【靖国神社の例大祭】
4月21~23日まで、靖国神社で春の例大祭が行なわれた。
私の近い親戚で第二次世界大戦で戦死した者はいないが、特に予定も無かったので出掛けて行った。22日(月)は当日祭で、皇居から天皇陛下の使いの勅使が参向し、供物を届ける儀式がある。

それを見るために、10時前に靖国神社に着くように家を出た。
都営地下鉄の大江戸線を森下駅で、新宿線に乗り換えて約40分で行ける。


「神門」(靖国神社)



例大祭は神社の行事で奥の本殿で行われるので、一般人には何も見えない。
しかし午前10時30分に天皇陛下の勅使が参向し、古式豊かな装束で拝殿に進む姿は見ることが出来る。それを見るために、大勢の人達が参道を埋めるのである。

この日は朝から小雨模様で中止はないだろうが、どうするのかと思った。
現地では遺族関係者らしき男女が、参道に礼服で待ち構えている。
さすがに女性は傘を差していたが、男性は傘も差さずに立っていた。


神官が「斎館」から出て来た。



10時になって、参道から神門を通過して乗用車がやって来るのが見えた。
この車に天皇陛下の勅使と供物が乗っている。
10時30分までしばらく時間があるので、神楽殿で「護身術」の演技を見た。

時間になり神官を先頭に勅使たちの行列が、「斎館」という控えの建物から出て来た。
神官たちが勅使に傘を差し掛けて、一緒にこちらの進んで来た。


小雨の降る中を関係者が整列して勅使を待つ。



この頃になり運良く小雨もほとんど止み、勅使は神官の差し掛ける傘と共に拝殿に向って行った。神官は白装束で、5人の勅使は色付きである。勅使は供物の入った箱を2人で担いで進む。静寂の中を、木靴の音だけが響く。平安絵巻を見ているようだ。

一行は私の目の前を通り過ぎて、拝殿に向かう。
夢中で写真を撮っていたので、アッという間のイベントだった。
外国人観光客も、思い掛けないイベントを見られたという雰囲気だった。


 天皇陛下の勅使が「斎館」を出る。



21日朝のNHKニュースでは、岸田総理大臣が靖国神社の例大祭に際して『内閣総理大臣 岸田文雄を記した木札を添えて、真榊の鉢植えを奉納した。韓国からは批判があった』と報じていた。相も変らずこんなことがニュースになる。

日本でいつまでもニュースで取り上げるから、韓国も仕方なく『なにか言わなきゃ!』となるのではないか? もういい加減に、『誰が靖国神社に参拝した』などというニュースは止めにして欲しいと思った。


勅使が私の正面にやって来た。



そのTVニュースを見て思い出した。
かなり前のことだが、私が所属していたロータリークラブでのことである。
韓国から日本の大学に留学して来た女性留学生を、4年間面倒をみていた。
彼女が大学を卒業して帰国することになり、クラブでお礼の挨拶をした。

その時の言葉に驚くと同時に、悲しくなった。
『4年間を日本で過ごし、とても良くして頂いた。みんな親切だし、良い国だった。でも韓国に帰り「日本は良かった」と言えない。もし私がそう言ったら、仲間外れになる。それが悲しいです』。


勅使が参道に出る。



神聖な行事を見ていたので、後で色々と考えることになったり、調べたりした。
2015年の日韓外相会談で慰安婦問題の解決合意の後、官邸で安倍首相は次のように語った。『私たちの子や孫、その先の世代の子供たちに謝罪し続ける宿命を背負わせるわけにはいかない。今回、その決意を実行に移すための合意でした』

『この問題を次の世代に決して引き継がせてはならない。最終的、不可逆的な解決を70年目の節目にすることができた。今を生きる世代の責任を果たすことができたと考えています』。
靖国神社に行く度に、色々なことが思い出されるのである。


 勅使は参道から「拝殿」に向かう。



(おまけの話)【銀杏の花】
少し前のブログで私の早とちりで、銀杏の花を間違えて載せてしまった。
そこで今回は仕切り直しで、正しい銀杏の花を紹介したい。
東京駅丸の内側の行幸道路の両側には、銀杏並木がある。

ここで花の写真を撮れば、これは間違いないと思って出掛けて行った。
でもこの撮影が、予想外に難しかった。


銀杏の雄花



銀杏の花は見たことが無かったので、形も大きさも知らない。
そこでネットで調べたら、葉が出る時期に一緒に花も咲くと知った。
銀杏の木には「雄雌」があるのは知られているが、私は花が咲くのは雌の木だと思っていた。ところが実際には雄雌両方ともに、形は違うが花が咲くのであった。

雄花は長く垂れ下がった房状で、いかにも花という感じがする。しかし雌花の花は若葉の根元から、小さな突起状のものが上に向かってい出ているだけで見付けるのが難しい。


銀杏の雌花



銀杏の木は大木なので、上から見ることが出来ない。
いくら探しても見付けられないので諦めようかと思った時に、急に思い出したことがある。靖国神社の入口左側に雌の木があり、秋にはギンナンがたわわに実る。そこには靖国通りを渡る横断歩道橋がある。

横断歩道橋からなら、銀杏の木を上から見られる。
そして見に行った。やっと見付けたのだが、今年は大雨と強風で花がほとんど落ちてしまっていた。秋にはあまりギンナンが生らないかもしれない。


地面に落ちた雄花の絨毯(靖国神社)


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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

コメント

  1. Shinji
    Shinji
    返信

    銀杏の木の花、詳細に観察。植物学的アプローチ!に拍手。

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