心の伊達市民 第一号

東京タワーから赤羽橋へ


行くところが無くなったので、久し振りに「東京タワー」に行ってみた。
自宅から東京タワーに行くには、大江戸線で「大門駅」で歩くと、駅からは15分以上も掛かる。気温が36℃の中を歩くのも辛いので、都バスで「東京駅丸の内南口」へ行き、そこから東急バスに乗れば東京タワーの足元まで連れて行ってくれる。

バスを降りて見上げると、東京タワーが目の前に迫る。
真下に行って写真を撮ったら、頂上がよく見えなかった。


 東京タワーを見上げる。



チケット売場の方へ行くと、壁があり、そこに大きさの違う穴が開いている。
そこから覗くと、ロンドン名物の2階建てバスが置いてあるのが見える。
この場所は5月には、鯉のぼりが吊り下げられるので、見物客も多い。

しかし「危険な暑さ」と報道するので、観光客はほとんど来ていない。
天気の良いのは観光業にはありがたいのだろうが、暑過ぎるのもマイナスだ。


 いつも置いてある2階建てバス



その先へ進み、駐車場の入口に撮影ポイントがある。
鉄柵で囲まれた場所が一段高くなっていて、そこにスマホ・スタンドが準備されている。そのスタンドにスマホをセットして、足跡印に立てば、自分と東京タワーが撮影できる仕掛けである。

私は自分のコンパクトカメラを置いて、10秒のタイマーで足跡に立った。
そして撮影されて写真を見たら、2秒でシャッターが降りてしまったらしく、後姿が写っていた。


私が定位置に立つ前にタイマーが働いた。



東京タワーを通り越して先に進むと、すぐ右側に2つの教会が並んでいる。
手前は「聖オルバン教会」で、ウクライナとロシアの戦争が始まった時に来たことがある。ウクライナ人は「ウクライナ正教会」の信者であるが、日本ではお茶の水のロシア正教の「ニコライ堂」に礼拝に行っていた。

それがロシアとの戦争で、礼拝に行く教会が無くなってしまった。
そこに手を差し伸べたのが、今回、私が訪問した「聖オルバン教会」である。
「正教会」と「聖公会」は発音は似ているが、全く違う教派である。
仏教も宗派がたくさんあるが、キリスト教は更に多い。キリスト教も分派の歴史を抱えている。


聖オルバン教会の礼拝堂



聖オルバン教会のすぐ隣には「聖アンデレ教会」がある。どちらも聖公会に属している。聖公会とは英国国教会から生まれた、プロテスタント教会の1つの教派である。
日本へは1858年に宣教師が来日し、布教を始めた。「聖公会」という名称は「聖なる公同の教会」を意味する「Holy catholic church」を和訳したものである。

日本に最初にキリスト教を布教するためにやって来たのは、1548年に鹿児島に上陸したフランシスコ・ザビエルであり、彼は「イエズス会」の宣教師だった。


 聖アンデレ教会の礼拝堂



教会の礼拝堂を見学した後に、更に進むと「飯倉」交差点に出る。
その先にはロシア大使館があるので、警視庁の警備が厳重である。
交差点を左折して坂を下りて行くと、右手にうなぎの名店である「野田岩本店」がある。

最近まで私は「最後の晩餐はうな重」と言っていたのに、あまりうなぎは食べたくなくなってしまった。
いまでは「ななつぼし」の「塩ニギリ」に変った。具は「明太子」が希望だ。


うなぎの「野田岩本店」と、そこから見た東京タワー



この辺りの裏町を題材とした俳優のリリー・フランキーが2010年に書いた、自伝的小説「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」が面白い。そのあたりなら、どこからでも東京タワーは見えるが、ビルとビルの狭い隙間からである。

小説では『4歳の時にオトンと別居、筑豊の小さな炭鉱町で、ボクとオカンは一緒に暮らしていた。やがてボクは上京し、東京でボロボロの日々。還暦を過ぎたオカンはひとりガンと闘っていた』。

昔の芸能人は貧しさから逃れるために東京に出て来ていたが、最近の芸能人は高学歴で家庭も豊かな人が増えている。東京タワーの下で、時代の変化を感じたのである。


「赤羽橋」から見た東京タワー



(おまけの話)
少し前に「クラブを考える」に書きたかったが、紙面が無くて書けなかった話題である。それは「フリーメイソン」(Freemason)のことである。
一番有名であるにも拘わらず、一番秘密の多いクラブでもある。

東京タワーのすぐ近くのビルに、日本本部があるので様子を見に行った。
行ってみたら、ここは以前はイトーヨーカドーの本社があった場所だった。
ビルの入口や壁には、フリーメーソンの象徴的なエンブレムが飾ってある。


「フリーメイソン」日本本部



「フリーメイソン」は世間では、常に秘密結社で危険として扱われているが違うようだ。その設立は古く18世紀初頭の、中世の石工ギルドの流れを汲んでいる。
「メイソン(mason)」とは「石工」である。だからエンブレムは石工が仕事に使う「コンパス」と「曲尺」なのである。

現在は世界中に組織があり、日本では東京タワー近くの日本グランド・ロッジが本部である。このクラブは「ヒューマニズムとコスモポリタニズム」が信条の会で、原則的には民族、階級、社会的地位、宗教によって会員の資格は制限されないそうだ。


 入口には大きなエンブレムがある。



しかし世間ではその秘密主義が、あらぬ疑いをもたれている。
日本人メンバーは200人ほどらしいが、公表しないので確かではない。
自ら公表している人に、「イエス!高須クリニック」がいる。

彼が取材に応じた時の話を読んだ。
高須『入会してみると、活動は会議と儀式の連続でした。ただ儀式の内容は外部に明かせない。フリーメイソンは様々な秘密を抱えていることが、力になっている。得体のしれない組織らしいと。例えるならタイガーマスクなんですよ。決してマスクを取ってちゃいけないんですよ』。

世界には色々なクラブがあるが、フリーメイソンが一番古く、一番謎めいたクラブのようだ。


 ビルの「定礎」にもマークがある。

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コメント

  1. Shinji

    Shinji

    返信

    ”「最後の晩餐はうな重」と言っていたのに、あまりうなぎは食べたくなくなってしまった。いまでは「ななつぼし」の「塩ニギリ」に変った。具は「明太子」が希望だ。” と、ありましたが、なんたる変化でしょう!そういえば、自分も昔、海外旅行で朝食にビーフステーキを注文していた時期がありました。とても信じられないです。

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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

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