マンションの管理会社から連絡があり、『2月26日、午前10時に防災の為の放送があります。その時に事前に配布してある「安全です」というマグネット式のプレートをドアに貼り付けて下さい』と知らせて来た。

東京直下型大地震などの時の為に、「安全です」で各家庭の安全を確認する予行演習であった。私は「安全です」をドアに貼ってから、湯島天神に出掛けて行った。
いまは3月8日までの予定で、湯島天神の「梅まつり」が行なわれている。 


ドアに貼り出す「無事です」プレート



私は通常は日曜日と祝日は私は原則的には、「家から出ない」と決めている。
なぜなら「日曜・祝日は働く人のお休みの日」だからで、毎日が日曜日の引退ジジイは働く人の邪魔をしてはいけないと思っているからだ。

しかし湯島天神の「梅まつり」で、この日曜日だけ「神輿渡御」が行なわれるので、遠慮しいしい出掛けて行った。その上に、2月の「神輿渡御」はかなり珍しいと思ったからだ。


 湯島天神境内の「獅子と梅」



湯島天神の「梅まつり」は今回で66回目だそうで、長い歴史がある。
近年は人気が高まり、来場者は40万人にのぼるという。
地下鉄「大江戸線」の「上野御徒町駅」から、歩いて約10分で湯島天神に着く。
入口の石段から、もう大混雑が始まっていた。

奥に進むと、お参りをする人達の長い行列が出来ていた。
私の今回の目的は「神輿渡御」を見ることなので、お参りはパスして参道の両側にあるお祭りの定番である屋台の中を通り過ぎて、裏門から外へ出た。


神輿渡御のスタート合図



そこには背中に桃の花をあしらった白い半纏姿の男達が大勢いた。警察官も交通整理に出ている。しばらくすると神輿が動き出し、鳥居の近くで停止した。
そして男が脚立の上に立ち、なにか言った後に拍子木を打った。それが神輿渡御の合図だった。

しかしながら威勢の良い男達の声は聞こえない。
やはりこの祭りでもコロナ感染を心配して、マスク姿で「黙担」である。
「黙食」という言葉が流行ったので、私は「黙って担ぐ」から「黙担(もくたん)」と命名した。 


元気の良い女性グループの太鼓披露



神輿の出発に合わせて、左側の広場から太鼓の音が聞こえて来た。
人垣の隙間から覗いたら、女性グループの和太鼓の演奏だった。
祭に太鼓は付きものであるが、今回は太鼓と黙担では少し調子が狂うのである。

それでも神輿は町内を巡行するために、静かに進んで行った。
「静々は祭じゃない」と思うのか、時々、神輿は練って観客の方に向って来る。


 神輿は街へ繰り出したが静かだった。



しばらく後を付いて行ったが、特に変化は無いので元へ戻ることにした。
太鼓は相変わらず叩いている音がするので正面に隙間を見付けようと思ったが、全く入る場所が無い。仕方ないので後ろに廻って、そこから写真を撮った。

元気の良い女性達の打ち鳴らす太鼓の音は、私の心を揺さぶる。
和太鼓の音はジーンと胸に沁みるような気がする。


「イナバウアー」で太鼓を叩く



主役の女性は太鼓を飛び跳ねて打ったり、舞うように打つ。
そして見せ場がやって来た。彼女はなんと「イナバウアー」で太鼓を打ち鳴らした。
「イナバウアー」を知っている人は、私と同じ世代だろう。若い人は知らないだろう。
フィギュアススケートのドイツ選手の名前で、彼女が背中を反らして滑る演技をイナバウアーと言う。

これを太鼓を叩く時にするのを初めて見た。感動した。
しばらく演奏が続きイナバウアーが出たところで終了となり、全員が一列に並び深くお辞儀をした。みんな盛大な拍手をしていたので、私も思いっ切り拍手をした。
日曜日に出て来て良かった。 


太鼓演奏が終り、全員が並んでお辞儀をした。



(おまけの話)
湯島天神の境内には舞台がある、客席も設けられていて、私が行った時はすでに立ち見だった。天気も良いので、立ち見で「佐渡相川音頭」を演じているのを見た。
出演グループは佐渡に縁がある、東京在住のグループだそうだ。
3曲くらいは演じるようだったが、私は神輿の渡御を見るのが目的だったので、その場を離れた。 


 佐渡「相川音頭」を踊るグループ



神輿の渡御を見た後に、また戻って舞台を見た。
ホームページによると「梅まつり」の間は、毎週土曜・日曜に演芸が行われるようだ。
演目は落語、日本舞踊、ハワイアンフラ、ベリーダンス、花笠音頭、おはやし、太鼓、講談、佐渡おけさ、パフォーマンス、ソーラン節、カラオケ・コンクール、

昭和初期懐メロ、江戸里神楽、安来節、パリ舞踊、キャラクタアー・ショー、おはやし、江戸芸「かっぽれ」と、「なんでもあり」である。これは素人の発表会ではないようで、一流ではないがプロとセミプロのようだった。


ベリーダンスは場違いのように感じた。



私が見たのは「ベリーダンス」、「佐渡おけさ」、「昭和初期懐メロ」であったが、神社に「ベリーダンス」は似合わない。「ハワイアンフラ」もどうかとな?と思う。暖かい日差しの中で、特に後期高齢者が多く、みんな楽しんでいた。
湯島天神は菅原道真という「学問の神様」が祀られているのだが、さぞ神様も驚いているのではないだろうか?

演芸の他には産直品直売、東大似顔絵研、全国梅酒品評会、野点も行われていた。
天岩戸に隠れた天照大御神を歌や舞で誘い出した神話のある日本なのだから、ベリーダンスも許されるのかもしれない。


「昭和初期懐メロ」を演奏・歌うグループ


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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

コメント

  1. Shinji
    Shinji
    返信

    春の陽気に誘われて、みんな出てきて歌ったり踊ったり、、待ち遠しかったもんね。

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