心の伊達市民 第一号

工場の夜景撮影

ブログ閉鎖中の話題(2014年7月9日)

しばらく前までは、京浜工業地帯は日本経済の発展の象徴みたいなものだった。
一時期は工場から出されるばい煙や排ガスが空気を汚し、「川崎病」などという病名まで付けられた嫌われ者だった。


足元の川崎工業地帯の地図を見る。


それが公害という言葉が登場し、「経済発展より日本人の健康の方が大事だ」ということが理解されるようになり、今ではすっかり日本は環境技術で世界をリードするようなところまで来た。


コンビナートはまだ明るい。


今の中国の大都市の公害に汚染された風景をテレビを通じて見ると、「日本も昔はああだった」と思い出させてくれる。
だから私は個人的にはあまりこの件では強いことを言えないと思っている。
でも、その汚い空気が日本まで飛んで来るのだから、なんとかしてくれー!


夜景ではなく、夕陽のコンビナート。


日本の工業はすっかり清潔になったのは良いのだが、その分で元気が無くなった。
そんな時に登場したのが、工業地帯の夜景の美しさである。
これを商売にしようと思う人がいる一方で、お金を払ってまで、それを見ようとする人がいるのだから、日本とは変な国である。


害な排ガスを燃やして無害化するそうだ。


その変な人の中の1人となって、私ははとバスが企画した「川崎工場夜景スポット」という旅に乗せられてカメラを担いで出掛けて行った。
土曜日の夕方に、東京駅丸の内側の「はとバス」乗り場に集合したのは42人だった。


倉庫群の向こうに石油貯蔵タンクが見える。


バスは京浜工業地帯を進み、川崎港に向かう。
初夏で陽が長いので、なかなか暗くならない。
撮影ポイントに案内されたが、明るくてコンビナートに灯が点る時間ではない。

次のポイントで少し薄暗くなって来たが、まだ駄目である。
3ヵ所目でやっと工場に灯が点る。工業出身者の私としては、工場の夜景はどうということもない風景である。


アベノミクスによる景気回復で、新たな建設も行われている。


4ヵ所の撮影ポイントと称する場所に案内されたが、期待外れも甚だしい。暗くなるのが早い冬の時期に来れば、もう少し良いかもしれない。帰り道のバスが高速道路を走ったが、そこから見えるコンビナートの夜景が一番良かった。

それならなにもお金を払ってツアーに参加することもない。
でも私は今はもう車を持っていない。


やっとコンビナートが夜景らしくなった。



(おまけの話)
この企画は夜景撮影をしたいアマチュア・カメラマンが多いと思っていた。ところが驚いたことに、一眼レフカメラを持っていたのは、私の他には1人だけだった。
ガイドは言った。『このツアーの参加者は、いつも60~70%はオバちゃんです』。


川を挟んだコンビナート。ここが一番のお勧めポイントだった。


バスで隣に座ったオバちゃんに聞いてみた。
『工場に興味があるのですか?』。
彼女は答えた。『テレビ番組で見て綺麗だったので、3人で参加した』。

このツアーは殆どがこのようなオバちゃんばかりだった。
最近のオバちゃんは暇だから、どこにでも出没する。


高速道路から見える夜景が一番綺麗だった。


企画した旅行社は少しでも売り上げを上げたいので、いきなりは工場に案内しない。
先ずは川崎のコリア・タウンで「焼肉」を食べさせられる。
私は1人で参加したので、どこかのグループに入れられるのかと心配した。


「ハトばす」はなんでもツアーにしてしまう。

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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

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