心の伊達市民 第一号

皇居東御苑を歩く

皇居のお濠でイベントがあると知った。
その名は「皇居外濠での泥と生きもの採取~濠プロジェクト~」である。
このイベントはネットを見ると、「皇居のお濠の貴重な水草に着目した取り組みである「濠プロジェクトでは、かってお濠に生息し、現在は消失してしまった水草の系統保存と、泥に種が眠っている可能性のある水草の復元に挑戦しています」。


 和田濠の白鳥



「今年も皇居外苑と大丸有エリアの生物多様性について学び、考えることを目的に、実際にお濠に入って泥と生きものの採取、観察をします。今年も採取した泥から絶滅したと考えられている水草が復活するかもしれません」とあった。

そこで暇人の私は都バスで東京駅に出て、そこから歩いて目的地に向かった。
「10時45分開始」とHPで案内していたが、時間になっても始まらない。
係員が2人いるので「やるだろう」と思い、少し離れた日陰で待った。


お濠に入る「濠プロジェクト」のメンバー



11時過ぎにオレンジ色のライフジャケットを身に付けた、20人くらいの集団が現れた。
係員が説明しているのか、なかなかお濠に入らない。
やっと入ったのが見えたが、誰も岸辺から離れない。

お濠の深さは大人の胸くらいまである。岸を離れると、もっと深くなるのかもしれない。遠くの日影から見ているだけは、面白くもなんともない。
そこで少し先の北桔門から、「皇居東御苑」に入ることにした。


いつまで待っても同じ場所から動かない



(おまけの話)
今年のお濠は暑さのせいか、水面を覆う水草が多いように感じる。
わずかに開いた水面に、石垣の模様が映っている。とても綺麗だ。
皇居マラソンをしているランナーが、私を追い越して行く。
こんな暑い日に、仕事じゃないのにご苦労なことである。

これは「ランニング依存症」のようで、「モチベーションを高めてくれるように思えるが、実際は心身に多大な負担を強いる」という説もある。私は歩くだけで大変なのに、こんな暑い日にとても走れない。


江戸城の石垣が水面に映り美しい



門を入ると「梅林坂」に差し掛かる。
道路の両側が梅林で上り坂である。梅の季節に来たことがないが、綺麗だと思う。
坂を上り切ると「天守台」が目の前に迫る。

資料によると、「寛永の天守閣は1657年の火災で焼け落ち、翌年に加賀藩前田家の普請により高さ18mの花崗岩でできた天守台が築かれた。これが現在に残る天守台である。四代将軍家綱の叔父である保科正之の提案で、天守閣は再建されることはなかった」。


北桔門から入る



北桔門では入口で皇宮警察官による、手荷物検査がある。
多くの外国人観光客は東京駅から歩いて来るので、1つ手前の平川門から入る。
私は「濠プロジェクト」を見た後なので、北桔門の方が近かっただけである。

ここから入城する外国人観光客は少ないので、手荷物検査で待たされることはない。
でもなぜか欧米人ばかりで、アジア系の人はいないが、彼等は文化に対する興味が違うのかもしれない。



天守台には何度も上ったことがあるので、暑いこともありパスする。
天守台の前は、大きく開けていて、芝生とクローバーが植えられている。
陽気の良い時は、ここで大勢の人達が寛ぐのだが、32度を越える暑さでは誰もいない。
右手の竹林が続く道を、みんな暑さを避けて歩いて行く。

竹林に色々な竹が植えられていて、名札が付いている。それはキンメイモウソウ、キンメイチク、オウゴンチク、スホウチク、ホウショウチク、ラッキョウヤタケ、シホウチク、カンザンチクで、初めて知る名前ばかりだ。


 天守台の前の広場



外国人観光客にも、色々な国の人達がいるようだ。
気の毒なのはイスラム圏からの観光客だ。頭からスッポリとスカーフを被り、顔だけ出している。「熱中症にならないか?」と心配するが、意外と涼しそうな顔をしている。

たまに見掛けるのだが、下着のようなシャツ、へそ出し、ショートパンツ、入れ墨の女性がいる。ただの観光地じゃなく皇居に入るのだから、入口で「ドレスコード」を制定して入場拒否をした方が良いが、どうか?


見学者はほとんど欧米人ばかり



竹林の反対側には、小さな建物がある。
そこには江戸城の天守閣の模型が展示してある。
天守台前の広場が広すぎて、反対側に行く観光客は少ない。
だからここに天守閣の模型があるのを知らないのだろう。

門の入口でも、御苑内の案内パンフレットは配布していない。
ところどころに英文の説明書きもあるが、それはそこに行った場合の説明である。
せっかく来てくれたのだから、パンフレットくらい作った方が良い。


天守閣の模型展示



出口の平川門に近付くと、果樹園がある。
この果樹園は現在の上皇陛下が『江戸城の跡である皇居東御苑に江戸時代の品種である果樹を植えれば、訪れる人々にとっても興味深いことではないか』と考えて、果樹古品種を植栽したのである。

ここは今の時期は知らずにパスする人が多いが、秋の実の生る季節には多くの人が立ち寄っている。植えられているのは、古品種の「リンゴ」、「柿」、「柑橘類」である。
私はここも見て、暑さでヨロヨロとしながら、平川門から外に出た。


「高坂リンゴ」(果樹古品種園)

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コメント

    Shinji

    Shinji

     和田濠の白鳥の写真ですが、白い線がいくつも揺れているように見えますが、あれはなんなのでしょうか?幻想的な図です。

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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

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