心の伊達市民 第一号
生き物の死にざま
新聞の書評欄に「生き物の死にざま」という本が面白いと書いてあった。
早速、図書館の蔵書をネットで調べたら、2冊がヒットした。
2019年に発行した本が評判が良かったせいか、2020年にも続編が出ていた。
あいにく2019年発行の本は貸し出し中で、続編の2020年版が先に借りられた。
「生き物の死にざま」(2019年版)★★★
本の内容は色々な動物の「死」に至る事情を書いてある。
しかし決して専門的な文章ではなく、抒情的で感動する話が実に多い。
また身近にいる動物なのに、私の知らない彼らの死の事情が悲しい。
動物はみんな必死に生きて次の世代に命を繋げている話を分かり易く、しかも感動的に書いている。
「生き物の死にざま」(2020年版)★★★
コウテイペンギンの子育てと死は感動的である。
真冬に子供を産む理由と、父親が4ヵ月以上もマイナス60℃のブリザードの中で卵を温めている。そして卵が孵ると母親と後退して、自分はヨチヨチ歩きで100キロも先の海へと戻って行く。その物語に感動する。
また嫌われ者のゴキブリの思い掛けない生態を知り、驚いた。人間にスリッパで頭を叩かれて、頭が無くても生きて行ける。死んでしまうのは、物を食べられないからだとは驚いた。
ゴキブリの一番の強敵は「ゴキブリホイホイ」というのも可笑しい。
「私は灰猫」★★★
我々は野生動物を見る機会はほとんど無い。
動物園で見る野生動物は「野生を失い、自堕落」になっている。
弱肉強食の世界で、強いものほど多くの子供を産んでいる理由を知った。
出産はチータは一度に5~6頭、ライオンは2~3頭である。
なぜならチータほど足が早くても、簡単に獲物は獲れないようだ。
そこで子供の餓死率が高いので、必然的に多産になるのだそうだ。これも初めて知った話だった。
「怒り RAGE」★★
赤ちゃんが可愛いというのには理由がある。
『人間の子供はおでこが広く、目や鼻は顔の下の方に配置されている。この配置が子供のサインである。
大人はこのサインを見ると脳は「かわいい」と感じるようにプログラミングされている。だからこのサインを見ると大人は保護しなければならないという気持ちに駆られる本能を持っている」なんて、初めて知った。
「スーパーカブ」★★
この本を読んで、「人間以外の生き物は『死』を自然に抗わずに受け入れている。それなのに、人間だけがなぜこうも死を怖がり忌み嫌うのか?」と思わずにはいられなかった。
全ての生き物は「今を生きている」。
しかし人間だけは先にある「死を恐れて生きている」。気の毒な生物のようだ。
動物たちの死を通して、自分の「死にざま」を考える良い機会となった。お勧めの2冊である。
「焼け跡のハイヒール」★★★
(おまけの話)
私の父は病院で亡くなったので、病院からの連絡で父の死を知った。
家に引き取った翌日に、私は亡くなった父の髭を剃った。
人は死んでも髭が伸びると、その時に初めて知った。
母はある寒い日の朝に、自宅で亡くなっていた。
夜にトイレに行った後に、ベッドまであと数歩という場所で亡くなっていた。
母の死と事件性を調べる為に検視官が来たが、年齢とペースメーカーを入れていたことが分かりすぐに帰って行った。
私の肩車が好きなポアン。
我が家では結婚以来、ズーとペットのいる生活を続けて来た。
最初は縁日で買ったニワトリだった。でもしばらくすると大きくなりケージに入り切らなくなり、農家出身の社員に引き取ってもらった。
次にはウサギを2匹飼った。庭に金網の柵を作ったが、朝起きたら2匹ともいなくなっていた。地面に穴を掘り、そこから逃げたのである。幸いに近所の家の庭にいたので、引き取った。
ウサギも買って来た八ケ岳の店に引き取ってもらった。
だからどちらも死にざまは分からない。
ロサンゼルスの女房の従弟が描いて送ってくれた「ペッパー」
その後にシェパードを飼った。
その頃に流行っていたアメリカのTVドラマに出ていた女の子と同じ「アニー」と名付けた。
大きいが大人しい犬だったが、12年くらいして体調が悪そうにしていた。
かなり具合が悪そうなので、家の座敷に上げてタオルを敷いて寝かせた。
その数時間後に静かにアチラに逝ってしまった。
ペッパー(左)とポアン(右)は鳥が出て来る番組が大好き。
その後は猫に切り替えた。女房が友人からもらったマルタンとベルの姉妹だった。どちらも長生きで、16年半と18年を生き抜いたが長患いはしなかった。
その次にウズベキスタンからやって来た「ラーダ」(ラーちゃん)を飼った。
犬も猫も、みんな静かに眠るようにアチラに逝った。
アニー、マルタン、ベル、ラーダと4回の葬式は、全て府中の慈恵院で行った。
そして骨壺は今でも我が家の簡易仏壇に置いてある。
仲良しのペッパーとポアン。
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。
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