心の伊達市民 第一号

諦めの閉店

2020年1月に、日本で最初の新型コロナウィルス患者が確認された。
それから1年が経過して、思いも掛けないような感染者数となってしまった。
政府は昨年に引き続き、感染者の多い都府県に緊急事態宣言を再発令した。
今回は1月8日から2月7日までとのことだが、目に見える感染者の減少は無い。


「なに屋」だったのだろうか?


政府は「不要不急の外出を控えろ」と言うが、生活している人はみんな必要だから外出しているのではないだろうか? 私もこの1年間はほぼ毎日、外出している。

他人から見れば「不要不急」に見えるかもしれないが、家に籠っていては「足腰が弱る」、「ボケる」、「女房に昼飯の世話を掛けたくない」という不急かもしれないが、必要なのである。


閉店となり、板張りが悲しい。


そこで図書館で借りた本が返済期限となったので、返すついでに町の様子を見に行った。これはどう考えても「不要不急」ではなく「必要早急」だと思う。
健康の為に家から歩いて、図書館まで行った。
道順は勝鬨橋を渡り、右に聖路加国際病院方向に右に曲がる。


丁寧な挨拶文が涙を誘う。


途中で横道に逸れて、路地に入る。
この辺りは小さな飲食店が多い。各店がそれぞれ贔屓客を持っている感じだ。
ところが、以前と違い「閉店」してしまった店が多い。 諦めの閉店か?

「閉店」の挨拶文を書いてある店もあるが、ただ「テナント募集」の不動産屋のポスターが貼ってある店もある。「夜逃げしたか?」と思ってしまう。


「GINZA INZ」 のレストラン街は「歯抜け」だった。


中には「45年間ご愛顧を賜りましたことを、深く感謝申し上げます」の紙が貼ってあるのを見ると、「無念だっただろうなー」と涙を誘う。

主がどんな人か知らないが、「なにも悪いことはしていないのに!」とか思っていいるだろうなーと思う。経営上の失敗でもなく、ただ真面目に45年間やってきたのだろうと思うと悲しい。


数寄屋橋の「GINZA5」も閉店の嵐。


今回の緊急事態宣言では「コロナは夜だけでなく、昼も気を付けて欲しい」と言ったものだから、なんとか昼で少しでもカバーしようとしていた店さえも駄目になった。

夜だけの営業の店でも「8時閉店。アルコール提供は午後7時まで」だと言う。
「これからという時間に閉店しろ」とは酷な話である。
これでは個人経営の店ではひとたまりもなく潰れてしまうだろう。


ベトナム人実習生を連れて行ったベトナム料理店も「しばらく閉店」


築地の裏通りから、銀座、有楽町へと歩いて行く。
表通りの店はなんとかやっている。でも、裏道に入ると閉店の山だ。
数寄屋橋の「INZ(インズ)」(昔のフードセンター)のレストラン街も閉店の山だった。

昨年の7月から10月までの統計では、自殺者が前年比16%増加したそうだ。
これからまだまだ閉店と自殺者増加は続くだろう。
私はせめてランチを食べるくらいしか協力出来ないが、それにしても気が重い。


JRガード下の飲み屋は「昼飲み」で頑張れるか?


(おまけの話)
大手居酒屋チェ-ンの「和民」が、全店の20%に当る114店を閉店するそうだ。
和民はまだ企業体力があるので、その内の何店舗かを焼き肉屋に転換した。
それをTVで知ったもの好きな私は、店舗を探して錦糸町まで行ってみた。
雑居ビルの4階にある店は、「人との接触を少なくする」という点に重点を置いたコロナ対策の店づくりがしてある。


目の前のタブレットで注文する。


入り口で手指の消毒をして、2人掛けの席に案内された。
隣の席とは最初から仕切り板で区切られている構造になっている。

目の前のタブレットでメニューを開き、好みのものを画面でオーダーする。
するとしばらくして、目の前の高速レーンに注文した品物が運ばれて来て停止する。
それを取り出して、赤ボタンを押すとレールの上の台が去って行く。


注文した料理は席の奥のレーンで運ばれて来る。 レーンは向こう側の席の人と共用。


後は自分の好きなように、肉を焼いて食べる。
お勘定は画面で「係員を呼ぶ」を押すと、勘定書きを店員が持参する。
ここで突然マニュアルになる。支払いもカードリーダーで出来れば万全なのだがなー。

焼き肉屋という業種は煙を排出する装置が付いているので、窓が開いていなくても大丈夫なのである。この店は3分で、店内の空気が入れ替わるそうだ。
肝心の肉と味だが、これは値段からして多くを望む方が無理だ。


「最新最高レベルのコロナ対応店」が売りだ。

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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

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