糸をつむぐように

モンゴル旅行記(13)

2回目のモンゴル行きになったのは結婚式の招待だった。

新婦とは一度しか会っていなかった。
彼女と会ったのは京都・髙島屋の個展会場だった。
夕方髙島屋にあらわれた彼女は染織関係の大学生。
モンゴルからの留学生だった。

僕は暇な時間帯だったのでシルクを紡いでいた。
糸紡ぎは時間を要するので工房で紡ぐ事は無く、実演の糸は貴重だった。

彼女はその日、
東京・代官山の染織のグループ展に勉強を兼ねて見学に行った。
そこでは妻の友人のニッターが参加していて、
妻は遊びに行っていたのだった。
誰ともすぐ仲良くなれる妻は大いに盛り上がったのだと思う。
これから京都に帰るという彼女に妻は
「今、主人は京都・髙島屋に出店しているので、行ってみてください」
とでも言ったのだろう。
言われたとおりに素直な彼女は訪れたのであった。

そんな感じで新婦の愛称ダリちゃんに会ったのだった

招待状が送られてきて妻は行ってあげたいけど、
お金が無い・・と言う。
試しに僕が貯めていた500円玉貯金を見てみた。
30万円も有った。
それを妻に告げると「やった〜〜‼ 行ける‼」って感じで大喜び。

2回目のモンゴル行きは決まった。

モンゴルでの結婚式は規模といい飾り付けといい素晴らしかった。
眼の前数メートルで念願のホーミーも聞いた。
モンゴルでは羊や山羊は日本の魚のようなものだ。
魚の姿煮のように
山羊の姿焼きが宴たけなわの時に入場してきた時はビックリした。
前にも書いたが、首がピンと直立しているのだ。
それを切って皆に振る舞ったのだろうが、
まったく覚えていない。

たぶん全体的に美味しくはなかったに違いない。


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