
心の伊達市民 第一号
青梅に住む同級生に今回の私の「バスの旅」の話を連絡したら、思い掛けない返事があった。『あなたが青梅に来る日は私の誕生日です。一緒にお昼ご飯を食べましょう』。
これには少し困った。なぜなら青梅に午前中に到着するには、バスの時刻表によると「花小金井駅」を午前9時35分発に乗らなければ行けないのである。
それを逆算すると、なんと家を午前7時40分には出なければならない。
3日目のスタート地点は西武線「花小金井駅北口」である。朝7時30分に家を出た。
しかし同級生の提案なので、「ランチを一緒にする」ことを受けることにした。
そして青梅からはそう遠くない豊田に住むY君にも事情を説明し、『青梅に来ないか?』と誘った。彼は気持ち良く『OK』と返信をくれて、『食事処には私の車で行きましょう』と言ってくれた。みんな暇を持て余しているようだ。
それでも「持つべきは友だ」と思ったのであった。
花小金井北口発の都バスは定刻の9時35分に出発した。この時の乗客は私を含めて3人だった。バスは旧青梅街道を進む。前回、「うどん」を食べた「平作」の前を通り過ぎた。その先の西武線の線路を渡りバスは進んで行くと、その先の信号を左折すると私の会社のあった場所に行ける。久し振りに窓から見る風景に、懐かしさがこみ上げて来る。
バスはチョコチョコと停留所で止まるが、庶民の足なので乗り降りする人がかなりいる。もう花小金井駅で乗った乗客は私だけになった。
箱根ヶ崎に差し掛かり、亡くなった同級生のことを思い出した。
私がメンバーになっていたゴルフ場に行く時は、この信号を右折して彼の店の前を通過したのである。バスはそのまま進み国道16号線を越えると、JR八高線の線路を渡る。
もうこの辺まで来ると「青梅圏」に入る。
道が広くなり、道路沿いにチェーン店の飲食店が増えて来る。
ところがバスは途中で右折した。すると急に街並みが田舎風になって来た。
ドンドンと田舎に入って行くような感じがした。そしてバスは「JR青梅駅」前の終点で止まった。そこには出迎えのSさんの姿が見えた。バカバカしい長いバスの旅だった。
今回のバスの旅は3回に分けて行ったが、「果たして1日で青梅まで行けるか?」を調べてみた。これを調べるのは結構、面倒な作業となる。
先ず交通機関のサイトで「新島橋~青梅駅」を検索してみた。
すると『ご指定の条件では検索出来ませんでした』と表示が出てしまう。
そこで最初の「新島橋」の始発に乗り「築地」で降りる。そこから「四谷駅」への時間を調べる。これを順繰りに3日目の最終乗車地点の「花小金井駅北口」まで続けるのである。
その結果であるが、午前6時32分に自宅前を出発すると、「青梅駅」に12時33分に到着することが分かった。所要時間は6時間01分であった。
次に「勝どき駅」から「青梅駅」までを電車で行くと、どのくらいの時間で行けるかを調べてみた。すると午前6時38分の電車に乗ると、「青梅駅」に午前8時21分に到着する。
その所要時間は1時間43分であった。バスで行くと4時間18分も余計にかかるのであった。運賃は電車で行くと「1086円」で、バスの場合は通常料金で「1883円」だが、シルバーパスを使えるので運賃は「ゼロ」だった。まあこんなバカなことは、気力・体力からも今回が最後だろう。
(おまけの話)
青梅駅に出迎えに出てくれたSさんには、事前に「昼飯は美味しい日本蕎麦」をリクエストしておいた。八王子からわざわざ来てくれたYさんの車で、奥多摩方面に向かう。
Sさんが『今日のガイドは俺に任せておけ』というので、黙って彼に従う。
御岳が近付いたところで、街道沿いの「ぎん鈴」という名の「音威子府蕎麦」を食べた。この店の歴史は100年だそうだが、特別に店構えに風格は感じられなかった。
蕎麦を運んで来た女将が言った。『もうこの店も終りになる。後を継いでくれる人がいないから、「幻のソバ」になる』
私は『それは勿体ない。今では都会を離れて田舎で自営をしたい人が増えているから、誰か知り合いにネットで希望者を募集してもらえば大丈夫』と話した。
この日はSさんの誕生日だった。
私は女房から預かった、彼女の手作りの小銭入れやメガネケースをプレゼントした。
彼は後から私の家に電話して来て、私の女房に話していた。『日本には1億3000万人も人がいるが、私の誕生祝をプレゼントしてくれたのは奥さんだけです』。
昔は大型店舗の店長をしていただけあって、お世辞が上手だ。
日本蕎麦を食べた後は奥多摩観光である。
多摩川の上流にある白丸ダムが『最近の大雨で放流しているから、それを見に行こう』となった。しかしなぜかこの日は放流していなかった。
次は奥多摩の誇る酒蔵メーカー「澤乃井」の経営している、多摩川沿いのテラスである。
ここで私は多摩川の写真を撮り、次の目的地に向かった。
そこは青梅線の「河辺駅」近くの喫茶店で、Sさんの贔屓の店らしい。
その店で美味しいコーヒーを飲み、河辺駅から青梅特快に乗って乗換え無しで東京駅まで行った。帰りは早かった!
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。
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景色がごちそう☆ “ モントーヤ “ ですごす ゆったり時間
温泉街から国道230号線を車で走ると、洞爺湖の上、畑の真ん中に突如現れる黒いコンテナ。 直線道路なので、気になりながらも通り過ぎ、農機具の倉庫かな?一体なんだろう?と気に留めていた昨年。 そんな、筆者のような読者の方もきっといらっしゃったことと思います。 そして今年、どうやらOPENしたらしい!との情報を得て、謎を解くべく取材をさせていただきました。 ↑この束石がポツネンとあるだけの国道からの入り口 ちょっぴり勇気がいる入り口からコンテナを目指して奥へ向かうと、そこには遮るものがほとんどない空間。 畑だと思っていたこの土地は、実は畑ではありませんでした。 周りを見渡して感動しました。 ぐるっと300度くらい見渡せます。 しかも、羊蹄山・尻別岳・ニセコ連邦・昆布岳・有珠山などなどが一望でした。 尻別岳 羊蹄山 取材に訪れたことをうっかりと忘れ、うっとりとゆったりモードにスイッチが入りそうになってしまったほどの眺望です。 「危ない 危ない」と、気を取り直して玄関に向かうと、思わず開けたくなる可愛らしい赤いドアがありました。 ↑入り口にメニューがあるのは安心します ↑ドアを開けると可愛いくて不思議でユニークなディスプレイ ↑厨房で忙しそうないずみさん こちらは、2022年5月にオープンしたカフェ&キャンプサイト “ モントーヤ “です。 札幌から6年前に移住して来られた オーナー 井上啓二さんと奥様 いずみさんが営むお店です。 実はお会いして驚いたことがありました。 ご縁というのは不思議なものだとも思いました。 ↑大きな窓からは遠くの山がよく見えます 奥様のいずみさんは2年前、筆者が企画したワークショップに参加してくださった4名様のうちのお一人だということ。 オーナーの啓二さんは、筆者がどうにも気になって気になって、何度も探しに行った洞爺湖畔の幻の珈琲ソフトクリーム屋さんのオーナーさんだったということ(数ヶ月で満足して閉店)。 そうだったんだ! そうだったんだ! このような形でお会いできるとは! と、敷地に入った最初から少々興奮気味の筆者…^^; 店内は、外からは想像できないくらい落ち着いていて、どこか懐かしい雰囲気の調度品が並んでいます。 ジャズが心地よく流れ、レコードジャケットやコレクションの古いカメラが並びます。 ↑筆者好みのアーティストとレコードジャケット ↑昭和感漂うレトロなコーナー。 「東京に居た頃は服飾デザインの仕事をしていました。いわゆるDCブランドの服です。札幌に戻ってからは、もともと好きだった馬の仕事に携わりました。馬の競りのためのプロモーションビデオを制作したり、牧場のWebを制作したりする仕事です。札幌競馬があるときは、競馬場で売店も営みます。だからまあ、そちらの仕事が本業かな。」 ↑こちらはオーナーの本業。代表取締役としての会社「inox」のwebページ なるほど…。 馬に関わる映像のお仕事と“ モントーヤ “の関連がいまひとつ見えませんでしたが、飲食業にはすでに携わっていらっしゃったわけです。 そして、奥様とのご縁も馬が取り持ったとか♡ ↑コンテナは雨よけにもなり、イベントなどのショップにもご利用いただけます。 1本だけ残したドロノキ(ヤマナラシかも)は、シンボルツリーになっています 「この5000平米の土地は、僕が買う前は何十年も手付かずだったそうです。太くなった木も草も伸び放題のジャングル状態。崩れ落ちた家もそのままで荒れ放題。呆然としてしまうような荒地となっていました。水道も通っていませんでしたので、大掛かりな工事になりました。途方に暮れるほどの手間を掛け、足掛け4年がかりで開墾していきました。」 「そこまで苦労して…。この場所の何にそんなに惹かれたのですか?」 「景色です。どこを見ても山があるこの景色を見ながら珈琲が飲みたかった。ただそれだけです。」 それまで、クールな面持ちで話をされていたオーナーの目が、ふっと力が抜けて優しくなった瞬間でした。 この景色を見ながら一杯の珈琲(お店の珈琲は札幌の有名焙煎ショップ「斉藤珈琲」の豆使用)が飲みたいというそれだけで、4年間も開墾をしてしまう井上夫妻がなんとも素敵です。 「でも、そもそも何故札幌から移住して来られたのですか?」 「きっかけはスイスを訪れたことでした。もう本当にスイスが素晴らし過ぎて、人生観が変わりました。ほんと、絶対に行ったほうがいい!」 この時のオーナーの目はキラキラに輝いていました。 そのご様子だけで、どれほどスイスが素晴らしかったのかが分かりました。 「帰国後、札幌に住まなくても今の仕事はできるよね?と夫婦で話すようになりました。その時の場所の候補は、北海道の都会ではない景色の良いところ、もしくは南阿蘇でした。 そうして洞爺湖畔に居場所を見つけ、その2年後、周りの山々が見渡せるこの場所が気に入り購入しました。」 それから、足掛け4年の開墾の日々が始まったのでした。 店舗は、コンテナ7つを繋げて造られています。 大きな窓の店内はオーナー自らがデザインされたもので、お気に入りの調度品は、山を楽しむためのレイアウトになっています。 「ところでメニューを見せていただけますか?」 とお願いし、見せていただいたのがこちら。なんと、絵本でした。可愛い〜♡ ↑画像はありませんが、珈琲おいしくチーズケーキが絶品です! ↑次回はこちらを食べてみたい! ↑生パスタも美味しそう〜♡ そういえば、入り口にも店内にも絵本が飾られていました。 てっきり、いずみさんのご趣味かと思いきや…。 なんと、「僕のアイディアです」と。 この時のオーナーはちょっとハニかんだ笑顔でした。 ↑思い切り照れたお顔で振り返ってくださったショット ところで、“ モントーヤ “ の “モン“ とは、フランス語で “私の”という意味だそうです。 つまり” 私の洞爺”。 それでも湖畔ではなく、300度にわたり遠くに山を望めるここを選んだのは、「ここで珈琲が飲みたかったから」。 ここがオーナーにとっての「私の洞爺」なのですね。 「洞爺湖も有珠山もいい。でも、ここから眺める羊蹄山も洞爺湖町のランドマークであって欲しいのです。阻害するものが何もない畑のど真ん中で、この景色を楽しみに来ていただきたいです。」 ↑キャンプサイトご利用の場合は店舗の玄関フード内のトイレが共用利用できます 今後は、プライベートキャンプサイトも整備して行くそうです。 ただし、利用できるのはオーナーの友達か、友達の紹介限定だそうです。 優しく尖った カフェ&キャンプサイト“ モントーヤ “。 広大な土地にポツンとコンテナは目立ちますが、素敵な隠れ家を見つけました。 ―モントーヤ情報―虻田郡洞爺湖町成香19営業日時はInstagramまたはHPをご確認ください。Instagramhttps://instagram.com/montoya_108?igshid=YmMyMTA2M2Y=HPhttp://montoya.jp/*イベントのご利用も可能です。HPのお問合せフォームよりご相談ください。
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