
心の伊達市民 第一号
今回は大手町のビル街に鎮座する「将門首塚」を訪ねた。
東京駅丸の内北口からだと、歩いて数分の距離の場所にある。
現地に行ってみると分かるが、「なぜここに?」と全く場違いなものがあると感じる。
私はここへは何回か訪れているが、今回のブログの為に「将門首塚」を詳しく調べてみた。
『将門の祖父は上総国の国司として赴任したが任期後も居座り、武士団を形成し勢力を拡大して行く。しかし将門の父の死をキッカケに相続争いが勃発し、将門は叔父を殺害し、従弟の平貞盛の引渡しを断った常陸国府も攻撃した』
『勢いに乗じて、他の国府にも攻撃を始めた。これが「平将門の乱」で、私事で始まった戦が国家反逆の戦いとなり、その挙句、自らを「新皇」と称して朝廷と対立した』
『戦に敗れた将門の体は、茨城県の延命院に埋葬されたが、首級は平安京に運ばれて都大路の河原にさらされた。しかし無念やるかたない首級は腐らず、目を見開き「胴体と首を繋げてもう一戦しよう!」と夜な夜な叫んでいたと言われる』
『そして3日目に首級は切断された胴体を求めて夜空に舞い上がり、故郷の東国に向って飛んで行き、数か所に落ちたとされる。落ちた最も有名な伝承地が、大手町にある「将門塚」である』
『14世紀初頭、平将門の祟りと言われる疫病が流行した。そこで将門を葬った墳墓「将門の首塚」の近くにあった神田明神が将門の霊を供養したところ、疫病が沈静化したことから神社は平将門を祀ったのである』
『江戸時代は宗敬篤かった将門神であったが、明治7年に明治天皇が行幸する際、天皇が参拝する神社に逆臣が祀られていることはあるまじきこととして祭神から外された』
『一件落着となったが、将門の怨念は後世まで続く。最初は関東大震災で全焼した、大手町の大蔵省庁舎の再建時である。首塚を壊して仮庁舎を建設した僅か2年の間に、大蔵大臣をはじめ関係者14名が亡くなった。それ以外にも多くの怪我人や病人が続出したのである。そこで仮庁舎は取り壊されることになった』
『昭和になると将門を祭神に復帰させる嘆願が起きて、NHK大河ドラマ「風と雲と虹と」が放映される頃には機運が高まり、昭和58年に神田明神では本社復帰が叶った。まさに摂社(支社)から本社への栄転ということになった』
『この経緯から現在ではビジネスマンが「出世のご利益がある」ということで、多くの人が参拝するようになった。新年3日間の参拝者は30万人にもなり、毎年、テレビのニュースで取り上げられている』
『戦後は米軍が首塚を取り壊し始めたら、重機が横転し運転手が亡くなったことから工事は中止となった。更に昭和の高度成長期に首塚の一部が売却され、その場所に建った日本長期信用銀行の首塚に面した行員が次々と病気になる事態が発生し、お祓いをしたそうだ』
これが「将門首塚」の物語である。私が訪ねた日にも、年老いた母と息子が熱心にお参りをしていたが、もしかしたら縁者なのかもしれない。(終り)
(おまけの話)
【南町奉行所跡】
JR有楽町駅の改札を出た近くに「南町奉行所跡」という石碑が立っている。
『南町奉行は1604年の初代・土屋権右衛門重成に始まり、幕末の1868年の佐久間鐇五郎信義まで50人が務めている』
『大岡越前守忠相は1717年の14代目。「遠山の金さん」で知られる遠山景元は北町奉行であったが、天保の改革を断行する水野忠邦と対立し、北町奉行職を失脚してから、改革失敗後に33代南町奉行として返り咲いた』
【北町奉行所跡】
この石碑は東京駅日本橋口近くのビルの陰にあり、かなり分かり難い。
「遠山の金さん」のモデルになった北町奉行の遠山景元は天保の改革に反対して僅か3年で罷免された』
『その後も町民の生活や娯楽を守ったために、「金さん」の芝居が盛んに上演されて人気を博した。後に南町奉行に帰り咲き7年務めたが、南北両方の町奉行を務めるのは異例の事だった。
【鹿鳴館跡】
「鹿鳴館」は明治初期に国際社交場として、現在の帝国ホテルの隣に建てられた。
1879年、井上馨、伊藤博文らと共に、制度・文物・習俗を欧風化して欧米諸国に日本の開花を認めさせ、交渉を促進しようとした。その一環として1883年に上流社会の欧化を図り、外国貴賓の接待・宿泊施設として建設された』
『そこでは園遊会・舞踏会・仮装会などが開催されたが、急速な近代化の歪みも集約されており、仮装舞踏会に典型的に見られる狂的で皮相な欧化熱は世の顰蹙をかって1887年で終りを告げた』。
写真を撮ろうと思い現地に行ってみたら、なんと大規模建替え工事中で見ることは出来なかった。
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。
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10/15(金) アートで楽しむまち歩き!ムロランアートプロジェクト2021
旧市街地のレトロな街並みで知られる室蘭駅周辺で、アートとまち歩きを楽しむイベントが10月9日から始まりました。 ムロランアートプロジェクト(MAP)。 室蘭の歴史的建造物が期間限定のアートギャラリーに大変身!10月31日まで土日限定で観覧できます。 初日の10月9日(土)に遊びに行ってきました。 まずは本部のある旧室蘭駅舎へ。公式パンフレットが配布されています。 この黄色いパンフレットがまち歩き「MAP」として、道案内をしてくれます。 さっそくまち歩きスタート! 旧室蘭駅舎には室蘭出身のアーティスト・中村岳さんのインスタレーションが展示されています。 初日のこの日、公開製作が行われていました。完成まであと少しというところの製作風景です。 明治45年に建造された旧駅舎の構内に、巨大な立体作品が次第に姿を現してきました。 鮮やかな赤茶色が室蘭の工場風景や鉄を彷彿とさせます。ドームのような不思議な形。設計図はなく、インスピレーションで形を作っていくのだそうです。 国内各地で活躍する中村さんですが、出身地の室蘭では今回が初の本格的な製作・展示となります。完成したインスタレーション、ぜひ生でご覧になってみてください。 続いて、千穐萬歳堂(せんしゅうばんぜいどう)へ。 大正14年に建てられた歴史ある倉庫です。入り口から佇まいというか、存在感に圧倒されました。こういう建物が保存されていることもすごいことだなあ、と思います。 中は改修され、ギャラリーとなっています。 1階は室蘭工業大学山田研究室のプロジェクト、2階は川上りえさんの造形作品が展示されています。木骨石造ということで、石の壁と木の骨組みが独特の雰囲気を醸し出していました。建物とアートのコラボレーション!美術館での展示とは全く違う味わいがありますね。 坂をのぼって次の会場へ。 景色を眺めながら気持ちよいまち歩き!会場間が遠すぎず近すぎず、程よい距離でコースが組まれており、お子さんから高齢の方まで、歩きやすいのがポイントです。 旧丸越山口紙店。こちらも大正時代の建造物です。レンガの壁からロマンの香りが漂ってくるよう!ゆっくり眺められるのは徒歩ならではですね。 古い調度品に溶け込むようにして、岩崎麗奈さんの写真作品が展示されていました。作品と建物、どちらも見応えがあります。普段は入ることができない建物だけに内部を見られる貴重な機会でもあります。 途中にカフェや飲食店が多くあるので、ランチやお茶を楽しむのもおすすめです。昔ながらの甘味処として親しまれる「すずや」に立ち寄りました。若者からマダムまで、幅広い年齢層の女性客が甘いものを楽しんでいました。 MAPにもおすすめリストが載っています。 室蘭プリンスホテルでは、10月8日〜10日の3日間限定でMAP連動企画として「中央町懐古展」が開催されました。来場者はホテルのクラシックな雰囲気の中、昔の写真や映像を楽しんできました。 さて、最後は中央町たのしま横丁(大辻医院跡地)へ。 初日のこの日、オープニングイベントとして大黒淳一さんによる音楽ワークショップが開催されました。街の音を録音して、音楽をつくる一日限りのスペシャル企画。地域の子ども達で賑わっていました。 音楽作りの様子。公式Facebookをご覧ください↓↓ ムロランアートプロジェクトは「室蘭の未来地図をつくる」をコンセプトに3カ年開催を予定しています。 プロジェクト代表の荒井純一さんは 「繁華街だった室蘭駅周辺をコンパクトに歩けるルートを制作しました。室蘭は普段気づかないポテンシャルがたくさんある街だと思います。アートや街歩きを通してそれを発見してもらえたらと思います。」 と話していました。 建物、まち歩き、アートと、いろんな切り口からいろんな楽しみ方ができるところが面白いな、と思いました。古い建物と現代アートがお互いに美しさを引き立てあって、新しい街の魅力が生まれ出てくるような、そんなワクワクする気持ちになりました。 芸術の秋、ご家族やお友達と出かけてみませんか。 各会場では入り口で消毒、検温、記名を行い、感染対策に配慮されています。 Muroran Art Project2021 2021年10月9日〜10月31日 土日のみ開催 12:00〜18:00 入場無料 ※MAPは旧室蘭駅舎で配布されるほか、公式HP(https://muroranart.wixsite.com/website)からダウンロードできます。 主 催 / Muroran Art Project 協 力 / 大町商店会、室蘭工業大学山田研究室、蘭歴建見会 後 援 / 室蘭市、室蘭商工会議所、室蘭観光協会、北海道新聞室蘭支社室蘭民報社、FMびゅー 助 成 /北海道開発協会助成事業 会 場・展示アーティスト :旧室蘭駅舎(MAP本部)中村 岳 | 千穐萬歳堂(海岸町3-2-6) 川上りえ 室蘭工業大学 山田研究室 |旧丸越山口紙店(海岸町2-5-8) 岩崎 麗奈 | 中央町たのしま横丁(中央町1-2-7):大黒 淳一 (10.9日のみ) 詳細・最新情報はこちらからどうぞ ムロランアートプロジェクト muroranart.wixsite.com/website Facebook
むしゃなび編集部
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Shinji