心の伊達市民 第一号

ハマナスの咲くころ 

「昼飯は家で食べない」と決めているので、雨の日でも出掛けなければならない。雨の日は足元がグチャグチャになり、本当は出掛けたくないのである。
遠くに行くのは億劫なので、近場で何かを探すことになる。

少し前にマンションの友人が撮影した写真の「雨の中に咲くアガパンサス」がとても綺麗だったので、私もそれを撮ることにした。



マンション3階の人工土壌の庭に咲くアガパンサス。


今の時期はアガパンサスはどこにでも咲いている。
以前は見たことが無かったが、最近は観賞用で人気が出て植える人が増えたのだろう。マンションの庭にも咲いているが、あまり数が多くない。
そこで雨の中をオリンピックの選手村の方に歩いて行った。



雨の中で傘を差して撮影した。


選手村のゲートになる交差点の少し手前の左側に、たくさんの赤い実が見えた。
なんだろうと思い近付いてみたら、驚いたことにハマナスの実だった。「エー!」と思った。
ハマナスは寒冷地の、しかも砂地に育つ植物で、東京で育つはずがないと思ったからである。

でも触ってみたら、枝に棘があるし、葉もハマナスである。
しかもハマナスの木が20本近くもあることから、これは植えたものだと分った。



白い色のアガパンサスは少ない。


私が初めてハマナスを見たのは、もう20年以上も前のことだ。
夏の間は北海道伊達市に滞在していたが、その時に見たのが最初だった。
海岸線の砂地に赤い花が咲いているのを見付けて、地元の人に聞いた。
そしてそれがハマナスの花だと知ったのであった。



ハマナスの実がなっている場所に出会った。


それから注意していると、中には白い花も見ることがあった。
その花が枯れ、私たちが東京に戻る9月になると真っ赤な実を付けるのであった。

私達は「ハマナスの咲く頃に伊達市に行き、ハマナスの実がなる頃に東京に戻る」という生活を10年間続けていたので、ハマナスは私達の生活に密着していたので非常に愛着がある。
更に現在の皇后陛下の雅子さまの「印」は、なんとハマナスである。



水滴が巧く映っていた。


ハマナスが良く見られる場所は、南有珠町の「アリトリ岬」である。
このアリトリ岬を舞台にした小説を書いた人が「加治 将一」で、私は伊達市の友人の紹介で知り合った。彼は北海道出身で、その頃は東京在住だった。
小説の舞台となったアリトリ岬には、小説を記念して看板が立っているはずだった。



Google Lensによると「キクイモ」という花らしい。


そこで著者の加治 将一氏の希望で、私の車で彼をアリトリ岬に案内したことがあった。ところが現地に行ってみたら、その記念看板は朽ち果てて倒れたままになっていた。
私に責任は無いのだが、彼がガッカリしている姿を見るのが辛かった。
ハマナスの咲くアリトリ岬には、私には良い思い出と嫌な思い出の両方があるのである。



「ユリ」


(おまけの話)
「ハマナス」という言葉を初めて知ったのは、森繁久彌が歌って大ヒットした「知床旅情」の歌詞からである。その時は言葉だけで、実際に花を見たことは無かった。
その歌詞の1番は【知床の岬に ハマナスの咲くころ 思い出しておくれ 俺たちのことを 飲んで騒いで 丘にのぼれば 遥か国後の 白夜は明ける】



雨に濡れるハマナスの実。


2番は「旅の情けか 酔うほどに さまよい 浜に出てみれば 月は照る波の上 君を今宵こそ 抱きしめんと 岩陰かげに寄れば ピリカが笑う】
この「ピリカ」というのはなんだか分らなかった。今頃になって調べてみたのだが、これはアイヌ語で「美しい、良い」などの意味だそうで、だからここでは「美しい彼女」であろう。


1ヵ所から3つくらいの実がなるようだ。


3番は【別れの日は来た ラウスの村にも 君は出て行く 峠を越えて 忘れちゃいやだよ 気まぐれカラスさん 私を泣かすな 白いかもめを】
ここに出て来る「ラウス」は現在の「羅臼町」で、知床半島の左側が斜里町で、右側が「羅臼町」である。
知床半島には2度ほど行ったことがあるが、その時は羅臼町が「知床旅情」に登場しているとは知らなかった。



雨が止んだ別の日にも見に行った(枝に棘が見える)

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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

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