『雨にも負けず 風にも負けず 雪にも夏の暑さにも負けぬ 丈夫な体をもち 欲は無く 決して怒らず いつも静かに笑っている』という宮沢賢治の詩があるが、これと比較して私は恥じ入るのである。
私の場合は『雨にも負けて 風にも負けて 雪にも夏の暑さにも負ける 虚弱な体をもち 度々怒り いつも静かに笑っていられない』となる。





この中でなんとか負けずにいられるのは「雨」だけである。
平日はいつも外食と決めているので、雨でも頑張って外へ出る。
マンションはビル風が強いので、台風の時は外へ出られないから風には負ける。
東京では雪は滅多に降らないから、負けるような状態にならない。
体は年齢相応に弱り、世の中の理不尽に怒ってばかりいる。





なぜこんな話題になったかというと、突然、童謡の「春こうろうの花の宴」というフレーズが頭に浮かんだのである。この童謡の題名は「荒城の月」で、作詞「土井晩翠」、作曲「滝廉太郎」である。
歌詞は【春高楼の 花の宴 巡る盃影さして 千代の松が枝 わけいでし むかしの光 いまいづこ】
改めて歌詞を見ると、今どきの流行り歌と違い、とても格調高く美しく感じるのは年のせいか?





さてそんなわけで春は花が綺麗なので、雨の中を写真を撮りに行ったからである。
建築基準法に定めがあるらしく、一定の面積以上の場所には緑化地帯を設ける必要があるらしい。
私の住むマンションでも1階に花壇があるし、3階にはコンクリートの上に土を入れて植樹をしてある。
木の手入れは本職にお願いしているが、花壇は花が好きな住民達が集まって管理費の中から予算化して手入れをしている。





小雨でも雨が降っているので、あまり遠くには行きたくない気持ちになる。
そこで近くのトリトンスクエアまで、傘を差して歩いて行った。
ここには昨年の東京オリンピックの時の、オリンピック委員会の事務局があった場所である。
1階にはフードコートがあり、私はここで「うどん」を食べる。
その前庭には手入れの行き届いた花壇があり、いまは春の花が盛大に咲き誇っている。





家に帰るには早過ぎるので、カフェに入り本を読む。
周りはサラリーマンとオフィスレディだけで、軽いランチとコーヒーで休み時間を過ごしている。
1時になると、みんないなくなる。ビル内のオフィスに戻ったのだろう。
私も釣られて外へ出た。そこには綺麗な花壇があった。





私は花の名前を良く知らないが、花を見るのは心が休まるので好きだ。
花壇には季節に応じた色とりどりの花が植えられていて、みんなの目を楽しませてくれている。
でも雨の時は誰も外へ出て来ないので、誰にも気兼ねなくゆっくりと写真を撮れる。


傘を差して花の写真を撮ったのだが、家に戻ってPCに取り込んだら、何枚かはレンズに水滴が付いていて駄目だった。でも、良い時間を過ごせたと、満足はしている。





(おまけの話)
子供の頃に「荒城の月」の歌を覚えた。
しかし文字ではなく音声で覚えたので、その意味は分からなかった。


『はるこうろうの はなのえん めぐるさかずきかげさして ちよのまつがえ わけいでし むかしのひかり いまいずこ』。このように子供の頃に「ひらがな」で覚えたのだから、なんの歌かは分かっていなかった。この年になっても、正確には意味を把握していない。





「2番」
『秋陣営の霜の色 鳴きゆく雁の数見せて 植うる剣に照り沿いし 昔の光今いずこ』
「3番」
今荒城の夜半の月 変らぬ光誰がためぞ 垣に残るはただ葛 松に歌うはただ嵐』
「4番」
『天上影は変らねど 栄枯は移る世の姿 映さんとてか今も尚 ああ荒城の夜半の月』





1番から4番までの歌詞を見て、2番は僅かに覚えているが、3番と4番は初めて知った。
そもそも「荒城の月」の歌詞が4番まであったとは、私は全く知らなかった。
歌というのはそんなもので、殆どの人は1番しか覚えていないだろうと思う。


その上に歌詞の漢字が難しくて、更にその意味もよく分からない。
「雨にも負けず」から「昔の光今いずこ」まで飛躍してしまったが、写真の花を楽しんでもらえたら、それでいい。



伊達季節移住のススメ 心の伊達市民 第一号

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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

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