心の伊達市民 第一号

有朋自遠方來。不亦樂乎 

ブログ閉鎖中の話題(2017年3月1日)


私が以前に住んでいた小金井の友人のHさんからメールが来た。
「故郷に帰っていたが日本ハチミツを持って帰って来たので、ハチミツ好きの橋本さんにプレゼントしたい」と、あった。
私は嬉しくなり、「それでは、我が家に遊びに来て!」と返信した。


隅田川に架かる勝鬨橋から東京湾方面を見る。 右側が築地市場。


その時に突然だが、「有朋自遠方來。不亦樂乎」という漢文が頭に浮かんだ。
私の高校時代の学科に「漢文」という授業があった。
最初はなんだかよく分からなかったが、その内に面白くなって来た。
漢文は漢字だけで簡潔なので、文章としては詩的で美しい。


勝鬨橋から佃島方面を見る。 正面のビル群はリバーシティ21。


漢文には「レ点」というのがあり、後ろの漢字が前に来るのが面白かった。
日本人なら「有朋自遠方來。不亦樂乎」を分かってはいると思うが、このブログを読んでいるベトナム人の為に解説する。

この文章を日本語にすると「朋(とも)あり。遠方より来る。また楽しからずや」となる。これを簡単に訳すと、その意味は「友達が遠くから来るのは楽しいことだ」となる。


大江戸線「勝どき駅」改札口。 午後1時30分に私は改札口にHさんを出迎えた。


Hさんと私は因縁話がある。
かなり前の話だが、ある時、家の近くでHさんと出会ったので、近況を知らせ合った。私は既に会社を売却して引退していたので、Hさんに「もう会社を畳んだら?」と言った。そんなお節介をした結果か?、本当に会社を畳んだり、社長を辞めた友人が4人もいる。


我が家から大手町方面を眺めるHさん。


Hさんもその中の1人で、私の見るところHさんは人が良過ぎて「社長職に向いていない」男だった。
そんなHさんも私が背中を押したのか突き飛ばしたのか分からないが、しばらく後に本当に会社を畳んだ。

そしてそれから数年後の先日の午後に、Hさんは我が家にやって来た。
今まで我が家に来たことが無かったのが、不思議なくらいの関係なのにである。


お土産の日本ハチミツ。 今や日本蜜蜂が殆どいなくなったので、非常に貴重なハチミツである。


彼は生まれて初めて高層マンションに入り、上空より見るその都会の風景、仕様、付帯設備などに驚いていた。我が家でお茶を飲みながら、現役の時の苦労、引退後の静かな生活などの話をしていた。

Hさんはお土産に貴重な日本蜜蜂のハチミツを持って来てくれた。
現在は市販されているハチミツは全て西洋蜜蜂から採っている。
間もなく日本蜜蜂は絶滅してしまうかもしれない。


Hさんの庭で育てた夏ミカンと、それで作ったジャムのお土産。


せっかく遠くから来たのだから、ゆっくりして行って欲しかったのだが、年寄りの特徴で「暗くなる前に家に着きたい」と言う。私も似たような年齢なので、Hさんの気持ちも分る。
最後にHさんは「橋本さんが私の背中を押してくれたことが、私が会社を畳むキッカケになった」と感謝していた。 その言葉が私にはとても嬉しかった。


私の住むマンションは四方が水で囲まれている。 マンション裏手の水路から東京レインボーブリッジ方面を見る。 左側はオリンピック選手村の工事中。



(おまけの話)
私も女房も東京生まれ、東京育ちなので故郷と呼べる田舎が無い。
小学生時代に友人が「夏休みは田舎に行く」と言うのを聞くと、とても羨ましかった。「俺にも田舎があればなー」といつも思っていた。
だから私は行くところが無く、いつもプールに行っていた。


同じ場所から反対側を見る。前方は月島方面。


大学生の頃だがある時、友人に「佐渡に行かないか?」と誘われた。
詳しく聞いてみたら、彼の店で働く若い女店員の故郷が佐渡で、彼女がお盆休みに佐渡に帰る時に一緒に行こうという話だった。
田舎が無い私は大賛成で話に乗り、佐渡へ旅立った。


マンションの北側を流れる水路。 新島橋の上から、豊洲新市場方面を見る。


彼女の実家は農家で、本当の田舎だった。(現在のベトナムの田舎に似ている)。電気は来ていたが、風呂が無い。水道は無くて、井戸水を汲むのである。

夜に喉が渇いたので井戸に水を飲みに行ったら、そこには彼女が全裸で水浴びをしていた。いやー、驚いた。
生まれて初めて若い女性の裸を間近で見てしまった。
「こんばんわ」と言うのも変なので、黙ってその場を離れた覚えがある。


同じ場所から反対側を見る。 正面の向こう側は隅田川で、対岸は築地市場。

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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

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