中央区に古くからある「宝珠稲荷神社」に行った。
前日に女房がその神社の前を通ったら面白い行灯があったので、『見に行ったら?』と言われたからだ。
住所は銀座3丁目だが、銀座といっても昭和通りを渡った木挽き通りの下町にある。

私は時々、この前を通るが、あまりに小さく神官がいない兼務神社なので通り過ぎてしまう。ところが2月5日が「初午(はつうま)」の日に当り、神社の前に「地口」行灯が並べられているからで見に行ったのである。


 宝珠稲荷神社は小さい



「地口(じぐち)」という単語を初めて知った。「地口」とは諺や俗語などに同音または似た語を当て、意味の違う文句を作る洒落。例えば「舌切りスズメ」を「着た切りスズメ」というようなものだそうだ。

宝珠稲荷神社の前に行くと、歩道に2列の地口行灯が46張りも並んでいた。
その中から面白いと感じたものを写真に撮って来た。


 地口(1と2)


さてここからクイズです。
賢明な読者はすぐに分かってしまうでしょうが、後期高齢者には「頭の体操」です。
これは少し難しいかもしれない。私も考え込んでしまったものもある。
合っているかどうか、確信が持てないのだが・・・。

(1)「ゑまの うちよは さかさまだ」。
(答)は「今の浮世は 逆さまだ」か?、「貝の団扇は 逆さまだ」かな?

(2)「大かぶ小かぶ 山から子供がぬいてきた」
(答)は童謡の「大さむ 小さむ 山から小僧が 泣いて来た」でしょう。 


 地口(3と4)



地口には答えは書いてないので、私の思う答えである。
次は簡単です。
(3)「おかめ はちまき」
(答)「岡目 八目」です。

(4)「穴よりだんご」
(答)「花より団子」です。


 地口(5と6) 



(5)「うすから出た まこも」
(答)「嘘から出た誠」です。

(6)「えんましたの 力持」
(答)「縁の下の 力持ち」です。

「地口」を見ていると可笑しくて、笑ってしまう。
そして元の諺がなかなか思い出せなくなっている私だ。


 地口(7と8)



(7)「わらう顔に ふぐきたる」
(答)「笑う門には 福来たる」です。

(8)「鬼はこと 鬼はこと」
(答)「鬼は外 鬼は外」です。


 地口(9と10)



(9)「目から出た足袋」
(答)「身から出た錆」です。

(10)「うしはくわねど 高ぼうし」
(答)「武士は食わねど 高楊枝」です。

(11)「嫁入 しんぶん」
(答)「読売新聞」です。

(12)「むねに うぐひす」
(答)「梅に鴬」です。


地口(11と12)



(おまけの話)
宝珠稲荷神社のある場所は、昔の「木挽町」である。
木挽町の名はネットで調べると『江戸城修築の時に鋸商(木挽き職人)を住まわせたことに由来する。いわば職人の町だった。木挽きとは伐採された原木を見定め大鋸で木を引くこと。鋸の引き方次第で、木目の出方や品質も価値も大きく変わってしまうため、高度な技術が要求される職人仕事だったという』と書かれている。


 歩道の両側に「地口行灯」が飾られている。



現在はこの辺りは細い路地が多く、小さな飲食店が乱立している。
住所は銀座3丁目だが、銀座といっても昭和通りを渡った東銀座で歌舞伎座の裏手にある下町にある。今でも民家が多く残っているが、その民家を建て直して小さなビルとなっているところが多い。人気のある飲食店が多く、若者を中心に行列のできる店が多くある。


神社の守り神は「板倉内膳匠重昌」



私の入ったことのある店だけでもラーメン発祥の店と言われている中華料理「満福」、行列が絶えないラーメン「八五」、幅広うどんの「花山」、オムライスの「YOU」、イタリアンの「ヴォメロ」、私の贔屓の「歌舞伎そば」などがある。

また週休3日のコロッケ屋「チョウシ屋」もたまに買いに行く。行列は無いが我が家のペットのペッパーとポアンの実家の刀削麺屋がある。この店で飼われていて、持て余されて野良になるところを我が家で引き取ったのである。
下町が色濃く残っているこの辺りは、新しい発見もあり散歩するのも面白い。


 稲荷神社なのでキツネの大好物の「油あげ」が奉納されていた。


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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

コメント

  1. Shinji
    Shinji
    返信

    落語でクマさん、八つぁんが間違った言葉を言って観客を笑わせる、それを多少教養のある大家さんに訂正されてまた笑う、そのパターンが地口というのだとわかりました。

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