3月11日は東日本大震災から10年の日だった。
私は10年前の3月10日にこのマンションに越して来たので、その時のことは鮮明に覚えている。

大地震の起きた時に、私は区役所で転入手続きの最中だった。
急にコンクリート造りの古い建物がガタガタと揺れ出した。
私は「建物が壊れる。そして下敷きになって死ぬ」と思った。


都営地下鉄・大江戸線「勝どき駅」(海抜 1.4m)


どうにもすることが出来ずその場に立ち尽くしたが、区役所からのアナウンスも無かったので、何が起きたのかは分からなかった。

しばらくして揺れが収まり、片隅に置いてあったテレビを見て驚いた。
画面には津波が押し寄せる光景を映し出していた。
その時はまだ原発のことは何も放送されていなかった。


東京メトロ・日比谷線「築地駅」(海抜 1.8m)


その後、原発が水素爆発を起こし、放射能が漏れ出して東京でも放射能が観測されるようになった。マンションの友人は放射線量測定器を買い、家族全員でマスクをしていた。
私にも「なぜマスクをしないのだ!」と強く言ったが、私は放射能をマスクで防御できるとは思っていなかった。そして「運命を受け入れるしかない」と思ったのである。


都営地下鉄・浅草線「東銀座駅」(海抜 3.3m)


日本は地震大国である。
10年経った今でも、その時の余震があるそうだが、私は地震学者の言うことは信用していない。「地震は予知出来ない」と思っているからだ。

そんなことより湾岸に住んでいる私は、東京直下型大地震が心配だ。
このマンションは制振構造となっているので、倒壊はしない。
10年前の東日本大震災の時は大きく揺れて、下層階と上層階で一部が破壊された。


東京メトロ・銀座線「銀座駅」(海抜 4.0m)


大した被害では無かったので修理して終ったが、地震より洪水が怖い。
東京都心部は海抜が低いところが多いようだ。

隅田川が大雨で氾濫したり、大地震で津波が来ればここはどうなるか?
建物の中にいる限り問題は無いが、思わぬ弱点がある。
それは福島原発と同じように、「電源喪失」である。


営団地下鉄・丸ノ内線「銀座駅」(海抜 3.7m)


タワーマンションはどこでも同じだと思うが、構造上の理由で電源は地下にある。海抜以上の水が押し寄せたら水は地下に流れ込み、電源は水に浸かってしまう。
そうなったら、オール電化のタワーマンションはお手上げだ。

地震で建物は壊れなくても、電源喪失で住めなくなる。
私は東日本大震災の時にエレベーターが止ってしまったので、階段を上ったが自宅まで登るのに5回も休んだ。


東京メトロ・日比谷線「有楽町駅」(海抜 2.8m)


そこでウォーキングを兼ねて自宅から日比谷公園駅まで歩いて、各地点での海抜を調べてみた。幸いに地下鉄駅の入口には、殆どの駅で「海抜」の表示がある。
普段はあまり気が付かなかったが、調べてみたらやはり勝どき駅が一番低かった。

我が家の場所は海抜2メートルらしいが、2メートルを越す津波が来たらどうなるか? 心配してもどうにもならないので、「その時はその時」と諦めた。


東京メトロ・日比谷線「日比谷駅」(海抜 2.3m)


(おまけの話)
自然災害以外にも心配はある。それは火災である。
3月15日の午後3時過ぎに、マンションに何台もの消防車、救急車、パトカーが集まったようで騒がしかった。でも私は面倒だから、見に行かなかった。

その日の夕方に部屋に設置してある画面付きインターフォンに、管理会社からアナウンスが流れた。概略は『シータワー33階の北側でガスボンベが爆発しました。大事には至りませんでした」という内容だった。


マンション脇に集まった消防車(友人のYさん提供)


このマンションはオール電化なので、個人的にガスボンベを使うことは禁止されている。そこで以前から疑問に思っていたことを、マンションの防災センターに問い合わせた。

1、もし自宅以外で火災が起きたら、外へ出ないで自宅にいた方が良いのですか?
2、真下の家が火災を起こした場合、このマンションはパネル構造なのでパネルの間から火や熱が上の階に伝わり、上の階も火災になりませんか?
3、或いは、パネルの隙間から煙は上がって来るのではないでしょうか?


マンション3階の広場に集まった消防士たち(友人のYさん提供)


管理会社からの回答は次のようなものだった。
【1、各住戸はそれぞれに防火区画ですので、類焼はしない前提となっている。各部屋にスプリンクラーが設置されているので、大丈夫です。しかし煙の影響があるので、非難して下さい。地震の時は自宅待機です。2、占有部分は防火区画で隙間は無いので、下の階から類焼はしない。3、煙はゼロではないという程度です】
この回答をもらって、かなり安心した。


翌日のマンション3階の広場(私が撮影)




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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

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