前回までのあらすじ

友人に紹介された胡散臭いオッサンは、自分のことを宇宙人だと言い出した。
話を聞いているうちに僕は半分信じ出したが・・・

オッサンが言うには、最初自分は訳がわからなかったが、そういえば自分は昔UFOに乗って操縦までしていた夢をよく見ていたこととか、そのほかにもいろいろな不思議な体験をした忘れていたという記憶が突然バーンと蘇り、そうだったのか、自分は宇宙人だったのかと心から納得したのだという。

「いやいや。そんなバカげた話は聞いたことないですね」

しっかりと話を聞いたあとで、僕はオッサンと友人に対して少しバカにした感じで笑ってみたが、僕の笑い声だけが店内に虚しく響き渡ったのですぐにやめた。

友人は「なんだ。お前なら信じてくれると思って連れてきたのに」と言うと、これからサクソフォンのレッスンがあるということで、二人して早々に席を立って行ってしまった。


一人残された僕はまだ温かいコーヒーを飲みながら、今の話を反芻した。そしてそんなことが本当にありうるのだろうかと真面目に考え始めた。

あのオッサンの話は嘘だと考えるにも、オッサンが僕にわざわざ嘘をつく理由などないではないか。もしかして変な宗教の勧誘だったのかとも思ったが、そんなそぶりは2人に一切なかった。

ではこれはやっぱり本当の話なのか?

とにかく、僕はその会社に行かなくては、行って自分の目で確かめなくてはと思った。

でも一瞬、待てよと考えた。

もしその会社でその宇宙人なる人物に会ったとして、
その人がまた胡散臭いオッサンだったらどうしよう。

うーん……

もしその人が美人金星人だったらきっと会いに行っただろうが、
いくら本物の宇宙人でもまたそれがオッサンなら、
もう会わなくてもいいような気がしてきた。

だってこれが本当の話なら
僕が会いたかったはずの宇宙人には
もう一応会えたのだから。

たとえそれが期待に反した、
ただの胡散臭いオッサンであったとしてもだ……

ということで、この話少し気になりながらも、
あれ以来僕は友人に連絡をしていない。

《終わり》


犬と暮らしとカヤックと kayaker

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豊浦町でワンコたちと暮らし、たまに海で遊ぶ日常をつづります。

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