心の伊達市民 第一号

小さな旅(10)・・・JR高架下

私には見慣れた場所だが、足腰が弱った友人の為に、JR高架下の「小さな旅」をした。
場所は有楽町から新橋の間で、要するに線路の下の話である。
都心部は踏切を作らないために、線路が高架になっているところが多い。
平地に踏切があったら交通渋滞で、相当な経済的な損失になっているはずだ。


 数寄屋橋から日比谷へ抜ける高架下のトンネル



今回のスタート地点は有楽町駅から晴海通りを渡った、新橋寄りにあるトンネルからである。トンネルを潜れば日比谷ミッドタウンがあり、TOHOシネマに行く時はここを通る。
トンネルの左手の薄暗い路地を入り少し進むと、急にギンギラギンな場所になる。

ここは高架下で太陽の光が届かないので、昼間から明る過ぎるのである。
酒を飲まない私は、いつもここは遠慮がちに歩いて行く。


 昼間から明るい「有楽町産直横丁」の居酒屋街



昼間はランチをやっているが、あまりお客を見掛けない。
サラリーマン達は、昼間からギンギラギンで、入り難いのかもしれない。
それとも夜に飲みに来るので、昼間はパスなのかもしれない。

1日に2回も同じ店に来たくないのだろう。
この通路を抜けて振り返ると、「有楽町産直横丁」の派手な看板が見える。


 「有楽町産直横丁」



その先の道路は、日比谷公園正面から帝国ホテルの横を通り銀座に至る道である。
道を渡ると、次の高架下街が始まる。
帝国ホテルに近いせいか、ここは急に品が良い場所になる。

高架下街の名は「OKUROJI」である。商店も飲食店も、値段は高い。
通り抜けた「有楽町産直横丁」のお客とは、全く客層が違う。   


 「OKUROJI」



照明も落とし気味で、静かな雰囲気である。
飲食店のメニューを見たら、ランチで来るような店はない。
まだ新鮮なカップルが、気取って来るような店が多いように感じる。

道路を1本、渡っただけなのに、こんなに違うとは面白い。
「OKUROJI」の商店街の長さは、約400メートルである。


「OKUROJI」



「OKUROJI」を抜けて次の道路を渡ると、今度は「銀座裏コリドー」である。
ここは飲食店ばかりであるが、「有楽町産直横丁」より少し高級だ。
照明も落とし気味で、ところどころで上方から「URACORI」と地面に照射している。
もう有楽町より新橋に近いので、夜はサラリーマンで賑わうのだろう。


「銀座裏コリドー」



値段が安い店も多く、「ハイボール 199円」、「生ビール 299円」という看板が見えた。こちらの高架下街の長さは140メートルである。店を覗いて見たら、昼間は営業をしていないようだった。この通路を通り抜ける人もほとんどいないが、通る理由もないのだろう。

そこを通り抜けると道路を渡り、その先にはあまり入りたくない「新橋ガード下横丁」がある。今回の私はそこをパスして、「ここまで」とした。


 「銀座裏コリドー」



(おまけの話)
「銀座裏コリドー」を抜けて道路を左に行くと、すぐ右手の角に「鯛焼き屋」がある。
疲れたので甘いものを食べたくなり、鯛焼き屋「神田達磨」に入った。
鯛焼きは1匹280円で、焼き上がるまで少し待った。白人の男性2人が私の前で、焼き上がるのを待っていた。

ここの鯛焼きは「羽付き」が売りものなのだが、私は羽付きはあまり好まない。
神田達磨は「羽付き鯛焼き」の元祖だそうだ。


羽付き鯛焼き(280円)



鯛焼きを食べ終り、また有楽町に戻ることにした。
今回はガード下を通らず、「コリドー」を通って戻った。
コリドーは「corridor」と書きフランス語に由来していて、その意味は「廊下」である。

JR下のコリドーは「裏」であるが、表通りは「コリドー」である。
「裏コリドー」と背中合わせで接しているが、わずかに高架下ではない。
この通りはユニークな飲食店が多いので、若者に人気がある。


 「コリドー」の飲食街



コリドーには画廊が2軒ほどあるが、他はほとんどが飲食店である。
向かい側にも多くの飲食店があり、私は2軒ほどは入ったことがある。
ユニークな店の中でも特にユニークなのが、「近畿大学水産研究所」のレストランである。この店は日本で最初に「完全養殖」のクロマグロを食べることが出来た。

現在でも食べられるが、これは近畿大学の研究成果である。
・・・というわけで、「JR高架下」の「小さな旅」でした。


「近畿大学」の経営している店「近畿大学水産研究所」

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コメント

  1. サラリーマン(Y)

    サラリーマン(Y)

    返信

    日本人特有の風物なのだろうか?夜な夜な連れ立って飲み屋街に繰り出すサラリーマン諸氏は! 寒いカウンターに座り、延々と愚痴やうわさ話に興じて時間を過ごしているのは! 
    美味い酒を飲むには、暖かい静かな雰囲気の良い店で隣に美女?を座らせてゆっくりと楽しみたいものである!と夢見る老人である。

  2. Shinji

    Shinji

    返信

    あのあたり、よく観察してレポートしてくれました。いつも急いで通り過ぎてしまうので、それぞれの違いがわかりませんでしたが、これで、ああそうなのか、です。次回東京を訪問するときは、是非自分で歩き比較してみたいです。

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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

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