江戸時代中期の俳人、山口素堂は「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」という句を詠んでいます…。江戸っ子たちが春から夏のかけて、楽しんだものが並ぶ句ですが、中でもこれから旬となる「初鰹」は、「女房を質に入れても食う」と言われたほどで…(オイオイ)。

旬という言葉は、最も味の良い時の事で、本来は上旬、中旬、下旬のように、10日間を意味したものらしいです。「初物を食べると75日寿命が延びる」といわれたのは、せっかちで負けず嫌いの江戸っ子の、我先の思いから生まれたのかも知れませんね?ただ、現代のように物流がスピーディーではなかった時代には、旬のものは早ければ早いほどいいと考えあられたのは当然です。



江戸っ子は初鰹を刺身で食べたようなのですが、土佐(高知県)では表面だけをあぶってから冷やし、薬味とタレをかけて食べる「土佐づくり」と呼ばれる鰹料理が有名ですよね…?いわゆる「たたき」ですわ。漁師さんのまかない料理という説はありますが、広く知られているのは土佐藩初代藩主・山内一豊が鰹の生食を禁じた事から生まれたそうで、領民に食中毒が起こり、その原因を鰹の生食と考えた山内一豊が、鰹は焼いて食べるように!というお触れを出したみたいなの…。焼き魚にしたら、確かに表面にいる雑菌や寄生虫は退治出来ますよね…。

日頃からお殿様を敬愛する領民たちは、それを素直に受け入れて、鰹を焼いて食べるようにしたのだけど、やっぱり生の美味しさにはかなわなかったようで…。それで表面だけあぶって、焼き魚のように見せかけた鰹を味わったらしいのさ…。

まぁ、江戸っ子にしても、土佐っ子にしても、それで「75日寿命が延びる」にはつながらないですよね…?

実は、「75日寿命が延びる」という言葉は、ある死刑囚の願いがきっかけで生まれたという説があります。

「大岡越前」や「遠山の金さん」が町奉行として活躍していた江戸時代、死刑と決まった罪人に対して「食べたいものがあれば与える…」という温情措置があったらしいの…そこである罪人が口にしたのが、およそ季節外れの食べ物だったそうで、その結果、死刑の執行が75日ほど延びた…という。

でも、私個人の意見では、やっぱり旬の食べ物は、息吹や栄養素を取り入れるには、一番と思います。旬を取り入れて、この厳しい時代を乗り切りましょう!


ちょっと不思議なおはなし タリズマン・マスター

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