心の伊達市民 第一号
高幡不動尊、明治神宮と菊人形を求めて歩き回ったが、見ることが出来なかった。オーバーに言えば、「遂に菊人形を見られないままで、人生を終わるのか?」と思っていた時に、マンションの友人から思い掛けないニュースが入った。
彼は『湯島天神で菊人形を見た』と言ったのである。
その話を聞いた私は、「もしかしたら湯島天神でも、菊人形の展示は今年が最後かもしれない」と思い、早速、見に行くことにした。
この湯島天神は地下鉄「大江戸線」で「上野御徒町駅」で降りて、10分くらい歩く。運が良ければ、松坂屋の前の交差点近くの停留所に都バスが来る時もある。この路線は滅多にバスが来ないので、期待するとガッカリすることも多い。
天神前の上り坂が、けっこうキツイのである。更に山門に入る石段が急坂で、高齢者には危ないくらいだ。
湯島天神に行く前に「天神信仰とはなにか?」を調べてみた。
『天神信仰は日本における「天神」(雷神)に対する信仰のことである。特に菅原道真を「天神様」として畏怖・祈願の対象とする神道の信仰のこと。本来は、天神とは国津神に対する天津神のことであり、特定の神の名ではなかったが、道真が没後すぐに、天満大自在天神という神格で祀らた』
『続いて清涼殿落雷事件を契機に道真の怨霊が北野の地に祀られていた火雷神と結び付けられて考えられ火雷天神と呼ばれるようになり、後に火雷天神は眷属としてり込まれ新たに日本太政威徳天などの神号が確立することにより、更には実道権現などとも呼ばれ、「渡唐天神」、「妙法天神経」、「天神経」など仏教でも篤い崇敬を受け、道真の神霊に対する信仰が天神信仰として広まった』とある。
全国に「天神」と呼ばれる神社は山ほどあるが、みんな菅原道真を祀っている。それも「学問の神様」として、受験生を集めている。
資料によると『道真が学問の神様と言われるようになったのは、文学者、歌人の才能によるところが大きい。5歳の時に紅梅を見て詠んだ「美しや紅の色なる梅の花 阿呼が顔にもつけたくぞある」や、』
『大宰府へ流される際に詠んだ「東風吹かば 匂いをこせや梅の花 主なしとて 春な忘れそ」など優れた和歌を残している。学問でもいまでいう全国トップの大学を首席で卒業した。これらの功績から長い時を経て、「学問の神様」になった』のである。
さて肝心の「菊人形」であが、私が入って行ったのは裏門のようだ。
石段を上り頂上で右に行くと、そこにはお馴染みの菊の花が並んでいた。
もう普通の菊の花は見飽きているので、先に進む。
するとそこに「菊人形」があった。しかも3体もである。
落ち着いてみたら、今年のNHK大河ドラマの「どうする家康」に登場する「家康」、「信長」、「瀬名」の3体だった。この菊人形のスポンサーは、清水建設だった。
この日は菊人形は見頃で、他の菊の花の中には枯れかかったものもあった。
菊人形は切り花ではないので、この日に合わせて花を咲かせるということには、大変な技術と努力があったのだろうと察する。
でも何度見ても、菊人形は私にとっては変なものだ。
境内は七五三のお参りの人が多く、菊人形にはあまり興味を示していなかった。上野の町やアメ横は外国人観光客が溢れているが、ここは殆ど見掛けない。どうやら、ここは日本人だけの聖地のようである。
(おまけの話)
湯島天神の「菊まつり」を見た後に、上野公園下から都バスに乗って浅草に出た。私は浅草寺でも「菊まつり」が、行われているだろうと思ったのである。都バスを「雷門」で降りて、六区に向かう。
腹は空いていないが、久し振りに格安ラーメンの「メンマル」に行った。
ところが外国人女性2人が私の前にいて、券売機のやり方が分からずモタモタしていた。仕方ないのでやり方を教えたが、せっかく日本まで来たのだから、もっと高い美味しいものを食べて欲しい。
ラーメンを食べたが、値段が50円上がっているようだ。
その代わり麺の量が増えたのか、私は食べ切れなかった。
「花やしき」の前を通って、浅草寺の横に出た。
観光客だらけで、私は「人疲れ」をしてしまった。
彼らは貸衣装の安物の和服を着て、安い食べ物を買い食いしている。
そして気が付いた。欧米人に貸衣装の人はほとんど見掛けない。
築地市場では見掛けるのに、なぜかここでは買い食いをしていない。
本堂前の「常香炉」には、お清めをしたい外国人が列をなしている。
自撮り写真を撮る人が多いので、更に混雑に輪をかける。
私は菊人形を探して浅草神社にも行ったが、見当たらなかった。
やっと見付けた菊の花は、社務所の前の「千輪咲」だった。
これは毎年、福島県二本松市から奉納されているようだ。
私がざっと数えてみたら、約400輪だった。
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。
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