ずいぶん前から私の企画で、中高の同級生達を誘って「都心を歩く会」を開催している。最初は「秘湯研究会」で、日本各地の秘湯を巡った。
その会を発展的に解消して、長距離を「歩く会」になり、次に私が都心に引っ越したことを機会に「都心を歩く会」になった。

ところが会というものは長く続けていると高齢化が進み、あまり歩けない人が出て来た。そして今では残念だが、「都心を歩かない会」に成り下がっている。


集合場所の「東京駅丸の内南口」



1月最初の企画は「晴海を知る」にして、晴海界隈を見て廻ることにした。
平日の午前11時に東京駅丸の内口の改札前に集合した。
この日の計画では「東京駅」→「晴海埠頭」→「元東京オリンピック選手村」→「はるみらい」→「マンション49階から展望」→「お茶」→「解散」となっている。

東京都に住んでいると、地方の人達はみんな「東京の人は元東京オリンピック選手村なんか行ったことがあるのだろう」と思うが、全く違う。私だって、近くに住んでいるから知っているだけだ。


晴海埠頭の客船ターミナルは全て解体された



午前11時に東京駅丸の内南口の改札口に集まったのは、たったの3人だった。
今までにこんな少ない人数の時は無かった。この会の先行きが想いやられる。
「晴海埠頭行き」の都バスに乗り、終点まで行く。
しばらく前から解体工事が進んでいた「客船ターミナル」はすでに無く、鉄塔だけが立っていた。

そこから歩いて、晴海埠頭公園に行った。岸壁には水産庁の船舶が停泊しているのが見えた。目の前には元東京オリンピックの選手村だったマンション群(HARUMI FLAG)がそびえ立っている。


 晴海埠頭公園の噴水



都バスの終点の晴海埠頭では、我々の他に1人のお婆さんが降りた。
私は「こんな場所にお婆さんが1人で、なにか間違えたのではないか?」と思った。
その時にお婆さんは私に声を掛けて来た。
お婆さん『ここに高齢者住宅はありますか?』
私   『ここには無いと思いますよ。あの辺りにいる配達の人に聞いた方が良い』

帰ってから気になったのでネットで調べたら、「グランクレール・ケアレジデンス」という施設がここに出来るらしいと分った。きっとそのお婆さんは、自分が入居するために下見に来たに違いない。気の毒なことをしたと、気になっている。


 元東京オリンピック選手村



真ん中辺りに建設中の建物は、50階建ての2棟のタワーマンションである。
着々と街づくりが進んでいるが、全てが完成する2025年には分譲・賃貸を併せて5632戸で、人口は1万2000人になるようだ。分譲は人気が高く、最高倍率の部屋は266倍だったそうだ。


一戸建てに住んでいる人は知らないだろうが、大型マンションは引越し日を自分で決められない。みんなが「大安吉日」に一度に引っ越したら、大混乱が起きるからだ。
そこでデベロッパーが引越し順を決めているのである。

それにしても「元東京オリンピック選手村」がブランドと思っている人が、大勢いるのが私には分からない。


選手村の標識が記念に残されている。



選手村の中を歩いて行き、「はるみらい」に入り2階のレストランで食事をする。
しばらく話をした後に、3階の温暖浴スペースにある足湯で寛ぎ、そこから私の住むマンションに向かった。49階のスカイラウンジに上り、そこから今日の見学経路を説明した。Kさんが『トイレはどこ?』と言うので、部屋の隅の場所を教えた。

彼が『開かない』と言うので、変だなと思い私が見に行ったがやはり開かない。
壊れているらしい。その時は、後で管理事務所に連絡しようと思った


晴海地域交流センター「はるみらい」



家に帰ってから気が付いた。私達がスカイラウンジに行った時は、誰もいなかった。
でも思い出してみたら、ドアのハンドルの下のマークは赤だった。これは中から鍵を掛けた印である。使用中の人がいたから、開かなかったのだ。ここのトイレの中は広く、2~3歩必要なので、中から合図が出来なかったのである。

高齢者が「アクセルとブレーキを踏み間違えた」というのは、こんな感じなんだろうなー。Kさんも私もボケている。
夜になって2人に記念撮影の写真を送ってあげたら、Kさんから『晴海のウオーターフロントの変貌ぶりをつぶさに探訪できました』と返信が来たので、今回の企画は合格だろう。


49階のスカイラウンジから見下ろす



(おまけの話)
今回は3名が用事で、前日に1人が体調不良で出られなくなり、3人だけの参加となった。高齢者の集まりというものは、事前のOKはあまり当てにならない。
急に体調を崩したりするからである。中には急用が出来たり、他の予定を忘れている男もいたりする。年寄りと付き合うのは「忍耐」も必要である。

私の子供の頃は80歳の人は、滅多にいなかった。
たまにいると「凄い!」と、みんなから尊敬されたものだ。


温暖浴スペース(床暖房)



「秘湯研究会」の時のメンバーでは、1人がコロナで亡くなり、もう1人が脳梗塞で後遺症が出て、もう来られなくなった。
「歩く会」では主力のHさんが、福島原発事故のボランティア活動に行き、旅館の女将さんの飲酒運転で追突事故を起こして亡くなってしまった。

「都心を歩かない会」になってからは足が弱ってしまった2人がいるが、まだ亡くなった者はいないのが救いである。もうかなり高齢化が進んでいる会なので、あと何回開催出来るかが当面の問題である。


「足湯」を楽しむ



足湯に浸かりながら、色々な話をした。
Kさんは元日野自動車に勤務していたので、車のことは明るい。
そこで最近のダイハツの不正問題について、詳しく解説してもらった。

すると『車は発売日から逆算して各部署が開発・製造・検査などを行うので、今回の問題は形式指定申請の時間が足りなくなり、検査で誤魔化し不正をしたのである。サラリーマンは上には逆らえないのである』と言っていた。他には電気自動車の問題、ハイブリッド車の種類など、私の知らないことを解説してくれた。


 同行のKさんの趣味の水彩画「桜田門」


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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

コメント

  1. 欠席者(Y)
    欠席者(Y)
    返信

    ブログ主催者の忍耐力によってこの会の存続がある。前日の寒気侵入で急な「痛み」が突発してしまった。折角の企画なのに「申し訳ない」と思い、前日の夜メールと当日の電話とメールに誠意を尽くしたつもりでいたが、日中の暖かさに少し後悔しながら痛みとの戦いに終日過ごした。加齢との戦い?で何かと迷惑を掛ける日頃であるが、穏やかな付き合いの続くことを祈るばかりである。

  2. Shinji
    Shinji
    返信

    ダイハツの不正問題。他人ごとではないような気がしてきました。デッドラインに間に合わせるようにとのプレッシャー。最近の建設現場での大きなミス。過失を承知で隠そうとする。共通の原因がありますね。

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