心の伊達市民 第一号
ブログ閉鎖中の話題(2018年9月14日)
最近のことだが、「すごい葬式」という本を読んだ。
葬式は昔から「厳粛なもの」と決まっていた。当たり前である。人の死に関わる儀式なのだから。ところが最近の葬式は少し様子が違って来ているようだ。長寿が影響しているらしい。また人々の考え方も、時代と共に変わって来たのだろうと思う。
この本を読んでみたらメチャ明るいし、日本と外国の葬儀事情も分かって予想外に面白かった。「東海道膝栗毛」を書いた十返舎一九の墓は、私のマンションの横の橋を渡った東陽院にある。
彼の葬儀の話が面白い。
辞世の句として「「この世をば どりゃお暇(いとま)に 線香の煙とともに 灰(はい)左様なら」である。火葬の時にはお棺の中の自分の懐に花火を入れておき、それが弾け参列者を驚ろかせたという。
漫才師の上岡鶴太郎が、相棒の横山ノックのために読んだ弔辞の話も可笑しい。
「なにより麻雀が好きだったノックさん、女性が好きだったノックさん、麻雀も弱かったノックさん、女性にも弱かったノックさん」。
そして更に続けた。「漫才師から参議院議員、大阪知事から最後は被告人までなった」。芸人を送るに相応しい弔辞である。
落語の革命家と言われた「立川談志」が亡くなった時の話も出ている。
訃報は「談志が死んだと書いて欲しい」とマスコミに伝えてあった。
「だんしがしんだ」は上から読んでも、下から読んでも同じになっている洒落である。
また戒名は自分で作った「立川」雲黒斎家元勝手居士」というものだった。
雲黒は「ウンコ」と読ますのだが、少しきつ過ぎる。
談志は「坊主は呼ぶな、お経もいらない、音楽はジャズの「That's a Plenty」をかけろよ」と遺言してあった。他にも多くの有名人が自分の葬儀で音楽を希望している。
古くは女優の淡島千景は「ラストダンスは私に」、漫画家の水木しげるは「ゲゲゲの鬼太郎」などである。
私は葬儀はしない主義だが、葬儀は残された者の心の整理のためにあるのだから、女房がその時にどうするかまでは分からない。
中国の金持ちの葬式が可笑しい。
70歳を超えて亡くなった人は大往生なので、喜葬という考え方があるようだ。
金持ちは多くの会葬者を呼びたいので、派手な葬式をしたがる。「何人来たか?」が自慢なのである。遺族は葬式で人を大勢呼びたいので、いつの頃からか田舎ではストリップ・ショーをやるようになった。
その内に、「ストリップが無いなら行かない」となってしまい、ますます派手にストリップショーをやる。ついに中国政府は2013年に派手な葬儀を禁止した。
長寿の時代になったのだから、葬式はやらないか、あるいはユーモアのある明るい葬式がいいと思う。「人は誰でも死刑囚」という言葉がある。死なない人はいないからである。
看守が本物の死刑囚に聞いた。
看守 「最後に何が食べたい?」。
死刑囚 「玄米の入ったご飯。体にいいから」。
今はまだ元気だから勝手なことを書いているが、本当に具合が悪くなった時に私はどするか?
(おまけの話)
私は61歳の時に仕事からリタイアした。
やっと仕事からリタイア出来たと思ったら、もう15年も経っていた。
最近は友人と会う度に記念写真を撮っている。「あの時が最後だったなー」と、お互いに言うためである。そろそろ残り時間も少なくなって来たので、人生のリタイアの準備を始めた。
墓は築地本願寺にロッカー式を用意した。法名(戒名)ももらった。
昨年は台湾に行った時に、友人のプロカメラマンに遺影も撮影してもらった。
最近は残された家族に面倒を掛けないための整理をしている。私の取引銀行、証券会社、生命保険、不動産などと暗証番号を書いた紙を貸金庫に入れてあるので、私が死んでも困らないだろう。
私は「葬儀は不要」と家族に言ってある。
真夏や真冬に死んで葬儀をした為に、同じ年の友人達がその為に寝込んだり、亡くなったりしたらなんのための葬式か分からなくなる。私は「1人で生まれて来たのだから、死ぬ時も1人でいい」と思っている。
しかし準備が良過ぎるせいか、なかなか人生のリタイアが出来ないでいる。
「神様、私の残り時間を教えて下さい」。
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。
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