心の伊達市民 第一号

聞いておけばよかった。

(2015年10月26日)「ブログ閉鎖中の話題)

先日、私の姉と話をしていて、「しばらく両親の法事をしていないねー。たまにはやろうか」ということになった。
私の両親は臨済宗南禅寺派なのだが、私はあまり宗派に拘りは無い。

そこで今年から私が門徒となった築地本願寺で、両親の供養のために読経をお願いした。



雨の日の築地本願寺。

以前にも同じメンバー6人で築地本願寺で読経をお願いしたことがあるが、今回は前回と少し様子が違った。前回は同じお布施で1人の僧侶だったのだが、門徒になったら読経の僧侶も2人になった。
これは飛行機のエコノミークラスとビジネスクラスくらいの差である。



築地本願寺の本堂の中。

読経の後に我が家に寄ってもらった時に、姉がバッグから亡父の古い写真を取り出した。
小さな名刺大の写真が3枚で、私は初めて見る写真だった。
写真には砂の上に果物らしきものを置いて並べて、1933年という文字が見える。


ブラジルで若い頃の私のオヤジ。

この写真は私のオヤジが若い頃にブラジルに渡った時に、そこで撮影したものらしい。
ブラジルはポルトガル語なので私には読めないが、どうやら写真に見える日付が1933年2月11日のように見える。今から82年も前の写真で、セピア色に変色していて、「昔の写真」という雰囲気が出ている。



1933年2月11日と読める。

早速、この写真をコンビニに持ち込み、1枚30円でスキャンをして大きく引き伸ばした。
そしてあり合せの額縁に入れてみた。すると、その写真がなんだか昔の有名人の写真のように思えて来たから、古い写真というのは不思議な魅力を持っている。



一緒に写っているのは誰なんだろう?、聞いておけば良かった。

オヤジは確か1965年に亡くなったので、もう50年も経っている。
今になって色々と聞きたかったことが湧き出て来る。
「なぜブラジルに行ったの?」、「何年間、ブラジルで生活したの?」、「誰か知り合いがいて ブラジルへ行ったの?」、「なぜ全財産を賭けるほど博打にのめり込んだの?」などなど、オヤジに聞いておけば良かったことが多くある。



KAIZEN日本語学校のドンナイ分校で生徒達と。(ベトナム)

そもそもオヤジは裕福な家に育ったのだから、ブラジル移民でもないのに、なぜブラジルに行ったのだろう?。もうオヤジの兄弟・姉妹も私のオフクロもいないので、分かる人は誰もいない。

この写真に影響を受けて、私の古いアルバムを引っ張り出して見てみた。
オヤジの写真と違い、自分の写真には懐かしさは無い。
でも、私がアチラへ逝ってしばらく後に、私の娘がアルバムを見て懐かしがるのだろう。
そして今の私と同じように、「もっと色々と聞いておけば良かった」と思うのだろう。



KAIZEN日本語学校のホーチミン本校の生徒達と遊園地に遊びに行く。

(おまけの話)
今から思うと、私のオヤジは非常にユニークな男だったと思う。
20歳の時に実家から遺産分けのような形で大金をもらい、それでブラジルに行った。
その時にライカのカメラを2台持って行っている。
ライカと言えば、当時の日本での値打ちは「ライカ1台で、家1軒が買えた」という。



ホーチミン市の中華街のお寺でKAIZEN学校の先生と。 彼女はいま名古屋の日本語学校に留学生として来ている。


それを2台も持ってブラジルに行って、何をしていたんだろう?
写真に写っているオヤジは小ざっぱりした服装である。
一緒に写っている日本人は誰なんだろう?
また、オヤジと肩を組んでいる人、一緒に写っている女性は誰なんだろう?



KAIZEN日本語学校の生徒の経営する屋台で。彼はいま名古屋の会社に実習生として来ている。

疑問はドンドンと膨らんで行く。
それが帰国する時にはスッカラカンで、帰りの船賃を母親にせびり、それさえも博打ですってしまい、横浜港に着払いで帰って来たとは相当の大物か大バカである。

それでも全くのゼロから結婚もして、会社を興し私達子供4人を育てたのだから驚く。
私は実はそんなオヤジの生き方に憧れていたのだが、実際には出来なかった。
でも、少しだけ普通の人よりは波乱に富んだ人生だったと自分では思っている。



私たちは夏の間の9年間を北海道伊達市にお世話になっていたので、東京に戻る時は このような写真を撮り、お礼のメールを伊達市の友人達に送信していた。







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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

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