心の伊達市民 第一号

小さな話(5)

【グレープフルーツ】
私の朝食はパン、コーヒー、ヨーグルト、はちみつ、グレープフルーツと決まっている。
しかし最近はどこのスーパーでも、グレープフルーツが売っていない。
そんな時は仕方ないので銀座3丁目にオープンした「オーケー銀座店」に行って、ボトル入りのジュースを買う。

この日は珍しくグレープフルーツが売っていたが、値段が高いので3個だけにしておいた。オーケーストアがあるビルは、「マロニエゲート」という名で、1階から4階まではユニクロ、5階はGU、6階はダイソー、7階はレストラン、そして地下1階と地下2階が「オーケーストア」となっている。全ての階が安売り店で埋められている。
買い物を終えて、私は新橋へ向かって歩き出した。


「グレープフルーツ」と「生ジュース」



【バブルの思い出】
数寄屋橋から新橋まで歩いて行った。交差点のすぐ近くに「日動画廊」がある。
ショーウィンドーに「鈴木信太郎展」と書かれ、額入りの絵が飾ってあった。
我が家には相続した「鈴木信太郎」の絵がある。バブル期には評価額が1000万円を超えていたので、「いまはどうか?」と思い中に入った。

同じような絵もあり、値段を見たら100万円と値札が付いていた。バブル期より90%も下がっていた。私が以前に会員になっていたゴルフ場の会員権も、バブル期には1億2000万円と異常な価格だった。

ここへ越して来るのでゴルフは止めたので売却したら、なんと300万円になっていた。
バブル期とは言い得て妙な言葉で、「あの時に売却すれば・・・」という私の一瞬の夢は「泡と消えた」のである。


ショーウィンドーに飾られた鈴木信太郎の絵画(日動画廊)



【東京オリンピックの残照】
1年延期で2021年に開催された東京オリンピックの元選手村の近くに住んでいるので、いまでもなんとなく東京オリンピックに縁がある。
日動画廊を過ぎて新橋に向かうと、左側の駐車場に思い掛けない車が停まっていた。

それは東京オリンピック・パラリンピックの時に使われた公式車両で、車体に描かれた特別なデザインが目立った。オリンピックの終った後にはそれらの車は払い下げられたので、アチコチで見られた。最近は全く見掛けなくなったので、すっかり忘れていた。

車両ナンバーを見たら「新潟」と書いてあったので、東京と違い地方ではまだたくさん走っているのだろうと想像した。思い掛けない出会いで、昔の友人に偶然、街で会ったような懐かしさを憶えた一瞬だった。


「TOKYO 2020」の公式車両



【伝串とは?】
新橋駅に近づいたら、右側に派手な看板で「新時代44  伝串50円 生190円」と書かれていた。私は酒を飲まないので、伝串の意味が分からなかった。
早速、ネットで調べたら、驚くようなことが分かった。
この居酒屋は「ファッズ」が経営していて、鶏の皮を揚げた焼き鳥のようなもので商標登録がされている。

それより驚いたのはオーナーは佐野直史といい、18歳でブラジルの渡った元プロサッカー選手だった。その後、2010年に第一号店を愛知県に出店し、現在は200店舗、年商200億円の会社になっている。
私は鶏の皮はあまり食べたくないが、多くのサラリーマンに愛されているのだろう。


 「伝串」が50円



【新橋の蒸気機関車】
アチコチと見ながら、30分くらいで新橋駅に着いた。
新橋駅と言えば、「サラリーマンの街」であり、蒸気機関車である。
「汽笛一声新橋を・・・」の鉄道唱歌が有名であるが、1872年10月14日に日本最初の鉄道が新橋~横浜間に開通した。
それを記念して広場には蒸気機関車が飾ってあり、決まった時間に汽笛を鳴らしている。

経済関係の大きなニュースがあると、テレビ取材でここがしばしば登場する。
酔ったサラリーマンが面白い意見を言ったりするのを見て、私は楽しんでいる。
時々、私は思うことがある。『酒が飲めたらなー』・・・と。


 「C11型」蒸気機関車(新橋駅)



(おまけの話)
少し前に亀戸天神の「梅まつり」に行った。その帰りに亀戸駅前から、マンション前まで行く都バスに乗った。停留所でバスを待っ間に、停留所の後ろに変なものが見えた。亀の親・子・孫が積み重なったの噴水だった。

噴水を見て、昔話だがお笑いのナンセンストリオが『親亀の上に子亀を乗せて、そのまた背中に孫亀乗せて、親亀こけたら皆こけた』というなんともナンセンスな歌を歌っていたのを思い出した。この歌から作られた亀の噴水かと思ったら、「羽亀」というものだそうで、よく見たら亀に羽が付いていた。


 「親子孫亀の噴水」(亀戸駅)



「亀戸」とはなんとも変な地名なので、これも調べてみた。
すると『亀戸はかって小さな島で、その形が亀に似ていたことから「亀島」と呼ばれ、次第に周りの島々と陸続きになり「亀村」となった。それが現在の「亀戸」という地名になったのは、村にあった井戸(亀ヶ井)と混同されて「亀井戸」となり、・・・』

『その内に「井」が省略されて「亀戸」になった』とあった。
亀戸に行くには私の住むマンションからは「亀戸駅」行きの都バスで、乗り換え無しで行ける。でも所要時間は42分も掛かるが、途中には両国や東京スカイツリーもあり、観光バスのようだ。


 3段重ねの「羽亀」



亀戸の亀の噴水は「羽亀」と分かったが、それでも親亀の上に子亀、その上に孫亀だから歌と同じだ。そこで亀を自分に例えてみた。私の父(親亀)は私が結婚する前に亡くなったので、孫(孫亀)は見ていない。でも私(親亀)にも孫(孫亀)はいないので、父と同じだ。亀の噴水のようにはなっていない。

私の現役時代を振り返ると、親亀の私がこけそうになったことが、2回ほどあった。
それをなんとか乗り切って現在があるのだが、早くお迎えが来ないと最後になって3回目にこけたら家族が困る。孫を持つ友人たちの話を聞くと、手放しで嬉しそうだ。
親亀の友人たちは、ボケてこけないように頑張れ!


 「羽亀」の「孫亀」から噴水が出ている。

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コメント

    Shinji

    Shinji

    高額な絵画というのを購入するときは、100万円とかを一時に支払うのだろうか。それとも、月賦などの支払い方法は色々あるのだろうか。支払い中に価値が下がったら、失望だろう。

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伊達季節移住のススメ

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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

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