動物を殺して神様に供える事、まぁ生贄もその定でしょう…。
それの事を動物供犠と言います。
日本では長年にわたって支配層が仏教を保護し、表向きは殺生を禁じていましたが、古代からさまざまな形で動物供犠が行われていた…。最も知られているのは、雨乞いのために牛を殺す農耕儀礼ですね…。

「日本書紀」にも642年(皇極元)、雨乞いのために牛馬を殺して諸社の神様を祀ったと記されています。
これは中国から移入されたものといわれ、791年(延暦10)には「牛を殺して異国の神を祀るな!」と禁止令すら出されています。朝廷から邪教扱いされたも
のの、殺牛はすっかり日本に根付き、大正時代頃まで脈々と受け継がれたらしい…。

この他にも狩猟の盛んな地方では、狩猟儀礼として神様に動物を供える事が行われていた…。
平安時代の「今昔物語集」には大江定基が三河(愛知県東部)の人々が祭祀で生きたイノシシを殺すのを見て驚倒した!というエピソードが紹介されています。
現在でも信州の諏訪神社で御頭祭に鹿の頭を供える等、動物供犠の名残を伝える儀式が各地に残っています。

中央でも動物供犠の精神がまったく途絶えた訳ではなくて、「延喜式」では祈年祭に、白馬、白猪、白鶏を供えるように指示されていたらしいし…。
儀式で動物たちがどのように扱われたか?は明らかではないですが、豊作祈願に動物の存在が必要とされた事だけは確かなようです。
また現在も伊勢神宮では神嘗祭の儀式で生アワビをさばく事から、神様に自然の恵みを食べてもらうために、かつては神前で魚や鹿等も小刀でさばいたのではないか?といわれています。


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