することにあり、洋菓子作りは自分にとっての最大の表現方法だとも話してくださいました。 「お菓子のイメージ作りに参考にするものは何かありますか?」 「料理やジュースなどを見て、使われている素材そのものや組み合わせなどを参考にしたりしています。デザイン的にはフランス人のパティシエのインスタなどを参考にすることもあります。 レシピは仕事の最中に突然沸いてきます。」 常に勉強熱心な拓也さんです。 現在、1週間に3~4日の休業日を設定していますが、店の休業日は全て仕込みに使われているそうです。 開業以来全く休んでいらっしゃらないとのこと。 ただし、ショーケースに並ぶ生菓子は全て当日の朝作られたものです。 当日以外に作られるのは焼き菓子のみとなっています。 このことは、“ Sweets Nature “のコンセプトにも通じていました。 それは〜 『フレッシュなものをフレッシュなうちに召し上がっていただくこと』 絶対的に新鮮であることにこだわっていらっしゃいます。 そのために命を賭けていると言っていいほどだとおっしゃいます。 「だから、生ケーキはその日に売り切ります!」と断言されていました。 生ケーキは、夕方行くとショーケースがガラガラのこともあります。 新鮮さを追い求めると同時に、食品に携わる者の責任としてフードロスを出さないこともポリシーとされているため追加製造はしていないそうです。 店舗デザインについては、シンプルであることにこだわりました。 シンプルであれば季節感の演出もしやすくなります。 ロゴもまたシンプル。 自然派をイメージした清潔感あふれるものになっています。 そして、店舗デザインで最もこだわったところは作業場が見える大きな窓でした。 「双方に顔が見えると、お互いに安心しますよね。ここに窓をつけました。」 「でもちょっと大きすぎました。」と照れ笑いをした拓也さんへ、最後の質問をしてみました。 「ご自分を一言で言うとどんな人間だと思いますか?」 しばらく考えて答えてくれた言葉に、筆者は大きく頷いて「その通りですね!」と間髪入れず言ってしまいました。 「難しいなあ…。ひとことで自分を表現すると…、“ まっすぐ “ かな…?」 職人気質で一直線な“ Sweets Nature “のオーナーシェフ川村拓也さん。 まさに洋菓子界のサムライのような人でした。 Sweets Nature情報 オーナーシェフ 川村 拓也 住所 〒052-0027 伊達市大町3-2 電話 0142-88-6093 営業日・休業日はInstagramをご参照ください。 https://instagram.com/sweets_nature_kawamura?igshid=YmMyMTA2M2Y= ケーキの種類 :ショーケースには定番・季節ごと合わせて常時12種ほどのケーキがあります。マカロンは5種類。パンはクロワッサンとパンオショコラの2種類があります。また、焼き菓子はクッキーからバターケーキなど多数。季節のイベントに合わせて特別な商品も並びます。
Rietty
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洞爺財田(たからだ)に、地域をつなぐ店「いろは屋」あり。
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Rietty
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