
心の伊達市民 第一号
都電「荒川線」に乗り、「庚申塚駅」で降りた。たった2駅である。
「庚申塚とはなんだ?」と思い、調べてみて笑ってしまった。
『中国より伝来した道教に由来する庚申信仰による石塔で、人間の体内にいる3匹の虫が、庚申の日の夜、寝ている間にその人の悪事を天帝に報告に行く。それを避けるために夜通し眠らないで勤行をしたり宴会をする風習』とあった。
さて庚申塚の横を通り、巣鴨地蔵通り商店街に入る。
(今回は一般の人とは逆に、庚申塚駅から巣鴨駅に向かった)
私が行った日は中央区から「熱中症情報」がメールで届き、「気温32度、厳重警戒以上」と知らせて来ていた。そのせいか、ここに来るのは高齢者が多いので、熱中症を恐れて巣鴨地蔵通商店街の道路はガラガラだった。
道路の脇には「第十四回 すがも朝顔市」の看板が出ていた。
今回、改めて気が付いたが、古い店が段々と少なくなり、チェーン店や若者向きの店も増えて来た。
巣鴨地蔵通商店街は「おばあちゃんの原宿」、などと呼ばれたことがある。
それからもう30年以上が過ぎ、その頃のおばあちゃんはもういない。
その影響で昔懐かしいお店がドンドンと消えて行っているように感じた。
あの頃は「もんスラー」が大流行であった。もんスラーとは「モンペ」と「スラックス」の良いとこ取りをしたおばあちゃん用ズボンで、穿くのが楽だったようだ。今では「もんスラー」の文字も見えなくなってしまった。
途中の地下一階に昭和の香りがして来そうな、昔の唄の店「ひまわり」があった。
「おばあちゃんの原宿」の時は、みんなしてここへ来ては昭和の唄を歌ったのだろう。
それにしても「五時間遊んで お一人 1000円」は安い。
看板に書いてないが、飲み物は別料金なのでは?
おばあちゃんが来ていた頃には無かった「コロッケ」の「ころっけ屋」が出来ていた。
バブルの頃には原宿の「竹下通り」に、芸能人のファッションの店が多く出来た。
そのブームが去ると、コロッケだのメンチカツなどが観光地に出来て来た。
コロッケの隣が「耳鳴り 聴力低下」という幟が巣鴨地蔵通り商店街らしくて可笑しかった。若者狙いの隣が高齢者狙いというところで、どちらが勝つか?
まだ私はこのコロッケを買ったことは無い。
巣鴨地蔵通りと言えば「赤パンツ」である。
高齢者が体が思うようにならなくなり、時にはお漏らしをするようになる。
そんな時の救いの神が「赤パンツ」である。
「これを履けば、お漏らしをしない」というふれこみだが、本当かな?
でも2軒あった店は、1軒になってしまっていた。
商店街の中ほどに「とげぬき地蔵」で有名な「高岩寺」がある。
しかし「とげぬき地蔵」は秘仏で公開していないので、見ることは出来ない。
それより有名なのが「洗い観音」である。
本堂に向って左側にあり、「自分の体の具合の悪いところと観音様の同じところを、水を浸した白い布で洗うと良くなる」と信じられていて、いつもは行列が出来ている。
しかし私には初めてのことだったが、誰も来ていなかった。
(おまけの話)
庚申塚駅からほど近い場所に「題名のないパン屋」がある。「題名はあった方が良いのでは?」と思った。「おばあちゃんの原宿」の時代には、考えられない商売である。
一時は全国的に高級食パンが流行したことがある。
しかし「流行は必ず去る」もので、私の近所でも2軒が撤退した。
この店は貼り紙を見たら、2020年開店で、2023年3月に閉店となっていた。
「今でも売れるの?」と思った店があった。
「まむし」、「すっぽん」、「サメ軟骨」を販売しているらしい。
興味があるが、私は買わないので店の中には入り難かった。
店の前には「サメ軟骨」と書いた紙が貼り出してあった。
いかにも「おばあちゃんの原宿」らしい店だった。
高岩寺の敷地の中の、道路に面した場所から中に飾られた木彫りの仏像が見える。
この前を通ると、私は必ず中に入る。それは以前は私も仏像彫刻をしていたからだ。
コロナが去ったが、ここで目立つのは「あまびえ」である。
その後ろに吊るされた書に、「この道しかない 春の雪ふる」と書かれている。
達筆過ぎて読めなかったので、店番の僧侶に聞いてみた。
そしてこの俳句は山頭火作で、その意味は『降っては消えて行く春の雪に ぬかるむ道を今日も乞食を続ける』ということだった。
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。
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アートで楽しむまち歩き!ムロランアートプロジェクト2021
旧市街地のレトロな街並みで知られる室蘭駅周辺で、アートとまち歩きを楽しむイベントが10月9日から始まりました。 ムロランアートプロジェクト(MAP)。 室蘭の歴史的建造物が期間限定のアートギャラリーに大変身!10月31日まで土日限定で観覧できます。 初日の10月9日(土)に遊びに行ってきました。 まずは本部のある旧室蘭駅舎へ。公式パンフレットが配布されています。 この黄色いパンフレットがまち歩き「MAP」として、道案内をしてくれます。 さっそくまち歩きスタート! 旧室蘭駅舎には室蘭出身のアーティスト・中村岳さんのインスタレーションが展示されています。 初日のこの日、公開製作が行われていました。完成まであと少しというところの製作風景です。 明治45年に建造された旧駅舎の構内に、巨大な立体作品が次第に姿を現してきました。 鮮やかな赤茶色が室蘭の工場風景や鉄を彷彿とさせます。ドームのような不思議な形。設計図はなく、インスピレーションで形を作っていくのだそうです。 国内各地で活躍する中村さんですが、出身地の室蘭では今回が初の本格的な製作・展示となります。完成したインスタレーション、ぜひ生でご覧になってみてください。 続いて、千穐萬歳堂(せんしゅうばんぜいどう)へ。 大正14年に建てられた歴史ある倉庫です。入り口から佇まいというか、存在感に圧倒されました。こういう建物が保存されていることもすごいことだなあ、と思います。 中は改修され、ギャラリーとなっています。 1階は室蘭工業大学山田研究室のプロジェクト、2階は川上りえさんの造形作品が展示されています。木骨石造ということで、石の壁と木の骨組みが独特の雰囲気を醸し出していました。建物とアートのコラボレーション!美術館での展示とは全く違う味わいがありますね。 坂をのぼって次の会場へ。 景色を眺めながら気持ちよいまち歩き!会場間が遠すぎず近すぎず、程よい距離でコースが組まれており、お子さんから高齢の方まで、歩きやすいのがポイントです。 旧丸越山口紙店。こちらも大正時代の建造物です。レンガの壁からロマンの香りが漂ってくるよう!ゆっくり眺められるのは徒歩ならではですね。 古い調度品に溶け込むようにして、岩崎麗奈さんの写真作品が展示されていました。作品と建物、どちらも見応えがあります。普段は入ることができない建物だけに内部を見られる貴重な機会でもあります。 途中にカフェや飲食店が多くあるので、ランチやお茶を楽しむのもおすすめです。昔ながらの甘味処として親しまれる「すずや」に立ち寄りました。若者からマダムまで、幅広い年齢層の女性客が甘いものを楽しんでいました。 MAPにもおすすめリストが載っています。 室蘭プリンスホテルでは、10月8日〜10日の3日間限定でMAP連動企画として「中央町懐古展」が開催されました。来場者はホテルのクラシックな雰囲気の中、昔の写真や映像を楽しんできました。 さて、最後は中央町たのしま横丁(大辻医院跡地)へ。 初日のこの日、オープニングイベントとして大黒淳一さんによる音楽ワークショップが開催されました。街の音を録音して、音楽をつくる一日限りのスペシャル企画。地域の子ども達で賑わっていました。 音楽作りの様子。公式Facebookをご覧ください↓↓ ムロランアートプロジェクトは「室蘭の未来地図をつくる」をコンセプトに3カ年開催を予定しています。 プロジェクト代表の荒井純一さんは 「繁華街だった室蘭駅周辺をコンパクトに歩けるルートを制作しました。室蘭は普段気づかないポテンシャルがたくさんある街だと思います。アートや街歩きを通してそれを発見してもらえたらと思います。」 と話していました。 建物、まち歩き、アートと、いろんな切り口からいろんな楽しみ方ができるところが面白いな、と思いました。古い建物と現代アートがお互いに美しさを引き立てあって、新しい街の魅力が生まれ出てくるような、そんなワクワクする気持ちになりました。 芸術の秋、ご家族やお友達と出かけてみませんか。 各会場では入り口で消毒、検温、記名を行い、感染対策に配慮されています。 Muroran Art Project2021 2021年10月9日〜10月31日 土日のみ開催 12:00〜18:00 入場無料 ※MAPは旧室蘭駅舎で配布されるほか、公式HP(https://muroranart.wixsite.com/website)からダウンロードできます。 主 催 / Muroran Art Project 協 力 / 大町商店会、室蘭工業大学山田研究室、蘭歴建見会 後 援 / 室蘭市、室蘭商工会議所、室蘭観光協会、北海道新聞室蘭支社室蘭民報社、FMびゅー 助 成 /北海道開発協会助成事業 会 場・展示アーティスト :旧室蘭駅舎(MAP本部)中村 岳 | 千穐萬歳堂(海岸町3-2-6) 川上りえ 室蘭工業大学 山田研究室 |旧丸越山口紙店(海岸町2-5-8) 岩崎 麗奈 | 中央町たのしま横丁(中央町1-2-7):大黒 淳一 (10.9日のみ) 詳細・最新情報はこちらからどうぞ ムロランアートプロジェクト muroranart.wixsite.com/website Facebook
むしゃなび編集部
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