
心の伊達市民 第一号
初日の睡眠不足が、前夜の宿で解消された。
午前6時に大風呂に行ってみた。誰もいない。気持ち良い。
部屋に戻りカメラを取り出して、1人で早朝の奈良井宿を歩く。
昨夜は気が付かなかったが、この町は「漆」が特産らしく「漆店」が何軒もあった。「なぜこの町が昔のままに、残ったのだろう?」と不思議な気持ちになった。
宿に戻ると、まだMさんは寝ていた。彼は私より9歳も若いのにである。
私はテレビも無いので帰り支度をしていたら、やっとMさんは起き出した。
そして大風呂に入りに行った。帰って来たMさんは『外国人がいた』と言っていた。『なにか話したの?』と聞いたら、『話はしない』とつれなかった。
8時30分になったので、朝食を食べに行った。
私は「もしかして、今日の昼は抜きかもしれない」と思い、頑張ってご飯をお替りした。これがやはり正解だったことは、後になって分かる。
宿の前で女将さんに2人の記念写真の撮影をお願いした。
そして次は駒ケ岳に向けて出発である。
駒ケ岳は中央アルプスの山で、標高は2956メートルである。
別名は「木曽駒ケ岳」とも言う。
ここでロープウェイに乗って、千畳敷という場所の紅葉を見るのが目的である。
「菅の台場バス停」の駐車場に車を止める。この先は自家用車の進入は禁止である。
チケット売り場で、バスとロープウェイの往復切符を買う。
なんと「往復料金」は4450円もした。
ここでもMさんは身障者割引で、半額だった。
考えてみると変な話で、健常者の私が身障者のMさんの車に乗せてもらって旅をしているのである。
おんぼろバスに揺られて30分で、「しらび平駅」に着いた。
バスは満席で、補助椅子も満席である。みんな千畳敷の紅葉を見るのが目的の人達ばかりである。ここまでは外国人観光客は、まだ来ていない。
「しらび平駅」からロープウェイに乗る。
ここまではスムーズに進んだ。
途中の景色を眺めても、紅葉は見られない。
昨年行った苗場ゴンドラを想像していた私は、全くの期待外れだった。
家に帰ってからネットで調べたら、この山にはアカマツ、ヒノキ、サワラ、カラマツが植林されているようで、これでは紅葉になるはずがない。
ロープウェイは約7分で、頂上の「千畳敷駅」に到着した。
外へ出たら寒い。氷点下の気温だった。
その上に風もある。軽装備なら、遭難である。
私はダウンジャケットを持参したので、それだけは良かった。
下の「しらび平駅」では晴れていたのに、上の「千畳敷駅」では霧が出て良く見えない。
予定では千畳敷の紅葉の遊歩道をゆっくりと、45分を掛けて楽しむつもりだった。
しかしガスが出て、少し先も見えない。
それでも頑張って遊歩道に向かう人達がいたが、私は無理と思い行くのを止めた。
(おまけの話)
寒い中に留まっても意味が無いので、ロープウェイで降りることにした。
ところが降りる人が多く、ロープウェイに乗る人が建物の外まで並んでいる。
係員に聞いたら、『この場所だと約40分待ちでしょう』と言われた。
私はかなり参った。なにしろ氷点下の風の吹く外で、40分も待つのだから・・。
列は少しずつ進み、約40分でロープウェイに乗れた。
下の駅に着いたら、空は晴れていた。がっくりした。
ロープウェイを降りてから、またおんぼろバスに乗る。
急坂のクネクネ曲がる狭い道路を、バスはゆっくり走る。
途中で何ヵ所かの少し広い場所があり、そこで対向車のバスを待つ。
駐車場で車に乗り換えて、これで家に帰れると思ったら、Mさんが言った。
『行きたい場所がある。ウィスキー工場だ』と言った。
私は酒を飲まないから知らなかったが、「信州醸造所」は「知る人ぞ知る」メーカーだそうだ。
駐車場から約10分のウィスキー工場へ行き、工場見学をした。
工場見学と言っても会社の人は誰も案内してくれず、自分達で勝手に見るだけである。帰りにMさんは5500円のウィスキーを買ったが、それが高いのか安いのかは私には分からない。これで帰れると思ったら、『もう1軒』と言われた。
そして彼の趣味のキャンプ用品店に行ったのである。
家に帰った時は午後8時過ぎで、私は疲れ果てていた。
家族が最初に私に言った言葉は、『ずいぶんと、やつれたわねー!』だった。
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。
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伊達に「藍染めワンダーランド」を創る![ aizome-「I」/ 伊達 ]
伊達市で藍染めの魅力を伝えている”aizome-「I」"さん。むしゃなびでは一昨年に特集していました。 2023年6月の記事はこちら▼ 『染まらないために染める』パンチラインな大和魂 〜異端児染師Aizome『I』 ご縁があり「ここだ!」という場所を見つけ工房とし、その場所でのイベントも始めていた頃でした。そこからストーリーは進み、今年、熱い想いでクラウドファウンディングをスタートさせました。 クラファンページはこちら!3/31まで!▼ 『藍染め工房と宿泊施設で地元と人々が繋がる「藍染めワンダーランド」を創ります!』 『 藍染め 』という伝統文化を次世代に繋ぐ、更には地域の活性化、人と人が結びつく新たな場の創出を目指す、aizome-「I」の金子夫妻。地元のみんなで応援してみませんか? 藍染工房の立ち上げ、さらに宿泊施設をプラスし『藍染めワンダーランド』を創りたいとの想いで挑戦。リターン品には藍染体験(オススメ!)や藍染めで仕上げたアクセサリーやTシャツ、ストール、靴下やストラップなども。ふたりの想いが伝わってくるクラファンページをぜひ一度ご覧ください。 伊達で生まれ育ったふたりの、ふるさとへの想い 「地元の人たちと繋がりを深められる場所にしたい」 「伊達市の特産品である藍を広め、観光客やインバウンドの人たちに『目的地』として訪れてもらうことで、伊達全体の活性化にも繋げたい」 お二人の言葉の節々に伊達市への愛を感じます。お二人は伊達市で生まれ育ち、今その地元で子育てをしています。地元を愛し、盛り上げたいという気持ちは既に周囲にもしっかりと伝わっていて、イベント時には多くの地元の人々が運営に携わっています。 「イベントなどを通じて人と人がつながり、交わることで、ここが藍染めの液のようにいい形で発酵し、美しい「華」を咲かせられたらとも願っています」 奥が深い”藍染め”という技術 ・そもそも、なぜ藍染め? ・藍が伊達市の特産品なのは知っているけど、 藍染めのことはよく知らない……。 ・草木染めのことでしょ? と思われる方も多いと思います。ここで藍染めについて少しだけご紹介します。 まずご紹介したいのは、藍の国内生産量について。第1位は徳島県、第2位が北海道です。そしてなんとその藍は全て伊達産!そして伊達では一件の農家のみが藍を栽培しています。つまり伊達市の農家・篠原一寿さんが、全国2位の生産量を栽培しているのです。 次に”藍”という植物について。藍は大昔から様々な用途に使われてきました。生葉を絞ったものはやけどや口内炎などに効果があり、葉を煎じたものは解熱や解毒に効果があると言われています。高い抗酸化作用や抗菌作用があることも分かっています。藍染めで染めた布は防臭効果、防虫効果、UVカット、保温保湿、燃えにくい(難燃性)といった特徴があり、昔から山や畑仕事の作業着に重宝されていたそうです。 特に奥が深いと感じさせるのは、染め方です。藍は水溶性では無いため、他の草木染めとは全く異なる染め方を要します。まず、藍の原料を作るためには藍の葉を摘み取り、乾燥させ、1週間に一度水打ちと切り返しを行います。これを100日間ほどかけると、藍の葉は発酵し、藍の原料「すくも」が出来上がります。 このすくもは水には溶けないので(不溶性)、広葉樹(カシ、ナラ等)の木を燃やし、灰にします。その灰を熱湯に入れ良く攪拌し、一晩寝かせて出来た灰汁に入れる事で、すくもにふくまれた有機物や微生物が徐々に溶け出し、発酵して液が出来上がります。染め液にするまでには、およそ1週間から2週間ほどかかります。 さらに染め液はとても繊細で、そのときの温度や環境、そこにいる人のエネルギーによっても染まり方が変わると言います。 「だからこそ奥が深く、おもしろいと思います。また、藍染めは、綿やシルク、麻などの天然素材との相性がいいのも特徴です」 クラファンには藍染め体験のリターンもあります。ぜひご自身の手で染めて、藍を体感してみては。日本の伝統工芸でもある藍染めを、自身で体験できるところは全国でも限られています。多くの体験者が、藍染めの奥深さと色の美しさに魅了されています。 藍染め液の中のような『温かい場所』を目指して 総面積が2500坪もある工房敷地。前の持ち主の方が手入れしていた庭が1200坪。景色を遮る高い建物が周りになく、空が広くて近くて、緑と季節の花に囲まれていて、気持ちがリフレッシュするような場所です。 「この場所を生かしてマルシェや子どもまつり、音楽フェスなどを開催。藍染めに興味がない人、藍染めを知らない人にも、イベントに参加してもらうことで藍染めについて知ってもらえたらと思って開催してきました」 今まで開催されてきたイベントには多くの人が訪れ、この場所の素晴らしさを知り、そして人と人が出会い・繋がっていきました。このクラファンを通してより多くの人々の想いが加わることで、さらに”温かい場所”となるでしょう。伊達市を盛り上げるスポットになること間違いなし。応援したい!と思われた方は、こちらから▼3/31まで!▼ 『藍染め工房と宿泊施設で地元と人々が繋がる「藍染めワンダーランド」を創ります!』 とにかく明るく、前向きでエネルギッシュで、藍と愛に溢れる金子夫妻。二人を応援したらご利益がありそうな雰囲気です。正式にオープンしたら、二人(+いっつもニコニコ愛娘みねちゃんの三人)に会いに、ぜひ工房を訪れてみてくださいね。 ※こちらの記事は一部クラファンページより引用・参照して作成しています。 (クラファンページ ライター:徳積ナマコ 様 / 一部写真借用) ____________________________________________________________ aizome-「I」 北海道伊達市で夫婦で活動する藍染め作家 地元で育つ天然藍で染めています。 1/15よりクラウドファンディングに挑戦。
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Shinji