ブログ閉鎖中の話題(2018年7月4日)

勝鬨橋の袂に「天竹」というフグ料理屋がある。このマンションに越してくる前はこの店でフグを食べたことがあるが、引っ越して来てからはもっと良い店を見付けたのでここで食べることはない。

この店は毎月29日を語呂合わせで「フグの日」とし、「ふぐ天丼」が半額近くになる。私は一度、食べたことがあるが、「ふぐ天丼」はあまり好きじゃなかった。


「天竹」の看板は「ふぐ」。



この店は天ぷらも刺身もやっている。私はたまにこの店でランチを食べる。
私の注文はいつも「かき揚げ天丼」か、「かき揚げ定食」である。どちらも750円と安い。でも、油物を食べると太るので、家族から肥満を非難されるのが嫌で滅多に行くことは無くなった。ある日のことである。無性にこの店の「かき揚げ」が食べたくなった。


入口にランチメニューの写真が出ている。



この店の「かき揚げ」は他の高級な店と違って、具が値段の安い「紋甲イカ」を使い庶民的である。私は魚介類ではイカが一番好きなので、この店の「かき揚げ」が好きだ。
「たまにはいいかー」と自己弁護をしながら、ランチの「かき揚げ定食」を注文した。
その時、少し離れた小あがりの席に4人のサラリーマンが来て座った。


最近は「はとバス」も立ち寄るらしい。



私が見たところ、3人は同じ会社の者で、1人の年配の男をランチで接待しているように見えた。一番若い40代後半と思われる男が、色々と世話を焼いている。
その男の上司らしい2人は部長なのか、背広を脱いでワイシャツ姿で座敷で寛いでいる。

お得意さんらしき男も同じくワイシャツ姿であぐらを組んでいるが、接待役の若い男は背広も脱がず正座で接待している。


紋甲イカの「かき揚げ定食」は750円と安い。



ビールが3本、運ばれて来た。すかさず若い男が栓を抜いて、お得意様のコップにビールを注ぐ。続いて上司にも注ごうとしたら、「自分でやる」と言われたのか、ビール瓶を取り上げられた。

そこへ「ふぐサラダ」(2000円)が運ばれて来た。
若い男はそれを小皿に取り分けようとしたら、「そこまでやるな!」と、また上司に止められた。


国立新美術館の入り口(左)と、館内の1階の風景(右)。



続いて、松花堂弁当(1500円)が運ばれて来た。これは若い男が順送りで、上司とお得意様に手渡した。
私はサラリーマンをやった経験が無いので、この姿を見ていて可笑しかった。
この若い男は家では何もしていないだろう。それが仕事となると、家ではしたこともない世話焼きをしている。

女房がこの姿を見たら、どう思うだろうか? 「お父さん、ご苦労さま」かな?、「家でもやって!」かな?  サラリーマンとは「辛いもの」なのである。


国立新美術館の展覧会の様子。



(おまけの話)
大学時代の友人達と会った話の(その2)である。
集まった6人の内、経営者は私だけだった。残りの5人は卒業と同時に工業系の会社に入った。私は卒業式も出ないでニューヨークに渡ったので、その後しばらくの間の彼らの様子は知らない。

この中の1人のKさんは水墨画を趣味としていて、1年に2回、上野と六本木の美術館で下手でも出せる展覧会に絵を出している。それを口実に、1年に2回だけ、彼らと会って旧交を温めている私である。


Kさんの書いた沖縄西表島の牛車のある風景。



私の若い頃のサラリーマンは、今でいうところの「ブラック企業」で働いていた。
日本中のサラリーマンがそうで、土曜日の休みも1ヵ月に1度か2度で、中小・零細企業は休まなかった。

残業も100時間なんて当たり前で徹夜もあり、それでも過労死するサラリーマンはいなかった。この時代はみんなで頑張れば、翌年は必ず10%くらいは昇給したので、文句を言う人もいなかったのである。


表参道にあるブラジル料理店「BARBACOA」。



この5人の友人達も上昇志向の持ち主だったので、頑張って部長まではなった。
また日本経済が好調だったので、能力よりは頑張りの時代で、ボンクラでなければ部長くらいにはなれた。

そして各人の会社での先が見えて来た50代後半になり、「会社より友」となり旧友と会いたくなったようだ。・・・・というわけで、六本木の国立新美術館に私を含む6人が集合して、Kさんの絵を見た。


長い鉄串に刺した焼けた肉を、客席で切り分けてくれる。



水墨画に興味を持っている友人は本人以外にいないので、すぐに予約してある表参道のレストランに向かう。
行った店はブラジル料理店で、「シュラスコ」という肉料理が売り物の店だった。
私以外はみんな年甲斐もなく大食いで、飲み放題、食べ放題を注文していた。
私は驚き、付いて行けない。

2時間の制限時間で、私以外の5人は大いに食べ、大いに飲み、大満足のようだった。
もうこの年になると、現役時代の仕事の話をする男はいない。
だから、話題はどうでもいい話となってしまい、残念だが盛り上がりに欠けた。


肉は色々な焼き方で出て来て、どれも美味しい。


伊達季節移住のススメ 心の伊達市民 第一号

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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

コメント

  1. Shinji
    Shinji
    返信

    天竹でのサラリーマン風景描写、手に取るように見えてきます。この記事は5年前ですが、いまでも上司、お得意さんに気に入ってもらえるように若い社員はヘイコラしてるんでしょうかね。

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