心の伊達市民 第一号

銀座の石と柳 

「銀座百点」という、無料のタウン誌がある。
コンビニやチェーン店には置いてないが、老舗の店には必ずある。
レストランや飲食店でも、ランチで1500円以上の店でないと見掛けない。
「ハゲ天」で天丼を食べたら、「銀座百点」の9月号があったのでもらって帰った。



「銀座アスター」は石を彫った中に店名を入れている。


記事の中に「銀座の新しき石と古き石」というページがあった。
「街角地質学者」と称する人が、銀座の色々な店で見られる石材を訪ねた話である。
「これは面白い」と、私は瞬時に思った。


記事が面白いのではなく、自分で捜し歩くのが面白いと思ったのである。
なぜなら、私はタウン誌を読む前から道路の敷石の模様が気になり、写真に撮っていたからである。



「TIFFANY」


そこで改めて、石を見ながら銀座を散策した。秋めいて来て涼しくなると、歩くのも楽しくなる。
歩いていても汗もかかず、体が暖かくなるくらいで丁度良い。


それまでは小さなポットに氷入りの麦茶を入れて、喉が渇くと飲んでいた。
日本人は真面目だから、ワクチンを打った後でも道行く人はみんなマスクをしている。



「WAKO」


マスクと言えば、女房が新型マスクを開発した。
今回の改良型は「不織布マスク」だけでは寂しいので、それに柄付きの布のカバーを作ったのである。
夏場はこれでは暑いが、肌寒くると丁度良い。


見た目は「不織布マスク」には見えないが、実は不織布マスクなのである。
女房はこれを沢山作って、親戚や友人に配っていた。私はそのマスクをかけて、銀座に行った。



女房の新作のマスク


銀座通りに出て、改めてビルの壁を見た。
今までは気にもしていなかったが、良く見ると色々な模様の石が貼ってある。
床にも、壁にも、階段にも。触ってみると分るが、プラスチック製の模造品ではない。
ヒンヤリと冷たいので、石だと分る。



裏通りに引っ越す前の「英国屋」(まだ空き店舗)


古くあるあるビルは殆どが、外壁は石で貼ってある。
新しく出来たビルは外壁は鉄製やアルミ製で、窓が広くガラス部分が大きい。
重厚さという点では、古いビルの方が格が上である。
世界的に有名なブランド店はヨーロッパ文化の影響を受けているので、殆ど石壁である。



銀座三越デパートの「ライオンの台座」


石壁にも色々あり、色が鮮やかな物、黒くて重厚な感じの物、彫物入りの物など変化に富んでいる。
黒い石壁はどこもピカピカに磨き上げられているので、写真を撮ろうとすると鏡状態となっているので自分が写ってしまう。多くの石は輸入品なので、建築費はかなり割高になっているのだろう。
さすがに銀座は他の街とは違う。今回の石を探す旅で気が付いたが、銀座はどこもかしこも石だらけの町だった。



銀座通りの歩道の石畳(5丁目)


(おまけの話)
銀座と言えば、「柳」である。
1884年頃には銀座の街路樹は全て「柳」だったそうだ。
その後、車道の拡幅、関東大震災の火災で焼失し、銀座から柳が消えてしまったのである。


「柳」が中央区の「区の木」に制定されたのが、1987年だそうだ。
現在は銀座には3ヶ所くらい柳が植えられている通りがあるが、みんな新しく植えられた若木である。



柳通りの「柳の木」


柳通りで柳を見ていたら、歌謡曲の歌詞が浮かんで来た。なんでこんな歌詞が頭に浮かぶのか?
新しいことはすぐに忘れてしまうのに、古いことは覚えている。
年寄りの特徴を表していて、自分で自分が嫌になる。


【昔恋しい銀座の柳 仇な年増を誰が知ろ ジャズに踊って リキュルで更けて 明けりゃダンサーの 涙雨】という歌詞で、調べてみたら1998年にヒットした「東京行進曲」という歌だった。



銀座通りに植えられた「桂」の葉が、ハート形で可愛い。


デパートなどが集まっている通称「銀座通り」は、正式には「中央通り」である。
ここには柳の木は無い。その代り「桂」の木が街路樹として植えられている。
この木は春夏秋冬で趣があるが、冬のイルミネーションの効果が得やすいということもあるようだ。


桂の葉には特徴がある。葉っぱの形が可愛らしい「ハート型」なのである。
その形の故に、銀座通りは「柳ではなく桂を植えたのではないか」と、私は勝手に想像している。



マロニエ通りの「マロニエの木」

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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

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