心の伊達市民 第一号

写真で見る東京(63)・・・佃散歩

久し振りに佃の町を散策した。
佃という町の歴史であるが、「かって名もなき小島であったが、江戸初期に徳川家康との縁故によって、摂津(大阪)西成郡佃村の名主・孫右衛門が漁師30余名を連れて移住し、郷里の名の佃とした」と書いてある。
佃は中央区の北の端にあり、「もんじゃ」で有名な月島の隣にある。

ここは「佃煮」の発祥の地で、現在も「天安」、「佃源」、「丸久」という3軒の佃煮屋が営業している。その近くに「佃天台地蔵尊」が、ひっそりと存在している。


「佃天台地蔵尊」の入口の路地



ここは非常に分かり難い場所にあるのだが、久しぶりに行ってみたら入口に真っ赤な幟が立っていた。家と家の間の狭い暗い路地を入る。少し行くと、右側に「佃天台地蔵尊」がある。ここでまた驚いた。

以前はほとんど真っ暗で、懐中電灯を持参しないとよく見えなかったのに、いまは電燈が点いていた。なんだか神秘性が失われてしまったようで、少しガッカリした。


 境内の巨木



地蔵尊の入口右側には、お参りの邪魔をするように巨木が立っている。
境内は狭く、畳6畳くらいだろうか。

そこに巨木があり、不動尊の屋根を貫いている。
木の太さは直径で1メートル以上はある。
いまは蛍光灯が灯っていて、巨木の様子もよく分かる。


お参りの邪魔をしている巨木



巨木を避けて前に進む。
狭いのですぐ突き当りとなり、本堂がある。
お花が飾られていて、地元の人が管理している様子が分かる。

地元の信者の名前が入った提灯が、上の方にずらりと並んでいる。
この人たちがお金を出し合って電灯を付けて、境内を明るくしたのだろう。


本堂はかなり小さい



蛍光灯で明るくなったので、初めて巨木の上の方が見えた。
天井は丸く穴が開けられていて、大事にされているようだ。
これはご神木なのかと思ったが、神社じゃないので、なんと言うのだろう?
ネットで調べたら、この木は銀杏だった。呼び方は分からない。


天井を貫く銀杏の巨木



境内の手水場には古い東京新聞の記事が貼ってあり、、『ずいぶん大きくなったよ。樹木医は樹齢350年以上って言ってな。親子2代にわたり地蔵尊の管理をする小沢崇行さん(89)が話す。祖先は江戸開府とともに大阪から移り住んだ漁師で、代々この地に居を構えてきた』

『イチョウは埋め立て地に根付いた数少ない樹木の一つだという。40年ほど前にお堂を改修し、大切なイチョウの幹を通す穴の開いた屋根を設置した』と書いてあった。
その記事が載った「東京新聞」が飾ってあった。


 本堂も狭い



佃天台地蔵尊のホームページは無いので、関連記事から引用した。
『この地蔵尊に天台の二文字があることは妙運比丘が天台の僧であったから、天台宗の教義の一つに「一切衆生悉有仏性=人は本来的に仏である」とあることから、いつの頃からか定かではないが、こう呼ばれ親しまれて来たのではなかろうかと考えられます』とある。

まあこの地蔵尊に限らず、日本中に「定かではないが・・」という神社やお寺は多い。
地蔵尊を出て、暗い細い路地を先に進む。両側は民家の裏である。



(おまけの話)
佃天台地蔵尊の路地から出ると、そこは佃掘りである。
この堀は隅田川から分かれた水路が、住吉神社の裏手を流れてここで堀になる。
3軒の佃煮屋も、この堀に沿ってある。

この堀では季節になると「はぜ」が釣れるので、釣り人を見掛ける。
赤い欄干の佃小橋が、佃という下町の雰囲気に溶け込んでいる。


 佃掘と佃小橋



佃小橋を渡り、右に曲がると住吉神社があるが、こちらは裏側の入口になる。
正式なお参りは隅田川の側に鳥居があるので、そこに狭いが参道がある。
昔は渡し船の渡船場があったそうで、対岸からは小舟に乗ってやって来てお参りしたようだ。

佃住吉神社の起源は「徳川家康公が関東下降の際、摂津国佃の漁夫33人と住吉の社の神職平岡権太夫好夫が分神霊を奉戴し江戸へ下り、寛永年間に幕府より鉄砲洲向かいの干拓を賜り築島した。そして故郷の名をとり佃島とし、この地を社地と定め、1646年6月29日に住吉三神、神功皇后、徳川家康の御神霊を奉還祭祀した」である。
そんな歴史があるので、この一帯だけは他とは違う雰囲気がいまでも残っている。


「住吉神社」



佃は昔は江戸浜という現在の東京湾の入口に面していて、海運業、各問屋組合をはじめ多くの多くの人々から海上安全、渡航安全の守護神として住吉神社は信仰を集めた。だから手水舎の上方にある木彫りの彫刻は、4面とも小舟や漁師が彫られている。なかなか芸術的な彫り物で、私はここへ来るといつも見上げている。

住吉神社を出て隅田川沿いに行くと佃堀の向こうは雰囲気がガラッと変わり、「リバーシティ21」という名のタワーマンションを中心とした高級住宅街になる。


 手水舎のの木彫り漁師

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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

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