心の伊達市民 第一号
いきなり漢文であるが、『子曰、温故而知新、可以為師矣』という言葉がある。
これは「しいわく ふるきをたずねて あたらしきをしれば、もってしたるべし」と読むらしい。
しかしこの年になると「温故知新」ではなく、私は「温故知故」となっている。
その意味は簡単に言ってしまえば、「昔のことをよく学び、古いものの良さを知る」ということになるか? そんな経験を京橋とその隣の銀座1丁目で経験した。
なにで見たのかは忘れたが、京橋に「国立映画アーカイブ」という施設があるのを知った。「国立」ならそれ相応の施設だろうと思いネットで調べてみたら、日本映画の歴史と映像を紹介している立派な施設だった。
そこの常設展では「日本の映画の歴史」で、5万8000枚のポスター、70万5000枚のスチール写真、4万6000冊の映画図書、雑誌、撮影台本、撮影機、映写機、映画プログラムなどの膨大な資料が集められていると分った。
この月は企画展が行なわれていて、「没後10年 映画監督 大島渚」と、映画は「EUフィルムデイズ2023」の上映が行なわれていた。展示の見学は一般は250円、映画は520円であったが、ここでもシニアが優遇されていて、展示は無料、映画は310円だった。
ここでちょっと気になったのが、映画チケットのネット予約である。
私はシニアだから映画は310円であるが、ネットでカード支払いとなる。
310円の支払いで、国立映画アーカイブはVISAに幾らの手数料を払っているのだろう?
展示場のポスターは時代が古過ぎて、私の知らない俳優が多い。
企画展の大島渚監督のコーナーは、とても興味が持てた。
彼は芸術家らしく激しい性格だったようで、33年前にパーティ会場の壇上で酩酊気味の野坂昭如から殴られて、マイクで殴り返したことがあった。
私は当時、この様子をテレビで見て、驚いた覚えがある。
凡人と付き合うのも上手に出来ない私だから、とても芸術家とは付き合えないと思う。でもなぜか伊達市では野田弘志画伯と、大藪雅孝画伯は私に付き合ってくれたのである。
「EUフィルムデイズ2023」は日替わりでヨーロッパの映画を上映するが、私の行った日はハンガリー映画「1人はみんなのために」というドキュメンタリー映画だった。
内容は「オリンピックで3連覇した、ハンガリーのフェンシング選手のドキュメント・フィルム」であったが、上映に先立ちハンガリーの駐日大使夫妻が日本語で舞台挨拶をした。10月10日からは「逝ける映画人を偲んで」という日本映画の上映となるが、また来ても良いと思った。
(注)動画とフラッシュ撮影は禁止
「国立映画アーカイブ」から高速道路下を通り、銀座に戻る。
すると1丁目に古びたビルで、「これぞレトロ!」という感じで観光名所ともなっている「奥野ビル」がある。
奥野ビルは2つのビルが連結されていて、1934年に完成した。完成当時は「銀座アパートメント」という名の集合住宅で、当時としては珍しい鉄筋コンクリート造りの高級アパートだったようだ。現在は賃貸でギャラリーやアンティークの店が入居していて、館内はレトロ感で溢れている。
ドアを開けて中に入ると狭いロビーがあり、真ん中辺りにエレベーターがある。
これは当時から使われているエレベーターで、ドアは乗る人が手で開ける。
その先は階段となっていて、地下もあるようだ。
プライバシーの問題があるのであまり歩き廻れないが、以前にこの中のアトリエで我が家の猫のPC絵画を注文したことがある。1階の右手には古い大きな金庫が置いてあり、テレビ番組の「開かずの金庫」を連想した。レトロ探検は関係者に迷惑を掛けない限り、とても楽しい。
(おまけの話)
奥野ビルを見た後に、銀座の裏通りをブラブラと4丁目のバス停まで歩いて帰った。
キョロキョロしながら歩いていたら、「ハンコ屋」に出会った。
昔は名前を書けば、その横にハンコを要求された。
無くても構わないのに、なんとなく習慣でハンコを要求していた。
よく考えたら「実印」が必要な書類以外は、ハンコは不要ではないかと思う。
ハンコ屋があるということは、まだまだハンコが必要とされているのだろう。
銀座1丁目の高速道路に接するように「銀座湯」という名の銭湯がある。
そもそも「銭湯」という単語は、いまでも生きているのかな?
入口の横の壁には、指名手配の犯人の顔写真が貼り出されている。
きっと指名手配犯人は住所不定で、銭湯に入りに来ることがあるのだろう。
かなり前のことだが、この銀座湯で「落語会」があり中に入ったことがある。
銀座には他には有名な「金春湯」があり、そこでは私はお湯に浸かったこともある。
銀座湯のすぐ近くには「水谷橋公園」という名の中央区立公園がある。
この公園はデモ隊の集合場所であったが、しばらく前にビル建設により6階が屋上公園となった。久し振りにエレベーターで屋上に上がってみたら、サラリーマンが遅い昼食の弁当を食べていた。その片隅の壁に身長を測れる目盛りが付いた壁がある。
私はそこへ立って自撮り写真を撮ったら、178センチを示していた。
『変だなー? 2センチも伸びた!』と思い、後日、巻き尺を持って出掛けて行った。
再度の計測では目盛りは合っていた。なんのことはない、靴を履いていたから背が伸びたように見えたのである。
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。
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