心の伊達市民 第一号
50年前を振り返る
ブログ閉鎖中の話題(2014年4月24日)
女房が棚を整理していたら、思い掛けない物が出て来た。
それは私が50年前にニューヨークの本屋で買った絵本である。
絵本といっても子供用ではなく、大人が十分に楽しめるニューヨーク・ガイドである。この絵本に出て来る光景は、その頃のニューヨークをよく表している。
今では私の宝物である。
「This is New York」。買った値段は分らないが、もしかして「お宝かも?」。
タイトルは「This is New York 」というもので、パラパラとめくったら懐かしさがこみ上げて来た。
50年前のことだが、私はNY世界博覧会の日本館の従業員として、大勢の仲間と一緒に生れて初めて外国へ行った。そこから私の外国好きが始まったのであるから、ニューヨークはその記念すべきスタートの地である。
「タイムズ・スクエア」
「10年ひと昔」という言葉があるが、50年と言えば「いつ昔」となるのだろうか? まだ22歳で大学を出た春で、世の中のことなど何も分っていなかった。「外国へ行きたい」という理由だけで、NY博の募集に応募した。
私の周りの友人達には、外国へ行きたいと考えている男は誰もいなかった。
「救世軍」の募金活動。
当時はまだ渡航が自由化されていなかったので、なんとかこのチャンスをモノにしたかった。後から仲間に聞いたところによると、合格の倍率は90倍を超えていたそうだ。
こんな倍率の試験に受かったことは後にも先もないのだから、私の合格は「間違い」だったのかもしれない。
Pizza屋の店頭で。 今も変りなくやっている。
NYでの仕事は劇場付レストランでウェイターの下働きであった。
この職種はアメリカだけにあり「BUSBOY」といい、お客の帰った後にテーブルから皿などを片付けるだけの仕事である。
そんなことは一向に気にならず、憧れのNYで青春を謳歌したのである。
その年はケネディ大統領が暗殺された翌年で、アメリカは悲しみに沈んでいたのだろうが私の周りではそんな感じは受けなかった。
屋台のランチ売り。 今はもう少し大型になった。
住まいは地下鉄とバスに乗り30分くらいの距離だった。部屋は2部屋続きで6人で住み、自炊をしていた。今になり日本風に考えると凄いアパートで、玄関はオートロック式でインターホンを押して鍵を開けてもらった。
レストラン業は早番と遅番があり、早番の翌週は遅番になり時間が十分にある。
だから早番の最後の日は、1泊で必ずどこかへ出掛けた。
グレイハウンド・バスという会社が全国にバスを走らせていて、料金が非常に安かった。それに乗って友人達とアチコチに遊びに行った。
五番街を行く衣料品の運び屋。 後ろのテールフィン(尾ひれ)付の車が懐かしい。
今になってこの絵本を見ると、あの頃のニューヨークと今のニューヨークが見た目はあまり変りがないことに驚く。
あの時の強烈な体験が今になっても思い出されて来て、「またあの時代に戻りたい」と思う今日この頃であるが、5月にはNY博50周年の同窓会が計画されている。昔の仲間に会えるのが、今から楽しみである。
駅の靴磨き。
(おまけの話)
私の50年前の体験と同じように、今はベトナムから実習生が日本へ来ている。
そんな彼女達が50年先に日本で体験したことが良い思い出になるように、私は残り少ない時間を彼女達の為に使いたいと思っている。
そして日本での経験が彼女達の人生を開くこと願っている。
ベトナムから日本へ実習生として来ている人達10人と、私は連絡を取り合っている。インターネットでメールを送信して来る人、手紙で連絡して来る人、携帯電話にショート・メールを送って来る人など様々である。
今は彼女達の文章を正しい日本語に直してあげるのが、今の私の日課となっている。
郵便ポスト。 今でもあまり変らない。
また、ベトナムは28年前のドイモイ政策により社会主義でありながら、経済は資本主義を取り入れた。その為に人々は拝金主義になっているように私には感じられる。多くの実習生も「日本に出稼ぎに来ている」という気持ちが強い。
自動販売機。 あの頃に、既に証明写真撮影もあったとは驚きである。
私は彼女達の将来を心配し、帰国後に良い仕事に就いて希望のある人生を送って欲しいと願い、その為に日本にいる間に何をすべきかをアドバイスしている。そんなことを教えてくれる人はベトナムにも日本にもいないようで、私は非常に感謝されている。
「もう一度生まれ変わったら、何をしたいですか?」という問いがある。
私は迷うことなく、『東南アジアで、現地の人に喜ばれるビジネスをしたい』と答える。
ブルックリン・ブリッジ。 マンハッタンとブルックリン地区を結んでいる。
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。
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