心の伊達市民 第一号

台湾の巡視船が晴海埠頭に


マンションの友人からメールが届き、『晴海埠頭に台湾の巡視船が入港している』と知らせてくれた。テレビや新聞のニュースではこのことを報じていなかったので、早速、ネットで調べたら、次のようなことが分かった。

『台湾の海洋員会海巡署(日本の海上保安庁に相当)の巡視船が8日から、東京都中央区の晴海埠頭に停泊している。寄港したのは「巡護八號」で、全長84.5メートル、排水量1900トンで、主に漁船の保護を目的に2013年に就航した』。


金網越しに見えた「台湾の巡視船」



『台湾メディアの報道によると、同船は7月15日に台湾南部・高雄を出航。公海で漁船保護を行っていたが、台風の影響で東京への寄港を決めたという。補給と整備の後、9月12日に台湾に戻る』

『 台湾をめぐっては、自民党の麻生副総裁が台北市で蔡英文総統と会談するなど、双方の連携が活発になっていて、今回の活動も海洋進出を強める中国をけん制する思惑があるとみられる』とあった。


 台湾の巡視船「巡護八號」



私は晴海埠頭には時々、行っている。
新しく「臨海消防署本署」、「晴海埠頭公園」、「海技機構の専用埠頭」などが出来たからだ。また長く利用されていた外国クルーズ船の客船ターミナルが、解体されている最中でもある。

そこで私は早速、出掛けて台湾の巡視船を撮影することにした。
マンション裏の運河を渡り右へ行くと、左の目の前は東京オリンピックの時の選手村である。いまは急ピッチで内装工事などをしているようだ。


 臨海消防署本署の消防艇



少し行くと突き当たる。そこは東京消防庁臨海消防署本署で、消防艇が所属している。
またヘリポートもあり、いつも訓練の為か離着陸を繰り返している。
消防署を左に曲がると、そこから右手は晴海埠頭公園となる。

そこには海技教育機構の専用埠頭があり、練習船「銀河丸」が停泊していた。
公園を奥まで行くと、そこは晴海客船ターミナルだった場所で、解体工事が進んでいる。


 練習船「銀河丸」(海技教育機構)



また左に曲がり右の都バスの終点「晴海埠頭」に出ると、左手に台湾の巡視船が見えて来る。埠頭は金網で仕切られていて、一般人は中に入れない。
しかし金網沿いに「晴海緑道公園」が続いているので、割合に近くから見ることが出来る。

排水量1900トンというのは、思ったほど大きくはない。
正面に行ってみたら、横腹に大きく英語で「TAIWAN 海巡署 R.O.C. COAST GUARD」と書いてあった。英語の発音表記でも、「HSUN HU NO8」と書いてあった。


  「TAIWAN 海巡署 R.O.C. COAST GUARD」



少し小高い場所に行って撮影したが、金網の前に植えられた木が邪魔になる。
近くで金網の間から撮影しようとすると、全体像が撮れない。
色々と場所を変えてみたが、納得の場所が無かった。 

巡視船の装備だが、小さな砲が黒いカバーで覆われていて、良く分からない。
この程度の装備では、とても中国の巡視艇には敵わないだろう。


金網越しの「巡護八號」



しばらくその場で船の様子を伺ったが、全く人影が見えない。
全員が下船してしまったのかもしれない。
いつ晴海岸壁を離れるのか分からないが、なんとか出港日にレインボーブリッジの上から写真を撮りたいと思った。しかし出港日時が分からないので、ふと思い付いたことがある。

日本と台湾は正式には国交が無いので、その代わりになっている「台北駐日経済文化交流処」にメールで巡護八號の出港日時を問い合わせてみた。するとすぐに返信があり、『お尋ね頂いた巡視船の航行スケジュールに関するような事項に付きましては把握しておりませんため、ご理解頂けますと幸いです』とあった。
その後、マンションの友人の話では、『17日に出港したらしい』と言っていた。


レインボーブリッジを背景に「巡護八號」



(おまけの話)
私と台湾に出会いは、今から55年前のことだった。
「お金の神様」と言われていた作家の邱永漢氏に引率されて、台北の輸出加工区の見学に行ったのが最初だった。その頃の台湾はまだ貧しく、日本企業を輸出加工区に呼び込んで経済発展を考えていたのである。

輸出加工区というのは「港の近くに工業団地を作り、そこに外国企業を呼び込む。その団地は外国扱いとなっていて、原材料の輸入、加工後の輸出は無税扱いとしていた。
従業員は台湾人で、比較的に給料は良かったようだ。


晴海客船ターミナルの解体工事も終盤。



次に縁が出来たのは数年後で、国際ロータリークラブで台中のクラブとの交流だった。
台湾のメンバーの中で工場経営者が3人ほどいて、色々な協力を求められた。
その時、驚いたのはマグネット製造会社だった。工場の自動化のお手伝いをしたのだが、現地に下見に行ったら、自動化の必要を感じなかった。

それを指摘したら、社長が言った。『台湾では社員は大して技術も習得していない内に、すぐ独立してしまう。そこで対抗策として自動化にしてしまえば、技術を盗まれない』。私は『なるほどー』と感心したのである。


都バス終点「晴海埠頭」



その後も色々と関係は続いたが、その中の1人にプロカメラマンがいた。
彼は台中でスタジオを経営していたが、更なる技術向上を目指して来日し、私の会社の社員寮に滞在して写真大学に通ったのである。

彼との交流は途切れず、数年前に私は彼にお願いして1週間の予定で「台湾に今も残る日本時代の建物を探す旅」に同行してもらい、彼の車で台湾の南部を旅したことがある。

日本に帰化したLさんのお父さんの葬儀にも参加したし、お母さんのお墓参りもしたことがある。私にとって台湾はベトナム以上に縁が深いのである。


 水産庁漁業取締船「鳳翔丸」

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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

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