心の伊達市民 第一号
ブログ閉鎖中の話題(2018年5月26日)
人生わずか50年」という言葉があったが、最近は言われなくなった。
戦争が終った昭和20年と次の年の21年は、まだ日本は混乱の真っ最中で色々な統計もハッキリしない。
昭和22年になって、やっと日本人の平均寿命の発表があった。
その時の男性の平均寿命は50歳だった。だから「人生わずか50年」というのは間違っていなかった。
「たたずまい」(京都府伊根町)
これは正確には「人間わずか50年」で、能の原型である「幸若舞」の中の一節に、「人間50年 下天の内をくらぶれば 夢幻のごとくなり」という有名な詩章があり、織田信長が好んで演じたという話がある。
私は「人間わずか50年」より、「人生わずか50年」の方が語呂も良く好きだ。
「共存共栄」(京都府伊根町)
それが昨年あたりになると、男は80.98歳、女は87.14歳になったのだから驚く。
しかも長年にわたり世界一の長寿国の地位を占めているのだから、更に驚く。
資源も無く、国土も狭く、真面目で、勤勉で、心配症で、生活も厳しく、競争も厳しくとなれば、とても長生きは出来ない条件のオンパレードである。
この反対の条件の国の方が短命というのだから、理由がよく分からない。
「驚愕の群舞」(京都府伊根町)
そんな国、日本に生まれ育った私が昨年3月に後期高齢者になってしまった。
3月に更に1歳加わったので、平均寿命から判断すると、あと残りは4年だ。
そんなことを考えていたら、女房が「5月25日で結婚50年よ!、何か考えているの?」と言った。
正直な話、私は全く忘れていた。
「見守る」(群馬県沼田市)
昔は結婚50年は金婚式と言って、大いに祝ったものである。
私の子供の頃は金婚式を迎える夫婦は珍しく、大体はその前にどちらかが欠けたものである。
私の両親は結婚30年を迎えることが出来なかった。
我々の「結婚50年が目出たいか?」という質問には、なんとなくやって来ただけなので、あまり目出度いという気持ちは無い。そう言えば、同級生(Tさん)の酒造会社に「金婚」という酒があったのを思い出した。
「捨てられて」(群馬県沼田市)
どこの家庭にも夫婦にはそれなりの歴史があると思う。
これを書くとかなりプライバシーに関わるので私は書かないが、どこにもあるように山あり、谷ありであった。
私は女房に「金婚式を記念して、なにか食べたいものがあるか?」と聞いた。
「カニはどうだ?、ふぐはどうだ?、高級すき焼きはどうだ?」と聞いたが喜ばない。
女房の返事は「カニとふぐはシーズンじゃないしねー。すき焼きは家で食べた方が美味しいしねー」と、張り合いが無い。
「出世を願い」(東京都港区愛宕)・・出世の石段
「ゴールデンウィークが終るまでに考える」と言った女房に、ゴールデンウィークが終ったので聞いてみた。
私 「金婚式の記念行事の希望は決ったか?」
女房「特に希望は無いので、その権利を冬まで延ばしてもらって、越前カニの季節に今までに何回か行った京丹後市の夕日ヶ浦温泉に行きましょう」。
・・・という次第で、金婚式当日は何もしないで、今年の冬に越前カニを食べに行くことにした。
でも、そこまで覚えていられるかなー?
「自然とともに」(京都府南丹後市美山町)
(おまけの話)
結婚をして50年も経つと、連れ合いを亡くしたり、別れたり、本人が居なくなったりしている。
それより多いのが我慢して結婚生活を続けている人達である。私の周りにも、このような友人が多くいる。
我々の生きた時代は離婚はよほどのことが無い限り、御法度であった。
「ここまで50年も我慢したのだから、もう少しの辛抱だ」と応援したくなる。
「日本の中の外国」(東京都中央区)
50年も一緒に生活していると、今までの人生の3分の2を女房と一緒にいたことになる。
兄弟姉妹は実家で25年以下の同居生活しかなく、しかももの心がついてからは短い。
だから兄弟姉妹は分かりあっているつもりでも、実はそんなに分かり合っていないことが多いのである。
自分たちが結婚してからは、たまにしか会わないようになる。
「日本の歴史」(京都府南丹後市美山町)
自分の家にも生活があるように、兄弟姉妹の家にも彼らの生活がある。
両親を亡くすとあれだけ通っていた実家には寄り難くなる。それは兄嫁に気兼ねが出て来るからだ。
そして50年も経つと、段々と兄弟姉妹は疎遠になって行く。会うのは祝儀・不祝儀の時くらいになる。
私も既に世の中の儚さを感じる年齢になった。 だから兄弟姉妹、女房、同級生より先に逝きたい。
なんか最後は暗い話になってしまった。
「富士山の邪魔をする」(勝どきから)
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。
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