西洋の錬金術には、理論の基盤となった一群の文書が存在する…。
一般に「ヘルメス文書」と総称されるこれからの文書の中でも、ひときわ重要なのが「エメラルド・タブレット」と呼ばれる、さほど長くもない文章です。古来から錬金術の古典として連綿と受け継がれて来たこの文章を解読する事こそ、あらゆる錬金術師が通る第一関門だったそうです。

それほど長くもないので、エメラルド・タブレットの全訳を紹介しておきます。中世の真面目な錬金術師たちは、皆ここから何らかの化学的な真理を読み解こうと、頭を捻ったのさ…。私にはサッパリ理解出来ない文言ですけどね…。

これはウソ偽りなく真実、確実にして、この上なく真正である。
ひとつのものの驚異を成し遂げるにあたっては、下にあるものは上にあるものに似ており、上にあるあるものは下にあるものに似ている。
そして万物は、ひとつのものの仲立ちによって、ひとつのものから成ったように、万物は順応によって、このひとつのものから生まれた。
このものの父は太陽で、母は月である。風はこのものを胎内にもち、その乳母は大地である。
このものは、全世界いっさいの仕上げの父である。
その力は、もし大地に向けられれば、完全無欠である。
汝は、土を火から、精妙なものを粗雑なものから、円滑に、極めて巧妙に分離するがよい。
それは大地から天へ上昇し、再び大地へ下降して、優れたものと劣れるものの力を受け取る。かくして汝は、全世界の栄光を手に入れ、いっさいの不明瞭は汝から消え去るであろう…。
このものは、すべての剛毅のうちでも、いやがうえに剛毅である。何故なら、それはあらゆる精妙なものに打ち勝ち、あらゆる固体に浸透するから…。
かくして大地は創造された!
したがって、このものを手段として、驚異すべき順応がなされるであろう。
このため私は、全世界の哲学の三部をもつヘルメス・トリスメギストスと呼ばれる。
私が太陽の働きについて述べたことは、以上で終わる。

寓意と隠喩に満ちすぎた難解な文章ですよね?この文章が具体的に何を意味しているのか、確とした論証をする事が出来た者は、いまだかつていない訳で…。解明出来る方、教えて欲しいです!


ちょっと不思議なおはなし タリズマン・マスター

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