
心の伊達市民 第一号
ブログ閉鎖中の話題(2017年4月7日)
最近のことだが、「ワシントンハイツ」という分厚い本を読んだ。
ワシントンハイツと聞いて分かる人は私と同年齢で、しかも東京の区部に住んでいた人だ。私の読んだ「ワシントンハイツ」という本で、戦後から独立前の日本の歴史が良く分かる。お勧めの一冊である。
私はワシントンハイツには思い出があるので、懐かしかった。
「ワシントンハイツとは何か?」を説明するその前に、私とアメリカとの出会いの話を書く。一番最初のアメリカとの出会いは私が幼稚園の時だった。
幼稚園から家に戻ったら、応接間にアメリカ人の若い男が2人いた。
なぜ私の家にアメリカ人がいるのか分からず、とても怖かった覚えがある。
そのアメリカ人は米軍兵士で、私のオヤジがどこからか家に連れて来たようだった。
私のオヤジは若い頃にブラジルに住んでいたのでポルトガル語は話せるが、英語は話せない。
どうやって意思の疎通をしたのか分からないが、次にそのアメリカ人が我が家に来た時は色々なアメリカ製の食品を持って来た。オヤジはアメリカ兵から横流しの食料を買っていたらしい。
その頃、私の家の斜め向かいにAさんという一家が住んでいた。
その家は大所帯で、しかもヤクザ風の怖い感じの家族で、近所の人達は避けていたように思う。
A家の長男が府中の米軍キャンプのコックをしていたようで、仕事帰りに自分が昼に食べた大きな弁当箱にハムやソーセージを誤魔化して詰めて持ち帰っていた。
そしてそのハムやソーセージを我が家で買い取り、私はそれを食べて育ったのである。
私は大学生になり、いつかはアメリカに行きたくて英会話を習うところを探した。
そして誰かの紹介で、ワシントンハイツの中のアメリカ人将校の奥さんに英会話を習うことになった。
ワシントンハイツは原宿駅を降りた目の前の、元日本陸軍の代々木練兵所跡地の広大な敷地にあった。明治神宮に隣接した今の代々木公園やNHKのある場所である。
ワシントンハイツとは簡単に言うと「アメリカ占領軍の将校たちの為の住宅地」であり、日本人の入場は禁止されていた。私はよく覚えていないが、そこに入るために何かパスのようなものをもらっていたのかもしれない。
いま思うと安っぽいハウスと呼ばれていた1戸建ての家で、日本家屋と違いペンキで塗られていた。でも中に入ると、冬でも半袖でいる奥さんに驚かされた。家中がセントラル・ヒーティングで温められていたのである。
占領軍の特権で、全く贅沢なことをしていた連中だ。
その後、大学4年の時にニューヨーク世界博覧会の従業員募集があり、私は運良く合格した。そしてアメリカに渡る前に、アメリカ生活の予行演習として座間の米軍キャンプで数日間、アメリカ兵と寝食を共にした。
その時に私が一番驚いたのは、「アメリカ人は冬でもアイスクリームを食べる」ということだった。今ではその憧れの生活を手に入れている私だが、昔のことを忘れずに飽食などしないように・・・。
(おまけの話)
今年の東京の桜の開花宣言は3月21日だった。
ワシントンハイツの跡地に出来た代々木公園は桜の名所である。
そこで桜の撮影を兼ねて、4月5日にワシントンハイツの残影を求めて徘徊に出掛けた。
JR原宿駅の改札口をを出ると、竹下通りに向かう田舎風の若者と明治神宮に向かう外国人観光客で溢れ返っていた。
私は明治神宮の前を通り過ぎて、代々木公園に向かう。
公園の入り口を入り、右手に進むと思い掛けない建物があった。
これは当時のアメリカ人将校の住んでいたハウスである。シッカリと管理されて、今でも保存されている。
「そうだ!私が英会話を習いに行ったハウスはこれだ!」と思わず声が出た。
私は一気に青春時代に逆戻りして、色々な思い出が頭の中を駆け巡る。
あんなにアメリカに憧れNYまで行ったのに、人生とは皮肉なもので、私の人生はオヤジの早世によりアメリカとは関係無い仕事で終った。
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。
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