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生首をかかえた幽霊

江戸時代は、夜になったら照明がかなり薄いから、まぁ、夜中等は漆黒の闇!めちゃくちゃ怖い訳ですよ…。怖いもので怖いものを寄せ付けないようにするために、この時代”幽霊画”がたくさん描かれました…。有名な円山応挙ですら描いているくらいで…。



福島県白河市松平越中守・家中の高瀬家では、当主が亡くなりその息子である助十郎が家督を継いだ…。同時に助十郎の姉であるおちえに縁談が持ち掛けられた。相手は裕福な杉野家であり、当主も幼く、経済的に逼迫していた高瀬家にとっては願ってもない良縁といえた…。先方の杉野家では身一つで来て欲しいという歓迎ぶりだったらしい…。

しかし、現実は違っていた…。嫁ぎ先の杉野家では、いつまで経っても結婚式をあげず、おちえを下女のように扱い冷遇した。さらにおちえが女の子を出産すると、妾の子として藩に届け出を出したそうです。

この侮辱的な行為に実家である高瀬家の母は激怒し、強引に娘のおちえを杉野家から連れ戻した…。ただ、おちえは我が子可愛さから、実家の母に隠れ、夫と我が子のところに通ったそうなの…。

一方このままでは我が高瀬家の名誉に傷がつくと助十郎は苦悶し、姉のおちえを刺し殺すという刀傷事件を起こしてしまった。文化2年(1805)の秋の事…。この不祥事によって高瀬家はお家断絶となり、おちえの夫であった杉野郡助も、結婚式の約束を違え、実子を庶子で届けた罪を問われ隠居となった…。

おちえの初七日の法要が終わった夜に怪異が起きたようで、殺されたおちえが幽霊となって現れ、自分を殺した弟の首を引きちぎり持ち去ったのさ…。血が滴り落ちる生首を腕に抱いた幽霊は、それ以来毎夜160日間にわたり杉野家に出没し、恨み言を述べたと言われています。

ある夜の事、おちえの怨霊を目にした僧侶が、その姿を絵師に描かせた…。その幽霊画が小峰寺に残されています。物悲しさと恐ろしさを両方兼ね備えた絵ですわ…。

生首を持った怨霊はかなり不気味ですが、イギリスのロンドン塔にはアンブーリンという自分の生首を持った霊が目撃されていますし、映画のモチーフにもなっているイギリスのランワースの沼にも大晦日に生首を持った亡霊が出現するそうで、馬に乗った魔物によって首を刎ねられた者の亡霊らしいです。

こんな呪物もたまにはいいのかもね…?

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