心の伊達市民 第一号

880円の贅沢  

やることが無い日は困る。では「浅草に格安のマスクでも買いに行こうか」。
「その後に上野へ出て、不忍池の蓮の花でも見て帰れば丁度良い」と考えた。
最近は「行く場所が無いと浅草へ行く」という変な習慣になっている。

新仲見世通りでマスクを買って六区に行き、昼飯はいつもの330円ラーメンにしようとかと思っていた。
ところが途中で、回転寿司の「くら寿司」の「贅沢かにフェア」という宣伝が目に付いた。



浅草「くら寿司・ROX店」入口


そこには「フェアーは7月2日から8日まで」と書かれていて、この日が最終日だった。
最近はこんな小さな幸運が嬉しいようになっている。自分でも「小者になったなー」と思っている。
寿司がそれほど好きではないので、私は回転寿司屋にはほとんど入らない。
しかしカニが大好きな私は、迷うことなくこの店に入ったのである。



店内は広い。この列が2本ある(今は2人以上は不可)


『最後に回転寿司に入ったのは、いつだったかなー?』と考えたが思い出せない。
伊達市のインター通りにある「和さび」が最後なら、10年くらいになる。
「和さび」は回転寿司とは思えないような新鮮なネタで、『さすがに北海道である』と思った。今もまだ和さびはあるかなー?



テーブルにある蓋を持ち上げたら、必要なものが入っていた。


「くら寿司」は浅草ROXの4階にあった。かなり大きな店である。
店に入っても店員が迎えに出て来ない。「なんで?」と思ったら検温機があり、検温を済ませると入店券を発行する機械に向かう矢印があった。

そこで「予約なし」、「1人」と画面にあるボタンを押したら、下から番号が書かれた紙が出て来た。
これが座席番号なのである。
(帰りに気が付いたが、本来は入口で登録するようになっていた)



メニューから「贅沢かに」を選ぶ。


何列にも並んだ席の番号から、自分の紙に書いてある番号の席に座る。
次にどうして良いか分からない。テーブルに四角の切れ目が入っているので、そこの蓋を持ち上げた。
するとそこには箸、醤油、生わさび、ガリ、粉末茶などが入っていた。

液晶画面を触ってみたら、メニューが現れた。そこからカニのメニューの「贅沢かにちらし」、「贅沢かに3種盛り」、「贅沢ほたてかに1貫」を選んで注文した。贅沢なのに、みんな220円だった。



画面から注文したら、3~4分でレーンで運ばれて来た。


しばらくして2段のレーンの上段に注文した3皿が走って来て、私の目の前で止った。
それをテーブルに降ろして食べながら、イカ好きの私は「ゆず漬けいか」を注文した。

少し経ってから女店員が私のところに来て、なにか言っている。
良く聞いてみたら、「レーンのお皿を取って下さい」と言っていた。
私が皿を取らないとレーンが塞がってしまい、他のお客の注文が届かなくなるのだと知った。



左から「贅沢かにちらし」、「贅沢かに3種盛り」、「贅沢ほたてかに1貫」


最後にもう1回、「小柱黄身醤油漬け軍艦」を食べて、これで5皿になり丁度良い腹具合となった。
清算は皿をテーブルの横の穴に投下する。そして画面で「清算」を押すと金額が現れた。これで880円だった。とても安いと思う。


帰りはキャッシャーの所にあるセンサーに座席表にあるQRコードをかざし、支払い方法でクレジットカードを選び読み取り機にカードを差し込む。そして暗証番号を打ち込めば、これで支払いは終りである。
880円で最新の殆ど無人の回転寿司の経験が出来た。「凄い!」と驚いたランチ経験だった。



食べ終ったら、画面で会計計算をする。


(おまけの話)
回転寿司のランチの後に、浅草から都バスに乗って上野へ行った。不忍池の蓮の花を見るためである。
少し前に不忍池に行った時は、殆どの蓮の花は蕾のママだった。
今は「まん延防止」出ていてるが(8日現在)、私にとっては「緊急事態宣言」でも、「まん延防止」でも関係無い。コロナ騒動が始まる前も、その後も毎日家から出ている生活を続けているからだ。



上野不忍池の「蓮の花」は見頃を迎えていた。


不忍池の道路を挟んだ反対側に、「ドンレミー」という名のケーキのアウトレットがある。私はここで「プリン」を2個買う。なんと1個、50円である。
これを買って道路を渡り、植え込みの石の上に腰かけてプリンを食べる。
今どき100円で幸せな気持ちになれるものは、そうは無いと思う。



蓮の花の向こうに「弁天堂」が見える。


プリンを食べ終ってから、やおら立ち上がり蓮の花を見る。
目の前の不忍池に少し突き出た木道があり、そこから蓮の花が良く見えるようになっている。
蓮の花は桜と違い、一斉には咲かない。だから「見頃がいつか?」と決めるのが難しい。

この日は小雨模様で涼しく、蓮の花も咲いている。私にとっては「今が見頃」だった。でも終るまでに、もう一度、見に来るかもしれない。



蓮の花はいつみても美しい。


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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

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