
心の伊達市民 第一号
女房が出先から帰って来て、私に言った。
『今日は東京駅からグリーン車に乗ったら、試験運転中なので、無料よ! それを知らない人が多くて、空いていた』。
私は少し前に同級生のYさんから中央線のグリーン車の話を聞いたことがあるが、彼は「無料」とは言わなかった。
有料ならわざわざ乗りに行くこともないので、そのままにしておいたのである。
ところが女房から「無料」と聞いて、早速、グリーン車に乗りに東京駅に行ったのである。
事前にネットでグリーン車の連結されている電車の時刻表を調べたが、全く分からない。
どうせ暇なのだから「来るまで待とう」という気持ちに切り替えた。
でも東京駅で念の為に駅員に聞いてみたら、『清掃、整備などの関係で時刻表には載らないので、自分も分からない』と言った。
久し振りにSuicaを使い、駅構内に入った。エスカレーターに乗って、中央線の1番ホームに向かった。エスカレーターを降りた時に、折り返しの電車がホームに入って来た。
そして私の目の前で止まったら、なんとグリーン車だった。グリーン車は4号車と5号車に接続されている。
お客が降りて、私は乗った。2階建て車両なので、先ずは2階席に行った。
上る通路が曲がっていて、とても狭い。大きな旅行鞄の人は難儀するだろう。
いまはグリーン車が無料と知らない人が多いらしく、駅で待っている人を見たら普通車も並んでいた。「グリーン車は今は無料ですよ」と教えてあげたかった。
11時38分発の「青梅特急」が静かに動き出した。普通車とは座る方向が違うだけで、特に変りは無かった。
3月15日以降はグリーン車料金は50キロまではSuica決済で「750円」、紙の切符だと1010円である。終点の青梅でも高尾でも、同じ750円である。
窓から見る景色も特に変りはない。そこで四ツ谷駅の少し手前で、私は1階席に移動した。1階に降りるのも曲がった狭い通路で、高齢者には危険が伴いそうだ。
四ツ谷駅に到着し乗客が降りてホームを歩く姿を見て、初めて1階席がホームより低いと理解した。
走っている時の風景は、1階でも2階でも大した違いはない。
だから1階席に乗って、駅のホームの光景を楽しむ方が良いと思った。
今回も動画を撮ろうと考えていたが、どんな場面がいいか迷った。
車内は乗客がいるので、画面に人が入ってしまい撮影は無理である。
窓を流れる風景だけでは、あまり面白くないだろうと感じた。
1階席なので電車がホームに入るところを撮影すれば、私の席がホームより下と分かり面白いのではないかと考えた。代々木駅を通過した辺りから、動画撮影を開始した。
撮影は順調に進んでいるかに見えた。
ところが電車が新宿駅に入って行ったら、画面が真っ暗になってしまった。
それまで明るい景色だったのが、急に暗い新宿駅に入って行ったからだ。
これは全く想定外のことで、動画撮影の素人の悲しさである。
もっと高い機材を買えば、これは解消出来るのかもしれないなー。
11時38分に東京駅を出発した電車は、11時51分に新宿駅に到着した。
途中は四ツ谷駅に止まるだけで、13分で「208円」の「小さな旅」だった。
グリーン車から新宿駅で降りる人はいなかった。
普通車からは大勢の乗客が降りて、乗る人も多かった。
長く乗りたい人ばかりが、今回のグリーン車の無料イベントに参加しているのかもしれない。
私の降りたグリーン車は静かに動き出し、次の駅の「中野駅」に向かって走り去った。
有料になれば「東京~新宿」でも、グリーン料金は750円である。
(おまけの話)
グリーン車を降りて、新宿南口に出たら大混雑だった。
小田急線に乗り換える人、新宿御苑に行く人、待ち合わせの人、新宿バスタに行く人などでごった返している。
昼時になっていたので、近い場所でランチにしようと考えた。
西口に出る地下道の両側には色々な飲食店が軒を連ねていて、何にするか迷うが特に食べたいものが無い。結局はいつものランチと同じ「うどん」になった。「つるこし」という名の店に入り、いつもの「かけとイカ天」を食べた。
私がいつも食べる「うどん屋」では色々な店で色々な値段があり、460円から620円と幅がある。値段が高くても安くても、「たかが、うどん」である。大した違いは無い。
少しブラブラしようかと思ったが、人が多過ぎて「人疲れ」がして来た。
この日の目的のグリーン車に乗れたので、もう家に帰ることにした。
大江戸線の「新宿駅」が近いので、混雑をかき分けながら駅まで行った。
新宿駅は地下深くにあるので、ホームに出るまでのエスカレーターが長い。
電車が来たら新宿駅で降りる人が多く、運よく座れることが出来た。
最近は電車でもバスでも、すぐ座りたくなってしまう。
電車が「新橋駅」に着いたら、急に降りたくなった。
いつも行く「YATSUDOKI」でソフトクリームを食べ、少し本でも読んで頭を休めてから帰ることにした。
2階の席で、図書館から借りて来た「転売ヤー 闇の経済学」の続きを読んだ。この本は面白い。転売ヤーに密着して、その商売の裏側を書いている。
特に面白かったのは「ポケモンカード」の転売である。まとめて箱ごと大量に買って来て、それを箱の上から金属探知機でチェックする。
レアなカードはアルミでコーティングがしてあるので、金属探知機で反応する。
反応した箱を次は精密な秤で測ると、更にレアなカードを発見できるそうだ。
反応の無い箱はそのまま開封せずに売却し、レアなカードはメルカリで売る。中には何百万円になるカードもあるそうだ。
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。
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06/18(土) 景色がごちそう☆ “ モントーヤ “ ですごす ゆったり時間
温泉街から国道230号線を車で走ると、洞爺湖の上、畑の真ん中に突如現れる黒いコンテナ。 直線道路なので、気になりながらも通り過ぎ、農機具の倉庫かな?一体なんだろう?と気に留めていた昨年。 そんな、筆者のような読者の方もきっといらっしゃったことと思います。 そして今年、どうやらOPENしたらしい!との情報を得て、謎を解くべく取材をさせていただきました。 ↑この束石がポツネンとあるだけの国道からの入り口 ちょっぴり勇気がいる入り口からコンテナを目指して奥へ向かうと、そこには遮るものがほとんどない空間。 畑だと思っていたこの土地は、実は畑ではありませんでした。 周りを見渡して感動しました。 ぐるっと300度くらい見渡せます。 しかも、羊蹄山・尻別岳・ニセコ連邦・昆布岳・有珠山などなどが一望でした。 尻別岳 羊蹄山 取材に訪れたことをうっかりと忘れ、うっとりとゆったりモードにスイッチが入りそうになってしまったほどの眺望です。 「危ない 危ない」と、気を取り直して玄関に向かうと、思わず開けたくなる可愛らしい赤いドアがありました。 ↑入り口にメニューがあるのは安心します ↑ドアを開けると可愛いくて不思議でユニークなディスプレイ ↑厨房で忙しそうないずみさん こちらは、2022年5月にオープンしたカフェ&キャンプサイト “ モントーヤ “です。 札幌から6年前に移住して来られた オーナー 井上啓二さんと奥様 いずみさんが営むお店です。 実はお会いして驚いたことがありました。 ご縁というのは不思議なものだとも思いました。 ↑大きな窓からは遠くの山がよく見えます 奥様のいずみさんは2年前、筆者が企画したワークショップに参加してくださった4名様のうちのお一人だということ。 オーナーの啓二さんは、筆者がどうにも気になって気になって、何度も探しに行った洞爺湖畔の幻の珈琲ソフトクリーム屋さんのオーナーさんだったということ(数ヶ月で満足して閉店)。 そうだったんだ! そうだったんだ! このような形でお会いできるとは! と、敷地に入った最初から少々興奮気味の筆者…^^; 店内は、外からは想像できないくらい落ち着いていて、どこか懐かしい雰囲気の調度品が並んでいます。 ジャズが心地よく流れ、レコードジャケットやコレクションの古いカメラが並びます。 ↑筆者好みのアーティストとレコードジャケット ↑昭和感漂うレトロなコーナー。 「東京に居た頃は服飾デザインの仕事をしていました。いわゆるDCブランドの服です。札幌に戻ってからは、もともと好きだった馬の仕事に携わりました。馬の競りのためのプロモーションビデオを制作したり、牧場のWebを制作したりする仕事です。札幌競馬があるときは、競馬場で売店も営みます。だからまあ、そちらの仕事が本業かな。」 ↑こちらはオーナーの本業。代表取締役としての会社「inox」のwebページ なるほど…。 馬に関わる映像のお仕事と“ モントーヤ “の関連がいまひとつ見えませんでしたが、飲食業にはすでに携わっていらっしゃったわけです。 そして、奥様とのご縁も馬が取り持ったとか♡ ↑コンテナは雨よけにもなり、イベントなどのショップにもご利用いただけます。 1本だけ残したドロノキ(ヤマナラシかも)は、シンボルツリーになっています 「この5000平米の土地は、僕が買う前は何十年も手付かずだったそうです。太くなった木も草も伸び放題のジャングル状態。崩れ落ちた家もそのままで荒れ放題。呆然としてしまうような荒地となっていました。水道も通っていませんでしたので、大掛かりな工事になりました。途方に暮れるほどの手間を掛け、足掛け4年がかりで開墾していきました。」 「そこまで苦労して…。この場所の何にそんなに惹かれたのですか?」 「景色です。どこを見ても山があるこの景色を見ながら珈琲が飲みたかった。ただそれだけです。」 それまで、クールな面持ちで話をされていたオーナーの目が、ふっと力が抜けて優しくなった瞬間でした。 この景色を見ながら一杯の珈琲(お店の珈琲は札幌の有名焙煎ショップ「斉藤珈琲」の豆使用)が飲みたいというそれだけで、4年間も開墾をしてしまう井上夫妻がなんとも素敵です。 「でも、そもそも何故札幌から移住して来られたのですか?」 「きっかけはスイスを訪れたことでした。もう本当にスイスが素晴らし過ぎて、人生観が変わりました。ほんと、絶対に行ったほうがいい!」 この時のオーナーの目はキラキラに輝いていました。 そのご様子だけで、どれほどスイスが素晴らしかったのかが分かりました。 「帰国後、札幌に住まなくても今の仕事はできるよね?と夫婦で話すようになりました。その時の場所の候補は、北海道の都会ではない景色の良いところ、もしくは南阿蘇でした。 そうして洞爺湖畔に居場所を見つけ、その2年後、周りの山々が見渡せるこの場所が気に入り購入しました。」 それから、足掛け4年の開墾の日々が始まったのでした。 店舗は、コンテナ7つを繋げて造られています。 大きな窓の店内はオーナー自らがデザインされたもので、お気に入りの調度品は、山を楽しむためのレイアウトになっています。 「ところでメニューを見せていただけますか?」 とお願いし、見せていただいたのがこちら。なんと、絵本でした。可愛い〜♡ ↑画像はありませんが、珈琲おいしくチーズケーキが絶品です! ↑次回はこちらを食べてみたい! ↑生パスタも美味しそう〜♡ そういえば、入り口にも店内にも絵本が飾られていました。 てっきり、いずみさんのご趣味かと思いきや…。 なんと、「僕のアイディアです」と。 この時のオーナーはちょっとハニかんだ笑顔でした。 ↑思い切り照れたお顔で振り返ってくださったショット ところで、“ モントーヤ “ の “モン“ とは、フランス語で “私の”という意味だそうです。 つまり” 私の洞爺”。 それでも湖畔ではなく、300度にわたり遠くに山を望めるここを選んだのは、「ここで珈琲が飲みたかったから」。 ここがオーナーにとっての「私の洞爺」なのですね。 「洞爺湖も有珠山もいい。でも、ここから眺める羊蹄山も洞爺湖町のランドマークであって欲しいのです。阻害するものが何もない畑のど真ん中で、この景色を楽しみに来ていただきたいです。」 ↑キャンプサイトご利用の場合は店舗の玄関フード内のトイレが共用利用できます 今後は、プライベートキャンプサイトも整備して行くそうです。 ただし、利用できるのはオーナーの友達か、友達の紹介限定だそうです。 優しく尖った カフェ&キャンプサイト“ モントーヤ “。 広大な土地にポツンとコンテナは目立ちますが、素敵な隠れ家を見つけました。 ―モントーヤ情報―虻田郡洞爺湖町成香19営業日時はInstagramまたはHPをご確認ください。Instagramhttps://instagram.com/montoya_108?igshid=YmMyMTA2M2Y=HPhttp://montoya.jp/*イベントのご利用も可能です。HPのお問合せフォームよりご相談ください。
Rietty
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