心の伊達市民 第一号
右脳、左脳の俗説
昨年くらいから、私は「アート」に興味を持つようになった。
そして特に現代アートを見に行くようになった。
都心にはパブリックアートも沢山あるので、散歩するには丁度良い目的地になる。
しかし元々、私はアートや音楽などに才能が無いので、良く理解できないものが多い。
これは私の「右脳」に問題があると思い込んでいた。
「日本橋」の橋脚の飾り。獅子(左)と麒麟(右)
ある時にネットで『右脳は創造性、左脳は論理性というのは俗説で、科学的に証明されたものではない』とあった。子供の頃から「絵を描けば下手。音楽は音痴」な私は右脳・左脳説を「俗説」と決めつけられてしまい、立つ瀬が無くなった。
そこで今からでも遅くないかもしれないと思い、アートや写真撮影を熱心にやるようになった。
でも一番大きな理由は、「持て余す時間を浪費する為」であることは、自分が一番良く知っている。
夕陽が沈む時に、向かいのマンションに反射する。
絵を描くのは道具立てがかなり面倒なので、絵は見に行くようにしている。
キッカケは北海道伊達市に滞在中に知り合った「大藪 雅孝画伯」と「野田 弘志画伯」の影響が大きい。
大藪画伯は残念ながら亡くなってしまったが、野田画伯は昨年12月にBSフジのテレビ番組の「リアリズムの真実」という番組で放映された。もう85歳だというのに、創作意欲に燃える元気な姿を見ることが出来た。
東京ビルは私の通路(丸の内のKITTEの後ろ)
一口に「アート」と言っても、これが難しい。アートの創作には資格が不要だからだ。
自分だけで「俺はアーチストだ」と言っても、誰からも相手にされない。
やはりアーチストは他人が認めてくれる必要があるようだ。
『芸術は爆発だ!』と言ったのは、アーチストの岡本太郎である。
誰でも彼をアーチストと認めている。
電通ビルの前でカーブする「ゆりかもめ」(汐留)
私はこのマンションに越して来る前までは趣味として仏像彫刻をしており、『仏師・幻覚』と名乗っていた。先生は「宣道」と名乗っていたので、私も名前が欲しくなり先生に断りもせずに「幻覚」と名乗った。
これは「あるはずの無いものが見える」、という境地に達したい私が冗談で付けた名前である。
昔、仏像彫刻の名人が言った。『もともと木の中にあった仏像を、ただ彫り出しただけ』。
「都道2号線」が私の住むマンション横を通る。
写真を撮り続けて、もう20年は経つ。それなのに、少ししか上達しない。
私は100枚に1枚くらいは、「アート」として見てもらえる写真を撮りたいと願っている。
風景写真ではなかなかアートにならない。絵画でも身近なものにも名画になるものがある。
私も真似して身近なものを撮影してみたら、思いがけず「アート」と認められた。
この話は「おまけの話」で・・・。
土管の中からタイヤの遊具が見える(あかつき公園)
(おまけの話)
私は毎日、「facebook」 に写真を投稿している。
特定の限られた友人の中だけの公開であるが、色々なコメント書かれるのが楽しみである。
自分が「うん、これは良い」と思っている写真でも、全く誰も「いいね」を押してくれないものもある。
そんな時には好みの問題か、芸術性の問題か、「人はそれぞれなんだなー」と感じるのである。
私は酒を飲まないが、一升瓶は絵になる。
ある時、女房が夕食の支度をしていて、キャベツの一番外側の葉を剥いで捨てたのを見た。
その時、私は「キャベツが私を撮って!と言っている」ように感じた。そこでその葉をパチリ。
自分で思った以上にその写真が気に入り、マンションのデジカメクラブの友人にも見せたら『いいねー。キャベツが写真になるんだー』と言われた。キャベツがアートになった瞬間だった。そしてその写真を「facebook」に投稿した。
初めて褒められた「キャベツ」の写真。
facebookの写真を見た2人の友人が、面白い感想を書いてくれた。
J子さんは『キャベツの葉っぱ1枚で写真になる、 よく見るとなんか妖精のようなものがたくさんの手足を伸ばして大空に向かっているような気がする私は小松菜とかホウレン草の切り口がいろんな花のように見えるのを、今日はバラみたい、とか楽しんでいます』とコメントしてくれた。
「秩父鉄道」の天井の絵
もう1人は私の仏像彫刻の先生のE氏で、サラリーマンを途中で辞めて仏師になったという異色の人である。E氏は『キャベツの葉の声が聞こえたのは凄い。その写真もすごいです。想像しただけでも、丸くなってしまいこんな風に上手には撮影出来ません』
『さて私には人間の生きて来た年輪ならぬ、木の根っこに見えました。目には見えない色々な方々との出会い、別れがあり、それが今を形成していると・・・・』と、思い掛けないコメントであった。
こんなアート的なコメントが欲しいので、これからもアート写真に挑戦し続けよう。
「百均」で買った接写レンズは優れもの。スマホで撮影した。
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。
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