
心の伊達市民 第一号
和船に乗る
ブログ閉鎖中の話題(2018年4月13日)
4月6日に強風が吹いたことは既に書いた。
夕方になり家に戻ってから、ベランダで乾した洗濯物を居間に持って来て畳んだ。
ところが私の愛用のパジャマの下のズボンはあるが、上が無い。
女房に聞いたら、「どこかにあるでしょう。自分の部屋を探したら!」と言われてしまった。

大横川に架かる黒船橋から下を見たら、和船が見えた。
ところが狭い家なのに、どこにも無い。
きっと強風でどこかに飛んで行ってしまったのだろうと思う。
翌日になり郵便局に用事があったので、海の方まで歩いて行ってパジャマを探したが無い。
そこからもと来た道を引き返し、門前仲町に向かって歩きながら探したが見付けられなかった。

和船乗り場の黒船橋桟橋。
門前仲町に流れる大横川に架かる黒船橋を渡っている時に、何気なく下を見た。
するとそこに和船がゆっくりと進んで行くのが見えた。
3月24日から4月11日まで「深川さくら祭」が開催中で、そのイベントの和船だと分かった。
でも桜はとっくに散ってしまっていて、「さくら祭」の雰囲気はまるでない。

和船に乗る。(船賃は500円)
下に見える桟橋に行って、乗船を申し込んだ。
私が乗った和船は船頭とガイドの2人がいて、乗客は若いお母さん達の3人連れが一緒だった。
船は静かに、音も無く岸を離れる。 そして川上に向かって上って行く。
川は大した流れが無いので遡るという感じは無く、どちらかというと満潮に乗って下るという感じだ。
黒船橋の下をくぐり石島橋の近くまで行き、そこで船は反転する。

ガイドのジイサンは冗談ばかり。 船頭は寡黙だった。
桜は全く無い。しかも川面には花筏も無い。「さくら祭」が気の毒である。
船頭は無口だが、ガイドのジジイがエンターテイナーで冗談ばかり言っている。
昔の演歌を歌ったかと思うと、懐から栄養ドリンクの空瓶を取り出し、橋の下に来ると口に当てて吹く。
すると「ボァ~ン」という船の汽笛のような音がする。
川の水は綺麗で、匂いも無い。ガイドのオジサンが水を手に取って、舐めて見せたのには驚いた。

川上に向かって和船は進む。両側の桜は葉桜になっている。
これは商売じゃないので、「乗船客に喜んでもらいたい」という気持ちがストレートに出ている。
ボランティアというのはお金を儲けようと思っていないので、お客はその「おもてなし」が嬉しい。
船に乗る人もあまりいないので15分の予定だったが、途中でまた船を反転させた。
冗談ばかり言っている間に30分も経ってしまい、やっと船は桟橋に戻った。
今日は思いがけず、良い経験をした。「犬も歩けば棒に当る」とは、このことか?

和船は静かに進んで行く。
帰ってから「和船・友の会」のホームページを開いてみた。そこには和船の研修と検定試験の案内も出ていた。1年で、8回くらいの実技で、その後の試験に合格すれば船頭の資格が得られるらしい。
何でも興味のある私は、今は「やりたい」という気持ちと、「少し面倒だな」という気持ちが葛藤している。果たして、どうなるか?

深川観光協会のサービスで「新内流し」の和船が来た。
(おまけの話)
受付で船賃の500円を払い、船着場の桟橋に行く。そして、そこにいたジイサンに声を掛けた。
如何にも「船頭」という出で立ちで、着ているハッピも染め色が落ちて年季を感じさせる。
私 「もう船頭歴は長いんですか~?」
ジイサン「18年かな~」
私 「これは仕事ですか?」
ジイサン「違うよ!、これは和船の技術を残すためのボランティア活動だよ」
私 「それは失礼しました」

向こうに見えるクルーズ船は、同じようなコースで2300円もする。
その後、船の準備が整うまでの間に、色々な話をした。
ジイサン「この菅笠の浮世絵は私が描いたんだ」
すると近くにいたバアサンが「これの方がもっと凄いよ」と、自分の菅笠を見せてくれた。
この浮世絵もそのジイサンが描いたのだそうだ。

いかにも船頭!
私が『凄いですねー』と言ったら、ジイサンは自分のバッグから何か探している。
そして「今はこれしか無いが、プレゼントします」と言って、ドングリを差し出した。
そこには「ミツバチ・ハッチ」の絵が描いてあった。
何もやることが無く、「毎日が日曜日」と嘆いているジイサン達に比べて、「なんと元気で、しかも充実した人生を送っているんだろう」と橋の上から下を見た偶然に、私は感謝したのである。

趣味で菅笠に描いた浮世絵。 ドングリに描いたミツバチ・ハッチ。
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。
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垣根のないコミュニティー作り “ とうや水の駅食堂 TSUDOU ” の未来像
交流の場つくり はじめにお二人がタッグを組み“とうや水の駅食堂 TSUDOU “ をつくりました。 一人目。 運営担当 折原 英明さんは札幌ご出身の46歳。 8年間、フランチャイズの外食産業においてスーパーバイザーとして勤めていました。 そして二人目。 店長 石塚 誠さんは伊達ご出身の44歳。 23年間、洋食の調理を経験されていました。 さて、始まった“ TSUDOU “ の未来をお二人はどのように想い描いているのでしょうか? 今回は、洞爺水の駅に5月6日に新規オープンされた“ TSUDOU “の運営担当 折原さんにお話を伺いました。 実は以前、こちらの場所には人気のうどん屋さんが入っていました。 ところが、そのお店が昨年閉店した後、2022年2月に新しい飲食店の公募がありました。 その際、5件の応募があった中、とうや水の駅食堂TSUDOUの企画が採用されました。 折原さん 「TSUDOU=集う 場として、あるいはコミュニティーの場として、人と人との交流の場として、“いつも開いていること” “いつも人が居ること” を大切にする場所づくりをしようと考えました。 その場の入口を『食堂』という形にしたのです。」 ↑注文カウンターは廃材を利用して作られています 移住を決意 筆者 「なるほど。ところで札幌ご出身ですよね。移住のきっかけは何ですか?」 お子様が小学校入学のタイミングで移住を決意されたということで、その背景を話していただきました。 折原さん 「札幌に住んでいた頃から、湖が近くて景観も良く、あくせくしていない旧洞爺村が気に入って、8~9年間くらいよく遊びに来ていました。子どもも連れてきていたのですが、湖畔の商店のお子さんと一緒に遊んでもらったりして、子どもの方がこの地域に早く馴染んでいました。大人たちも良く声がけをしてくれましたし、面倒もみてくれましたし。まさに昭和の子育てのような雰囲気でした。年代問わず、地域で子育てをしているような…そんな様子を見ていて、子育てするのにもここは良い環境だなあと感じるようになりました。それが移住の決め手です。」 このお話には筆者自身の思い出と重なり、とても懐かしい気持ちになりました。 自然も豊かなここがそういう地域ならば、確かに子育てには最適です。 ↑いつも温かく迎えてくれる洞爺湖 ↑お子様連れもWelcome! 筆者 「なるほど。では、初めからここで飲食業をしたいと考えて移住して来られたのですか?」 ↑お子様用オムライス。喜びそうです ↑シンプルさに安心感を覚えるカレーライス ↑伊達大矢ミートさんの黄金豚を使ったカツ丼 折原さん 「はい。飲食業に携わりたいと考えていました。この業界に長くいましたので、ノウハウは持っていました。それに自分が観光客としてここに来ていた頃、食事をするところを探すのに結構苦労しました。冬季休業してしまうお店も多いですし。ですので、ランチ難民を出さない地域にしたいとも考えました。」 ご自身の経験からこの地を選び、ご自身の経験から食堂のスタイルを決めました。 言ってみれば、約9年間のモニター結果から考えられた形ということになります。 まさにスーパーバイザーとしてのご経験が活きています。 ↑ホタテ漆喰を塗り、リノベした壁 TSUDOUへの想い さて、取材に伺った時はまだ店内が未完成の状態でした。 私ならきっと、あまりお客様には見せたくないと思う店内の姿がそこにはありました。 例えば壁。 ホタテ漆喰で塗られていましたが、まだ塗り残した面が多くあります。 テーブルも作成途中でした。 その理由の一つには、企画が採択されてからOPENまでの準備期間が1ヶ月そこそこだったということがあります。 でも折原さんは動じていませんでした。 “ TSUDOU “という場が徐々に変化していく姿も楽しんでほしいという想いがあったからです。 こちらのロゴマークをご覧ください。 とても余白の多い、シンプルすぎるように見えるデザインです。 でも、ちゃんと意味がありました。 「デザインの余白は、ここに集う人々が自由に描いてほしいと思っています。 地域の方はもちろん、観光で訪れた方にも、パブリックの場として誰もが気軽に入られる場でありたいですし、それぞれの想いを大切にしたいと考えています。 そのための入り口として『食堂』という形をとっています。 既住者であっても移住者であっても、子どもであっても高齢者であっても全ての垣根を取り払って融和していく中で、新しいアイディアや交流が生まれ、情報発信基地となり、結果として町に貢献できたら嬉しいです。」 と、折原さん。 ↑水の駅の入り口には車椅子も用意されています ↑いつも人がいる安心感を感じていただくために、施設内が見渡せる位置にテーブルを配置しています。とても開放的な雰囲気。 ↑大きなガラス戸の向こうには洞爺湖がいつも見えます 誰もが構えることなく入ることができる、親しみやすさと安心感がここにはありました。 きっと、“ 目の前に洞爺湖 “ というロケーションも手伝っていることでしょう。 「まずは水の駅をを含めて洞爺地区を盛り上げていきたいです。そのためにも、地域住民・役場・洞爺まちづくり観光協会・洞爺湖町商工会議所・地域の商店などとしっかりタッグを組みたいと考えています。そして、ゆくゆくは洞爺地区だけでなく虻田や温泉も含めて洞爺湖町の活性化に貢献していきたいと思っています。」 ご自身が観光客としてここに訪れていた時、地域の人々に温かく迎えていただいた恩返しをしたいとも話されていました。 食堂のこと ところで、食堂のお話。 筆者 「メニュー構成を教えていただけますか?」 折原さん 「メニューについては奇をてらったものは一つもありません。コンセプトは『洞爺の野菜と丼めし』です。食材については、野菜は洞爺産、肉は伊達の大矢ミートさん、鶏肉は伊達のめぐみ鶏を使用しています。将来的には、洞爺産野菜を使ったサラダプレートや、洞爺湖産のワカサギやヒメマスを使った料理も提供したいと考えています。」 ↑どれも馴染み深いメニュー構成です。メニューを見て料理をイメージできることは大切ですね。 最後に〜 お話を伺っていて筆者が気づいたこと。 それは〜 折原さんは、とてもフレキシブルな考え方をお持ちの方だということでした。 良い意味で頑固ではない方。 そして、全てにおいて『人』という存在を強く意識しておられる方でした。 “ TSUDOU “ という場から生まれる『何か』に大きな期待を寄せつつ、ロゴマークの余白が、訪れる人々の想いで彩られていく未来が楽しみになった筆者でした。 ―TSUDOU 情報― 場 所 洞爺水の駅内 営業日 ・5月中は不定営業 ・4~10月末 10:00~17:00 ・11~3月末 10:00~16:00 定休日 毎月第3木曜日(不定休あり) 詳細はinstagramをご覧ください。 https://instagram.com/toya.tsudou?igshid=YmMyMTA2M2Y=
Rietty
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