心の伊達市民 第一号
1月9日は成人の日で休日だった。
私のあやふやな記憶では、私の学生時代の頃は休日でないような気がしていた。
そこで早速、ネットで調べたら「昭和23年から休日」になっていた。やはり私の記憶はあてにならない。
休日だからといって家にはいられないので、街へ出て行くことにした。
いつも1人では寂しいので、今回は15年ほど前に自分で彫った弁慶をお供にした。
この弁慶像は浜町公園にあるものを、私は写真に撮って摸刻したのである。
あまり遠方は面倒なので、銀座を二人旅することにした。
これを「同行二人(どうぎょう・ににん)と言って、四国巡礼の人が弘法大師と一緒に巡礼する意味である。銀座というのは「どこからどこまでか?」は人によって違うようだ。
私は東京を代表する劇場である「歌舞伎座」から銀座と決めている。
地方都市に行くと、どこにも「〇〇銀座通り」があるが、中央区でも築地なのに「銀座」と言っている店もある。
歌舞伎座で弁慶と写真を撮ってから、4丁目交差点に行く。
やはりここは三越デパートのライオンと一緒の写真を撮るべきだろうと思った。
まだ午前中なので、銀座通りは歩行者天国になっていない。
4丁目から1丁目方面に歩いて行く。
松屋デパートの辺りから、ヨーロッパのブランド店が軒を連ねるようになる。
店の数が多いので、とりあえず記念撮影だけして、それを纏めて1枚の写真にしようと考えた。
1丁目まで行ってから、交差点を左折して東京駅八重洲口から続く外堀通りに出る。
そこをまた左折して、ユニクロの上の6階にある「ダイソー」で買い物をする。
そして向かい側の高速道路下の「インズ」で、軽くランチを食べる。
しばらく休憩してから数寄屋橋公園に行き、「芸術は爆発だ!」の岡本太郎作の「若い時計台」で一緒に写真を撮る。
次に「TOKYU PLAZA」の屋上に行き、そこから下に見える交差点と一緒の写真を撮る。
「TOKYU PLAZA」では弁慶が旅をしている感じを出すために、エスカレーターでも写真を撮った。今回の二人旅のきっかけは、J子さんの昔話の投稿(おまけの話)から始まったので、「鳥ぎん」に行く。
「鳥ぎん」は私も好きで、時々、家族や友人と行く。
釜めしだけでなく、ヤキトリも美味しい。
ここは休日でも昼間から営業をしていて、入店待ちの人がいて写真が撮り難かった。
「鳥ぎん」を終り、6丁目で銀座通りに戻った。
6丁目と言えば、その名の通り「GINZA SIX」である。
4階まで上がり、中央の吹き抜けの空間に浮いて飾られている、私には理解不能のアートと一緒に写真に収める。オープンした時の最初のアートは「草間彌生」の水玉模様だった。
今回で8代目でマンガのようなものである。これも調べてみたら、「ジャン・ジュリアン」という人の「Departure」という作品だった。
弁慶と対象物との一緒の写真を撮るのは、そう簡単ではない。
「太陽の光」、「歩く人」、「撮影場所」、「弁慶と対象物とのバランス」など、結構難しいのである。
歩行者天国の椅子に座って、一休みする。外国人観光客が明らかに増えているのを感じる。7丁目では銀座を代表する「ライオン・ビアホール」で撮影し、8丁目に向かう。
そしてここもJ子さんのコメントに登場する「資生堂」で写真を撮る。
その少し先では1年に1回行く「かに道楽」があるので、そこでもパシャリ。
ここで銀座は終りなので、汐留に向かい東京BRTに乗って家に戻った。
約3時間の同行二人の旅だった。
(おまけの話)
ある時、私が銀座資生堂のショーウィンドーに飾られた、チョコレートの話を書いた。
その話に反応して、60年近く前にニューヨーク世界博で一緒に働いたJ子さんがコメントを書いていた。
『学校が終ると、白金から都電に乗り、テアトル銀座で映画を見たり、みゆき通りのキッチン「ハマ」でカニピラフか、鳥銀で釜めしを食べ、銀座をブラブラ、最後は「リズ」でパフェ、とても資生堂には敷居が高過ぎました。あ~~懐かしい!!思い出させてくれてありがとう』とあった。
その頃の私は田舎者で、銀座なんて全く知らなかった。
こんな話題を提供してくれたJ子さんにお礼の意味を込めて、コメントに登場する店を探して銀座を徘徊した。J子さんが乗っていた都電が東京から消えたのは1972年だった。
「テアトル銀座」では私も映画を見た覚えがあるが、場所は銀座一丁目で2013年5月に閉館となった。その後、ホテル西洋銀座になり、現在はゲーム会社の「コナミ」が入っている。現在、「テアトル銀座」の流れを汲むのは「ヒューマントラスト有楽町」で、有楽町駅前にある。
みゆき通りのキッチン「ハマ」は既に無く、カフェの「リズ」も無い。
釜めしの「鳥ぎん」は現在も存在していて、私もたまに釜めしを食べに行っている。
飲食業が60年も続くのは難しい。食べ物の流行もあるし、経営者の高齢化が大きいだろう。
戦後すぐに開店した「鳥ぎん」は高級店で歴史があるわけでもない「鳥ぎん」が現在も営業中というのは、本当にまれなことである。
J子さんのお陰で、思い掛けない銀座徘徊が出来たのであった。
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。
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