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じもとブロガー
心の伊達市民 第一号
正月早々に季刊誌「Living Will」という雑誌が届いた。
この雑誌は「日本尊厳死協会」の発行である。
私は女房と一緒に今から10年前に、この協会の会員になった。
10年前とは、私の年齢がオヤジが亡くなった年齢を12年越えた時だった。
日本尊厳死協会発行の季刊誌「Living Will」
オヤジは胃がんの末期症状で、かなり苦しんでいたのを私は見ていた。
そして「私は楽に死にたい」と考えていたのであるが、そんな時に日本尊厳死協会を知ったのであった。そして同じ考えの女房と、すぐに一緒に入会したのである。私は協会発行のカードをいつも身に付けていて、そこには次のように書いてある。
マンション近くの住吉神社の「御旅所」に初詣した。
「私の傷病が、現代医学えは不治の状態であり、既に死が迫っていると診断された場合には、ただ単に死期を引き延ばすためだけの延命措置はお断りいたします」。「ただしこの場合、私の苦痛を和らげるためには、麻薬などの適切な使用により十分な緩和医療を行って下さい」、「私が回復不能な還延性意識障害に陥った時は生命維持装置を取り止めて下さい」。
墨田川に架かる勝鬨橋から東京湾方面を見たら、夕陽がビルの谷間に落ちて行った。
人は誰でも死ぬ。ところが、いつ死ぬか分からないのが困る。
死ぬ日時が事前に分れば、それまでに「したいことをする」、「お金を残さないように使う」、「お世話になった人達にお礼を言う」など色々とやるべきことがある。
いつ死ぬか分からないので、「したいこと」を我慢し、「お金を節約し」、そして女房に「今までありがとう」も言えないのである。
冬は暮れるのが早く、「歌舞伎座」にも灯が入った。
マンションにXさんという、私より8歳年上で奥さんの老々介護をしている人がいる。かなり元気でいたのだが、ある日のことである。急に体調を崩して、救急車で聖路加国際病院に運ばれた。ここで救急車を呼ぶと、必ず聖路加国際病院に連れて行かれる。
聖路加国際病院の病室には大部屋は無く、全て個室だけである。
Xさんとはたまにメールで連絡はするのだが、新型コロナウィルスのせいで、お見舞いにも行けないので詳細は分らなかった。
銀座4丁目の「和光」(3日には大勢の人が銀座に出ていた)
新年になりXさんから連絡があった。「病院の正月休みで4日まで家に戻っている。病院に戻る前に会いたい」。そこで3階のカフェで会って、色々と話を聞いた。
Xさんは「重度の腎臓病」、「腹膜透析の手術をした」、「現在は透析をしていない」、「1日の個室料金は3万2000円」、「今まで10ヶ月入院で、1000万円以上は支払った」、「いつまで入院するのか分からない」、「いつまでもそんなことは出来ない」というような話だった。
銀座通りの「GINZA SIX」の向かい側から。
死ねばお金は掛からないが、死なないととんでもないお金が掛かるのである。
私の母は突然、心臓が止まって、誰も知らない内にアチラヘ逝った。
母の姉は寝ている間に死んだ。
私の父は胃がんで少し長引いたが、最後まで告知をしなかったこと私は悔いている。私もそう遠くない内にアチラヘ逝く。
家族が私に余計な延命治療などしないように、日本尊厳死協会に入っているが、Xさんの話を聞いて「お金が掛からないで死にたい」と思ったのであった。
「Dior」のショーウィンドーは華やかだった。
(おまけの話)
1月3日の夕食に、銀座8丁目の「カニ道楽」に行った。
ここは昨年の正月に行った時に、1年先の予約をしておいたのである。
この年になると、1年先の約束なんてどうなるか分からない。
でもその時は、「生きていれば」と冗談を言って予約したのである。
銀座8丁目のカニ道楽の看板。
「女房が健康の為に歩いて行こう」と言うので、自宅から歩いて行った。
カニ道楽の入口の上にある看板に「現金掴み取り」という文字が見えた。
そういえば、昨年も同じイベントがあり、家族で現金を掴んだ覚えがある。
料理はいつも決まったものを注文する。カニを食べると、かなり満足出来る。
「現金掴み取り」の看板。
支払いの段になり、10月に来た時に福引きを引き1万円が当たったので、今回の支払いの足しにした。
そして私は「現金の掴み取りの券は無いのですか?」と聞いた。
すると店の者は「それは1月12日からです」と言った。
私は早とちりをして、12日を「2日から」と見てしまったのである。
最近はこういうことが増えた。そして、来年の1月3日の予約をして家に戻った。
店に入ると右側に大きな水槽があり、カニがいっぱい入っていた。 上の段は毛ガニ、下の段はズワイガニ。
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伊達季節移住のススメ 心の伊達市民 第一号
アクセス総数:1,395,443
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。
引用元:洞爺湖周辺地域マガジン「むしゃなび」
https://mushanavi.com/author/jiyujin/blog2/entry-6708.html
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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。
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