心の伊達市民 第一号

写真で見る東京(94)・・・フラワーカーペット

2年ぶりに「東京インフィオラータ 2025」が開催されると知った。
「インフィオラータ」というのはイタリア語で「infiorata」と書き、「花を撒く」という意味だそうだ。

これを更に調べてみたら、「花びらや砂絵など、自然の素材を用いて、大地をキャンバスに1つの大きな絵や模様を描く、参加型アートイベントです。17世紀にイタリアでキリスト教の催事から始まり、ヨーロッパ、中南米、アジアなどに広がり、日本では2001年より各地で開催されるようになりました」とあった。


赤坂見附の「弁慶濠」から見た「東京ガーデンテラス紀尾井町」



主催者側の説明では「東京で世界に誇れる文化を育てることを目的に、都内の4会場で3月14日(金)~4月21日(月)まで開催」される。今年のテーマは「花でつながる人、未来」だそうで、花絵柄は「歌舞伎」である。

NHK大河ドラマの「べらぼう」の影響を受けたのか、今年は浮世絵の題材のイベントが多いような気がする。どんな作品か? 見に行く前から楽しみだ。


 「東京ガーデンテラス紀尾井町」の前庭



【フラワーカーペット】(東京ガーデンテラス紀尾井町)4月10日~13日
私は今回、2ヵ所のフラワーカーペットを見に行った。最初は4月10日の「東京ガーデンテラス紀尾井町」である。

「紀尾井町」と言えば「江戸の中心地」で、その名は「紀州徳川家、尾張徳川家、彦根井伊家などが並んでいた武家町で、各家から1文字ずつ取って町名となった。「東京ガーデンテラス紀尾井町」は以前に赤坂プリンスホテルのあった場所である。

いつもは完成したところを見ているが、今回は準備段階も見ることにした。
花びらを並べるのは、募集したボランティアである。


  階段の上から見た「紀尾井町花絵巻」の展示会場



作業開始は10時30分からなので、11時過ぎに現場に行ってみた
1階の広場に敷かれた絵の上に乗り、ボランティアの人達が花びらを絵の上に乗せていた。細かい作業なので、かなり神経を使いそうだ。

私が見ていたら、係の人から『やってみませんか?』と誘われたが、高齢者には無理なようなので辞退した。少し離れた場所で待機して、時々、様子を見に行ったが、なかなか進まない。

昼になったので、私は「赤坂みずじ通り」でランチを食べて戻ったら、彼女達は休まず作業を続けていた。この様子では完成はまだまだ時間が掛ると感じたので、翌日に完成図を見に来ることにして、この日は家に戻った。


「紀尾井町花絵巻」の準備作業中



翌日は夕方から雷雨の天気予報が出ていたので、午前中の早い時間に完成したフラワーカーペットを見に行った。
同じところに2日続けて行くことは滅多に無いが、この日だけは特別だった。
現地に行くと2人の女性が長い棒を持って、前夜の内に乱れてしまった絵の部分を手直ししていた。

通勤時間がとっくに過ぎていたので、フラワーカーペットを見る人もほとんどいない。
写真を撮るには好都合だった。今回のテーマの花絵柄は「歌舞伎」なので、これは花魁か? この制作にはかなりの時間を要しているのに、4日間の展示で壊してしまうのはもったいない。


 「フラワーカーペット」の完成(4月11日)



(おまけの話)【フラワーカーペット】(東京駅丸の内行幸通り)4月19日~21日
東京駅丸の内行幸通りでも「フラワーカーペット」を行っているので、この時も準備から見に行った。

ここは場所が広いので、5作品が制作される。メインとなる作品は歌川国貞が描いた「梨園侠客伝ぬれ髪蝶五郎 中むら芝翫」で、他に「鑑絵」シリーズから5作品が制作された。作業開始時間は午前10時なので、午後から見に行って来た。


 「行幸通り」に並んだフラワーカーペット



会場ではほとんどの作品が50%も出来上っていない。ボランティアの人達はランチに行っているようだ。予想に反して「歌舞伎」の作品だけでなく、都立高校の生徒の作品のフラワーカーペットも7作品出ていた。歌舞伎絵は5作品の他に、大きなものが別にあった。

しかしロープが張ってあるので、中に入れない。
だから撮影した写真はロープの外からなので、横から見た絵になってしまった。
係員がいたので聞いてみた。『何時からオープンセレモニーは始まるのですか?』
答えは『16時から』と言うので、待ち時間が長いので、この日はこれで帰ることにした。


 準備中のフラワーカーペット「坂東彦三郎」



21日に完成作品の写真を撮るために、再度、午前中に東京駅まで出掛けて行った。
午後からはマンションの友人達とカラオケをやる約束になっているからだ。
この日はイベントの最終日であるが、たった3日間の展示ではもったいないと思うが花が持たないのであろう。

フラワーカーペットは完成していたが、見物客がかなり少ない。
サラリーマンは仕事中だから分かるが、観光客がほとんどいない。
その理由は皇居に向かう観光客は行幸通りを通らずに、両サイドの歩道を歩くから気が付かないのだ。


 「梨園侠客伝ぬれ髪蝶五郎 中むら芝翫」(歌川国貞)



フラワーカーペットは地面に描かれているので、遠くからは何も見えない。
近寄ると、その素晴らしさに気が付くのである。勿体ないなーと思った。

東京駅に一番近い場所に、メインのフラワーカーペットがある。
他のものより一回り大きい「梨園侠客伝」で、歌川国貞の作である。
私は歌舞伎や浮世絵に詳しくないので解説は出来ないが、係員からもらったパンフレットに書いてあった。 


 「坂東彦三郎」



このフラワーカーペットは、私の思っていたものと少し違う。
素晴らしいことは間違いないのだが、下絵が目立ち過ぎて花があまり目に入らない。
この日の気温は25度だったので、炎天下では花びらはすぐ枯れてしまいそうだ。
歌舞伎役者の絵は大が1枚、中が5枚で見応えがあった。作者はどれも歌川国貞である。

役者は時計回りに「杉酒屋嬢お三輪」、「梶原平三景時」、「坂東三津五郎」、「小山田嬢おたカ」である。たった3日間のアートで勿体ないと感じたが、それがこのフラワーカーペットの「儚なさ」、「ものの哀れ」を感じる良さなのかもしれないと思った。


「小山田嬢おたカ」、「梶原平三景時」、 「坂東三津五郎」、 「杉酒屋嬢お三輪」

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コメント

  1. Shinji

    Shinji

    返信

    フラワーカーペットは労多くして報酬少なし、ですね。この場合、報酬というのは、観客動員数、お客さんに喜んでもらえる指数です。天候のリスクも大きすぎて、なんだか製作者達に気の毒な感じです。

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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

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