心の伊達市民 第一号

鉄道開通150年(その2)・・・上野駅 


「鉄道開通150年」の(その2)である。
新聞か地下鉄の広告で見たのだが、JR上野駅中央口改札外グランド・コンコースで「交通総合文化展」が開催されていた。この文化展は1954年にスタートして、今回で69周年となるそうだ。そして今回は10月14日の「鉄道開通150年」を記念して、鉄道の日実行委員会と共催で開催している。


JR上野駅の中央改札口



そこで「どんなものか?」と思い、出掛けて行った。
上野は「アメ横」、「上野公園」、「不忍池」、「メガネ屋」、「多慶屋」などがあるので、時々行っている。
しかし「上野駅」には、用事が無いので行かない。何年も行っていないと思う。

私の記憶では中学生から高校生の時に掛けて、冬休みになると上野駅から上越線に乗って「越後中里」、「越後湯沢」、「石打」などにスキーに行った時に「上野駅」から夜行列車に乗った覚えがある。


中央口を出たところに会場が作られていた。



私の思っていた「上野駅」は、「東北からの出稼ぎ」、「集団就職」などである。
歌謡曲で島倉千代子が歌って大ヒットした、東京案内のような演歌の「東京だヨ おっ母さん」も、「おっ母さん」は上野駅に着いたのだろうと思う。

それが私はなん十年かぶりに、上野駅に行ってみて驚いた。
全く「東北」を感じさせないのだ。天井は高く、壁にはステンドグラス、周りにはお洒落なお店である。そしてその中央に「交通総合文化展」の会場があった。


 「150年後もお待ちしています」と言われてもなー。



展示物は特に「鉄道開業150年」は意識していないようで、「写真部門」、「俳句部門」、「日本画」、「洋画」、「書」などで構成されていた。私は鉄道に関係する絵画や写真が出ていると思っていたので、少し期待外れだった。

わざわざ行ったので、一応は全ての作品を見た。その中では「俳句部門」に興味が沸いた。その理由は俳句に「英語俳句」が付いていたからだ。


出展作品は会場の中にも外にも。



受賞作品の中から、「日本交通文化協会理事長賞」を受賞した俳句を紹介したい。

*『自由たのしみ 平和かみしめ 夏の旅』
英語俳句では『enjoying freedom  savoring peace  a summer trip』であった。
いまのウクライナとロシアの問題を想起させる俳句だった。
ロサンゼルスに住む親戚のIさんは英語俳句をやっているので、これを評価して欲しい。


 「俳句部門」の優秀作品



(おまけの話)
上野駅まで行ったので、不忍池の様子を見に行った。
駅を出て京成電鉄上野駅の横の石段を上り、また次の石段を登ると、西郷隆盛像がある。像の前では観光客がガイドの説明を受けていた。

私は更に進み清水観音堂の横の石段を下りて、道路を渡ると弁天堂の正面に出る。
いつもはこの弁天堂を池の反対側から見ているのであるが、今回はお参りもした。


 弁天堂の手水は龍の口から水が出ている(モミジは造花)



弁天堂は不忍池の中に盛り土をして建てられていて、右側が「鵜の池」で、左側が「不忍池」となっている。そこを通り過ぎると、春なら見事な桜並木となる遊歩道の右側は「ボート池」になっている。

池の鴨が泳いで私の後に付いて来たように感じたが、偶然かもしれない。
道路にはお揃いの黄色のチョッキを着た母親たちが立っていて、子供達のマラソンの交通整理をしていた。


「ボート池」の鴨たち。



ここで「不忍池」の歴史を調べてみた。
いつものようにネット情報であるが、『かってここは東京湾の入江であったが、平安時代頃に入江が後退した際に取り残されて池となったとされる。

上野寛永寺創建の際、寺の山号を比叡山にならって東叡山としたことに因み、この池を琵琶湖に見立てて、竹生島(ちくぶじま)になぞらえた中島を築造し弁天堂を創設した』とあった。


木道の手すりから逃げたスズメが蓮の葉の上に止まった。



遊歩道を突き当りまで行き、左の不忍池に沿って歩いて行った。
今度は黄色いベスト姿の男の集団が、箒と大きな袋を持って休んでいた。
ハッキリは分からないが区役所職員のような1人の男がいるところを見ると、失業対策の仕事かもしれない。

上野公園にある東京都美術館の裏で時々、見掛けるが、キリスト教関係の人達が「炊き出し」をしている。ただし食事を配る前に、ホームレスたちは嫌でも牧師の説教を聞かなければならないのが、見ていて可笑しい。


枯れた花托がシャワーヘッドのように見えた。



弁天堂が正面に見える場所には、池に張り出した木道がある。
私はここが好きで、いつもゆっくりと蓮の様子を見て廻る。
いまは蓮の花も終り、花托も枯れている。

所々にスッと立つ枯れた花托を見ると、私には穴の大きなシャワーヘッドのように見えてしまう。
そして一人で小さな声で笑っている。他の人には「そうは見えない」かもしれない。
この日は暖かい日だったせいか散歩する人も多かったが、間もなく閑散となる日も近い。


 枯れた花托の向こうに「弁天堂」が見える。

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コメント

  1. Shinji

    Shinji

    返信

    私もいつもシャワーヘッドだと思ってみています。あるいは、1930年代のマイクロフォン。ラジオ放送のスタジオでは、こんなマイクを使ってたんじゃないか?
    上野は不思議な街です。アメ横のような戦後を感じさせるような庶民の商売根性丸出しがあったかと思うと、東京文化会館のような超一流コンサートホールや美術館もあり、歴史のある古いお寺や神社もあり、はたまた、不忍池では広々とした景観も楽しめる、、と盛りだくさんです。

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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

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