心の伊達市民 第一号
大雪の胆振地方
東京は今年になって2回の「大雪警報」が出た。
しかしどちらも大雪とはならず、豪雪地帯の人には申し訳ないが、私には期待外れだった。
東京には滅多に雪が降らないので、もし降ったら、その時は写真を撮りに行くのが楽しみなのである。
何年か前には「歌舞伎座に雪が降る」という作品を中央区のフォトコンテストに応募して、入選したこともあった。『次に雪が降ったら、どこに写真を撮りに行こうか?』と考えていたのだった。
Xさんからの写真(近所の雪溜り)
天気予報の大雪警報は東京地方では外れているが、北海道では「大当たり」である。
特に「北海道の湘南」と言われている伊達市に大雪が降るのは珍しい。
そんなことを考えていたら、伊達市のXさんからタイムリーなメールが届いた。
『今頃になって伊達にも、橋本さん待望の大雪が降りました。昨日の朝から降り始め、今日も断続的に続いています。トータルで40~50cmは降ったのではないでしょうか』
会社の前も除雪した雪が山となっている。
『こんなに降り続くのは初めてのような気がします。こんな日なのに朝のウォーキングに出てみました。1枚目の写真は旗と電柱の間に本来は歩道があるのですが、1m近くも吹き溜まってしまってとても歩ける状況ではありません。次の写真はうちの駐車場の雪捨て場です』
『捨てる場所もなく3mほども積み上げられています。学校も昨日今日と2日間臨時休校、明日が祝日なので娘は先週末から5連休でラッキーと思っているようです。伊達は除雪の予算も機材もないため大パニック、市役所には苦情の電話が押し寄せているようです』。
豊浦町で雪かきをする人(Yさん提供)
豐浦町のYさんからも、大雪情報が届いた。
そして『こちらの雪はひどくて、昨日は朝から背中を痛めてしばらく使い物になりません。週末までに一挙に雪が無くなって来たと思ったら、1日で70~80センチ積もりました』とあった。
私は以前に雪の残っている伊達市に行ったことがあるが、メールで知らせてくれた情報はとても考えられない豪雪だった。
Yさんの車も雪に埋もれた。
伊達市のS子さんからは、悲惨な状況の報告があった。
『もうすでに災害です。筋肉痛であちこち大変です。伊達ももの凄く多いですが、22日は何処の会社も雪かきにおわれて営業は出来なかったのではいかと思います』
『22日は用事があり、室蘭まで行きましたが、ホワイトアウトになってもいいように スコップや毛布・水などを車に積んで出かけました。その時も家から出られず、出かけるまでに3回雪かきをしてやっと車を出すことが出来ました』。
窓に吹き付けた吹雪(S子さん提供)
『家の一階の窓の上まで雪が積もっています。吹きだまりで玄関のドアが開かなくて近くに住んでいる弟に頼んでドアを開けてもらいました。伊達は例年雪が少ないので除雪をすることがあまりないので、除雪車が間に合っていない状態です』
『会社はいま駐車場に車を停めるスペースが少なくなっているので、業者さんに雪を運んでもらう作業しています。雪を積むスペースがなく何処も困っているようです』。
こんな情報を送ってもらうと、『地球温暖化は本当か?』と思ってしまう。
S子さんの家(左)とお隣の家(右)
私が伊達市に行かなくなってから10年が経つが、いまだに縁は切れないでいるのがありがたい。
1年に1度の「心の伊達市民」の年会費のお礼の伊達産品の送付、2~3ヵ月に1度の「お伊っ達本舗」への「ゆめぴりか」の注文、時々の友人達からのメール・電話など、私にとっては嬉しい知らせだ。
たまに北海道を思い出すために、有楽町にあるレストラン「ニュートーキョー」でジンギスカンを食べる。
本場の北海道のジンギスカンには全く敵わないが、思い出を噛みしめる為に食べに行くのである。
「ジンギスカン・ランチ」(1000円・税込み)
(おまけの話)
2月22日の朝に、壮瞥町の果樹農園経営のIさんから電話があった。
この年になると、久し振りの友人からの電話は「悲しい知らせ」が多くなる。
「なにごとか?」と思ったのだが、嬉しいことに「用事ではなく、おしゃべり」だった。
Iさんは『私の電話はかけ放題だから、気にしないで長く話せるよ』と言った。
Iさんのハウスは雪に埋もれそうだ。
Iさんの家業は「リンゴ」、「イチゴ」、「ブルーベリー」、「サクランボ」の栽培が主力である。
彼の話では『この大雪でリンゴの木の枝が裂けるといけないので、剪定をしながら枝を落としている。もし雪で枝が裂けてしまったら、3年以上は収穫が無くなってしまう』
『イチゴハウスは屋根の雪を下ろさないと、ハウスが潰れてしまう。また屋根から落ちた雪を除雪する必要もある。ブルーベリーは雪が固まる前に、アルバイトを雇って雪をどけないと枝が折れてしまう』
「岩倉果樹園」も開店休業状態。
彼の話し方もあるのかもしれないが、かなり大変な作業なのに悲壮感が無い。
自然を相手の仕事は、大雪以外にも台風や異常気象でも被害が出る。
『大変な仕事だなー』と思いながら話を聞く。
話は大雪情報から、洞爺湖温泉、伊達市の様子、オミクロンまで延々と続いたのであった。
遠くにいる友からの電話は安否確認にもなり、とても嬉しいものである。
除雪した雪山の向こうに有珠山が見える。
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。
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