心の伊達市民 第一号

皆既月食を撮る 


11月に入ってから、テレビでは盛んに「皆既月食」に付いて報じていた。
「442年ぶり。次回は322年後」と聞けば、「見なけらば!」と思わせられる。
でも私のあやふやな記憶では、「昨年も皆既月食を見たが・・・」であった。

その日が近付いて来て詳しく説明を聞いたら、「皆既月食と天王星食が同時に起きる現象」のことだった。それがどういう意味なのかは、私には良く分からなかった。


我が家の窓から満月が隣のマンションの上に出た。



昼間は出掛けていたので、帰ってから撮影の準備をした。
昨年と同じ豊洲大橋の上での撮影を考えていたが、ネットで調べたら出現方向は「東から東南にかけて」と知った。

また暗くなって来て空を見たら、隣の建設中のマンションの上に満月が出ていた。
そこで豊海大橋は止めて、豊海埠頭の方が良いと考えた。
午後7時16分から月食が始まるようなので、7時過ぎに現地に行くことにした。


皆既月食が始まり中間に達した頃の月。



晴海埠頭は風が強いと思い、寒くないように上下にヒートテックの下着を着けた。
今回は月食の様子を1枚の合成写真にしようと考えて、カメラの「インターバル撮影」の機能を使い、2分毎にシャッターが下りるようにセットした。

その上に午後7時14分からスタートするように、これもセットした。
これが後に大失敗に繋がったのである。


皆既月食が左下から始まった様子(2分に1枚撮影)



豊海埠頭の先端に行ったら、夜釣りをしている男性がいた。
道路には乗用車が駐車していて、中にはカップルがいるようだった。
少し離れた場所には、私と同じようにこの場所で月食を撮影している男がいた。

風はほとんど吹いていないが、そのせいもあり魚臭くて参った。
ここは冷凍倉庫ばかりの場所で、しかも魚ばかり取り扱っているのであるから仕方ない。 


もっと緩やかな角度で月が昇ると思った。



カメラを構えてみたら、月の方向は私の考えているのとは違った。
考えていたより、かなり左の方が下った。

その時、女房からLINEで連絡があった。『家の窓から見えるから、そこには行かない。友人2人が自宅では見えないので、我が家に来ると言っている』と知らせて来た。
私は予想外の方向で焦っていたので、『いまは忙しい!』とだけ返信しておいた。 


  皆既月食が半ばから最終に向かう様子。



午後6時14分からインターバル撮影が始まるようにカメラにセットしておいたのに、時間になってもシャッターが下りない。私は焦った。カメラの時計が変なのか? そもそもカメラのどこに時計があるのかも分からない。

愚痴を言ってもどうにもならないので、仕方なく自分でスマホの時計を見ながら、2分毎にシャッターを押した。2分という時間は「待つと長い」と感じた。スマホは待っていると20秒くらいで消えてしまうのだが、暗い中でしかも焦っているのでスマホのセット変更までは手が回らない。


もうすぐ皆既月食となる(最大のズームで)



撮影した写真を見ると、左の方に固まって小さく写っている。
「これでは駄目だ」と思い、少しズームをして月が大きくなるようにした。
すると月が画面から外れてしまうので、三脚を調整して月が画面に入るようにする。

月食が進むと画像が暗くなるので、感度を上げた。
そんなことを繰り返し、スマホで2分を測り、忙しく慌ただしく撮影は終った。
家に帰ってパソコンに取り込んで画像を見るまで、心配でならなかった。


皆既月食(月の左下にゴミみたいな天王星が見える)



(おまけの話)
せっかく夜の晴海埠頭に来たのだからと思い、東京湾に広がる夜景の写真を撮った。
左の方から晴海埠頭、フジテレビ、お台場、レインボーブリッジ、芝浦方面、竹芝埠頭、汐留のビル街が見える。

この時間は上げ潮なのか、運河を見たら波が押し寄せて来ていた。
向かいの東京消防庁の建物は24時間態勢なのか、いつまでも灯りは消えない。


豊海水産埠頭から「竹芝桟橋」方面を見る。



撮影を終りよろよろと家に帰ったら、まだ女房の友人達がいた。
家ではテレビを付けていて、youtubeで六本木ヒルズの頂上からの皆既月食の映像を流していた。

画面いっぱいの月の映像では、天王星が月の左下にゴミみたいに写っていた。
それが段々と月に近付き、月の中に消えて行くのが見えた。
これが「天王星食」なのだろうか?
いつまで待っても画面は変らないので、部屋の電気を点けて女性達と話をした。


豊海水産埠頭から日の出桟橋方面を見る。



彼女達が帰ったので、先ほど撮影した皆既月食の写真の整理に取り掛かった。
やはり想像したように、映像は画面の左端の方に偏っていた。
これをトリミングして、中央近くに持って来た。

次に連続写真に取り掛かったが、久し振りに「Kikuchimagick」を使ったのでやり方を忘れていた。何度やっても駄目なので諦めて、翌朝に再度やることにして風呂に入って寝た。翌日になった頭が冴えていて、難なく出来たのが今回の写真である。


 豊海水産埠頭からレインボーブリッジを含むパノラマで見る。

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コメント

  1. Shinji

    Shinji

    返信

    むづかしい被写体をよく撮りましたね。しかも、タイミングが非常に限られている状況でのプレッシャーの中でです。

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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

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