
心の伊達市民 第一号
ブログ閉鎖中の話題(2017年7月14日)
私は日本の伝統芸能は好きだが、どうも能楽だけは弱い。
今までに能楽堂に入って、正式に能を見たのは2回だけである。
1回目はゴルフで同じクラブのメンバーだった大学教授の息子がなかなか嫁さんが来ないので、私は縁談の紹介を頼まれた時であった。
女房の伝手で能楽の一派の家元の娘さんと話がつき、見合いをさせることになった。
プライバシーのことがあるので、その流派と場所は言えない。
言えば能楽に詳しい人なら、「あの娘か!」と分ってしまうからだ。
そしてある日、教授の息子を連れて女房と一緒に、家元の能舞台のある家に行ったのである。
そこで私は女房と一緒に能楽を見ながら、見合いをさせたのである。
結果は残念ながら、断られてしまった。格式の違いと、男にも問題があった。
その後、ズ~と能楽とは縁が無かったが、2回目は引退してから同級生のY君に誘われて、千駄ヶ谷の国立能楽堂に能を見に行ったことがあった。
その時はY君の長年の趣味である能楽の発表会を見に行くつもりでいたら、これが大間違いでY君の先生の発表会だった。能を分かる人には楽しいのだろうが、無粋な私には何がなんだか良く分からなかった。
ところが、もう「無い」と思っていたのに3回目がやって来た。
それは銀座であった。銀座は伝統ある町なので、色々な行事がある。
その中の1つに「金春祭り」があり、8月1日から7日までお祭が金春通りで行われた。
ブログのネタ探しに苦労している私は、すぐに飛び付いた。
7日は無料で見物できる、「路上奉納能」が行われる。
金春祭りで能を見るためには、午後4時から整理券をもらわないといけない。
私は時間になるまで、金春通りに纏わる史跡などを見て廻った。
ところが昼頃から大型台風5号が近付いて来て、小雨が降って来た。
席に案内されたら、私の整理券の番号は51番で、かなり後ろのほうだった。
座席は道路を通行止めにして、横長のベンチを並べただである。
そもそも能は中腰で演じるのだから、前の人が邪魔になり「声はすれども姿は見えず」という状態だ。
笛のピーという音、鼓のポンという音、「イヨォー」という掛け声は良く聞こえる。
時々、観客の肩越しに、演者の烏帽子だけが見える。
台風が来るといけないので主催者は開始時間を15分早め、演じる時間を20分短くした。
運良く、終了と同時に急に雨脚が強くなった。
そんな次第で、3回目もやはりよく分からなかった。私に教養が無いからかもしれない。でも私の育った家は元は黒崎子爵の別邸だった家で、能舞台があったんだがなー・・・・。
(おまけの話)
「金春」をなんと読むか?
普通は「きんはる」とか、「かねはる」、「きんしゅん」などだろう。
これを「こんぱる」と読める人は銀座に詳しいか、能楽を知っている人だろう。
私は縁談を世話した時に、初めて「こんぱる」という読み方を知ったのである。
能楽は江戸時代に幕府の直属で土地と俸禄が与えられていた四家(金春、観世、室生、金剛)があり、その中で金春が一番古い。・・・そうだ。
現在の金春通りは、そこに金春家の屋敷があったことが、その名残となっている。
その通りには「金春」の名をとった150年以上の歴史がある「金春湯」という公衆浴場がある。
60歳以上の中央区民は申請すれば、区内の公衆浴場はどこでも100円で入れる。
私はここへ越して間もない頃、そのパスを使って金春湯に入浴に行ったことがある。
この銭湯は飲食街のど真ん中にあるので、男性客は仕事前の調理師、コックなどばかりで入浴中の私は無口で小さくなっていた覚えがある。取材活動も、なかなか大変なのである。
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。
詳しくはこちらハッシュタグ
月別アーカイブ
「むしゃなび」はこちらの皆様に支援して頂いています
人気の記事
-
05/16(金) 散歩で虎ノ門から新橋へ
-
05/14(水) 写真で見る東京(97)・・・5月を呼ぶ花
-
05/20(火) 写真で見る東京(98)・・・帆船と消防ヘリ
-
05/19(月) 神田明神の「神田祭」

イベント
「楽しむ」カテゴリーのおすすめ記事
楽しむに関する
特集記事
-
マニアではなく科学する人 世羅繁宇氏の“ Stage 2 “〜自家焙煎ジャズ喫茶『COSSETTE COFFEE』
過去最長の書き上げ時間を要してしまいました…。 そのくらい筆者を悩ませた人、世羅繁宇氏が今回の主人公です。 お話を伺う限り、全てにエビデンスに基づく計算があるということを察しました。 きちんと科学する人でした。 実は感覚派の筆者には一番不得手なタイプ。 言い換えれば、一番興味をそそられるタイプ。 だからこそ、理解に時間がかかったという訳です。 「起業する前は大企業のエンジニアでした」。 全てが腑に落ちたご経歴の持ち主でした。 『COSSETTE COFFEE』をオープンされたのは2022年6月のこと。 会社員時代から珈琲焙煎は趣味でなんとなく行っていたそうです。 その時使っていたのは銀杏を炒る道具。 その後、当然のごとくエンジニアスピリッツがより良い焙煎機への開発へと繋がっていきます。 「珈琲焙煎という趣味は、アウトドアの趣味とは違い金銭メリットが生まれます。 料理もそう。遊びの中でメリットがある。そんな気づきが起業に結びつきました」。 世羅さんの言葉に、単に趣味が高じたわけではないというニュアンスを感じました。 「誰かに師事したことはありません。バイブルは『田口護 珈琲大全』のみです。 焙煎、ネルドリップの淹れ方はこの本で学びを深めました」。 この本の冒頭にはこのように書かれていました。 (引用) [コーヒーの焙煎は名人上手の専売特許ではなく、職人的なカンの世界などでもない。 理詰めの数学であり論理学の世界なのである。 生豆の選定から抽出までの流れを一つのシステムとしてとらえ、 各プロセス上に存在する複数の条件によって、 さまざまな味が生み出されるメカニズムに着眼した「システム珈琲学」。 豆の種類から焙煎方法まで網羅した本格的珈琲実用書。 珈琲生産地の現状や栽培状況、味の特徴を決める焙煎、カッティング・抽出までを ていねいに解説する。焙煎技術書としてプロも活用可能]。 なるほど…。 この文章を読んだ瞬間に世羅さんに少し近づけた気がしました。 珈琲を科学する世羅さんにとって、焙煎機は最も重要な相棒。 なので、その制作にも理詰めの数学と論理的思考が働きます。 持ち前のエンジニアスピリッツも相まって、 とことんこだわるということなのでしょう。 「拘ったのは極力 “ 風 ”を入れず、温度管理を徹底させた香りの調整です」。 「え? 温度はイメージできますが、風もですか?」 「はい。現在、95%の焙煎は半熱風式で行われていると言われています。 大手さんになると熱風式となります。僕は難しいとされているほんの数%の隙間を狙った焙煎機を作りたかった。できるだけ豆本来が持つ香りをなくしたくない。 焙煎された珈琲って、3000~4000くらいの化学物質が生成されるのです。 それが、150℃位で香りの成分が気化します。できるだけその香りたちを封じ込める焙煎機を作りたい。それには風と温度の管理が最も重要です。 だから常に課題を見つけては一つ一つ改善する。ひとりPDCAをくるくる回す日々です」。 これは、機械技術者としての誇りを感じるお話でした。 弛まぬ研究から生まれた機械は、2007年に第1号機、2009年に第2号機、そして最新の第3号機が現在店舗内で稼働しています。 「現在「浅煎り」と呼ばれるものがブームですが、うちで煎り上がった豆は、一般的なカテゴライズには入らないと思います。 シティーロースト風シティーローストとでも言うのかな…。 正直、うちより香り高い珈琲は飲んだことがありません。『世界にひとつだけの珈琲』だと自負しています」。 この話しを聞いた時、筆者はこう尋ねました。 「それは、自分の舌への絶対的な自信ですか?」と。 当然。 「そういうことじゃない」。 と一蹴されました。 今思えば愚問でした。 あくまでも世羅さんの自信は科学的根拠に基づくものなのです。 「嗅覚で感じた香りは脳で増幅させられて味覚に刺激を与え、『味』を作ります」。 「なるほど…。 それをどう感じ、好みかそうではないかは味わう人次第ということになるわけですね」。 ネルドリップは筆者が一番好きな淹れ方です。 この素敵な膨らみ! 銅のポットから注がれるお湯で、 ネル袋のなかにふんわりと膨らむ豆を見るだけで興奮し、 既に口の中が美味しくなります。 マイセンの素敵なカップ&ソーサー いつまでも香りが鼻腔に残る美味しい「パナマゲイシャ」をいただきました。 常時8種類くらいを扱います。 ところで、店内を見回すとなんとなくレトロな雰囲気の調度品が目立ちます。 そこで尋ねてみました。 「レトロなものがお好きなのですか?」 「いいえ、これも計算です」。 「な…。なるほど…」。 「信頼している苫小牧の家具屋のオーナーがいらっしゃるんですが、話していると時代の変わりで生活様式も変化しているということを言っているんです。だから、その度に売るものを変化させて対応するんだそうです。その言葉を聞いて、インテリアにも気を配るようになりました。モードの時代は終わり、レトロデザインの時代が来ているんですよ。レトロなものは落ち着きますしね」。 「調度品にもデータに基づく根拠があるわけですね!」 日本のレトロとは違う、アメリカっぽい感じが若い層にも男性にも刺さりそうです。 筆者みたいなおひとり様好きな女性にも好まれそう。 「では、もしかしてオーディオも?」 「そうです。珈琲もそうですが、音についても僕はマニアじゃない。全て計算の上で選んでいます。現在置いているオーディオはアルテック605Aで、アビーロードスタジオで使用されていたものです。この環境に合うものを選びました。高音質をお楽しみいただけますよ」。 ハイクオリティーなモノへの追求は止まるところを知りません。 「もしかして焙煎機も4号機計画があったりしますか?」 少し間をおいて、世羅さんは力強く頷きました。 エンジニアスピリットを持つ珈琲焙煎士 世羅さんは、 空間コーディネーターとしても最善のトータルでお客様をお迎えする姿勢を持つ人でした。 店内にはジャズのレコードがずらりと900枚並びます。 圧巻。 最後に尋ねました。 「ジャズも計算ですか?」 「ジャズはもともと好きです。 ピアノならキースジャレット。オルガンならジミースミス」。 この答えをいただき、なぜかホッとした筆者でしたが、 正直、世羅さんをもっともっと掘り下げたい! そんな衝動を抑えながら、悶々と『COSSETTE COFFEE』を後にしました。 ん?? これももしかしてリピーターを生むための計算? ふとそんなことが頭をよぎりつつ、 今度はカレーを食べに行こう!と、決めていた筆者です。 ―COSSETTE COFFEE 情報― Web page https://cossette.theshop.jp Instagram https://www.instagram.com/cossette_coffee?igsh=MzRlODBiNWFlZA== 世羅繁宇氏FaceBook https://www.facebook.com/sera.shigetaka
Rietty
0
Shinji