浅草七福神を巡る（2日目）　

5月7日に政府は緊急事態宣言の、5月末までの延長を発表した。
これで今まで頑張って来た飲食店などは、最後のダメ押しをされたようなものだ。閉店、廃業、倒産が増えるだろうと思い、悲しい気持ちになる。
そこで働いていた人達はすぐに生活にも困るのではないだろうか？

観光客も戻りつつあり、人力車も商売になりそうだ。

暗い気持ちになっているが、それでも「浅草七福神」の残りの4社に行くことにした。残る4社の中で一番遠いのが石浜神社である。
私はここは「浅草と言ってはいけない」と思う。
なぜなら石浜神社だけが台東区ではなく、荒川区にあるからだ。
「石浜神社が浅草七福神に入ってしまった理由、なぜ九社になったのか？」を知りたい。

「石浜神社」（寿老神）

色々と疑問はあるが、とりあえず石浜神社に向かうことにした。
地図を見たら、石浜神社まで歩くのは距離からして少し億劫になった。
そこでバス路線を調べたら、浅草から南千住三丁目バス停で降りれば近いと分った。浅草六区にある中華料理屋で、ラーメンを食べてからバスに乗った。

本殿の前に巨大な獅子頭があった（石浜神社）

「南千住三丁目」でバスを降りた。そこから歩いて5分で「石浜神社」に到着した。神社の場所は隅田川の土手からすぐで、開けた場所で気持ちが良い。
しかもこの神社は想定外の立派な神社で、私は少し驚いた。

今回の「浅草七福神巡り」の9か所の中で、初めて来たのはこの石浜神社だけだった。神社のホームページを見たら非常に由緒のある神社で、1297年の歴史があるそうだ。

「橋場不動尊」は小さいが、由緒はありそうな雰囲気だった。

広い境内には茶屋があり、お団子が名物と幟が風にそよいでいた。
ここで休むのは早過ぎるので、先に進む。
5分ほど歩くと、右手の路地の突き当りに「橋場不動尊」が見えた。
立派な石浜神社の次だったので、境内も狭くその差を感じる。
お賽銭を奮発して、先を急ぐ。

お参りに来る人が絶えない橋場不動尊（不動明王）

次は「今戸神社」だが、かなり距離がある。
今までに2度ほど来たことがあるのに、道に迷って同じ場所をグルグル回った。
「逆方向から来るのが初めてだったからだ」と自分に言い訳をする。

境内にはネコのカップル絵馬が至る所にあるし、猫の石像はあるし、社務所にはネコグッズが氾濫している。この神社は「招き猫の発生の地」と言われているが、そんなことはない。

今戸神社（福禄寿）にお参りするのは若い女性ばかり

ネット情報でも「古文献には招き猫発祥と今戸神社の記録や言い伝えは確認されていない」とある。私の思う発祥の地は世田谷の豪徳寺である。
いずれにしても今戸神社が若い女性の間で人気となり、今では縁結びの神社として賑わっている。

この日も緊急事態宣言下なのに若い女性で溢れていて、良い縁を求めて若い女性がやって来て、カップル猫の絵馬を奉納していた。
「坊主丸儲け」という言葉があるが、浅草では「神社丸儲け」の光景を見たのである。

カップル猫の絵馬は1枚800円（今戸神社）

（おまけの話）
浅草七福神の最後9番目は「持乳山聖天」である。
これはなかなか読める人はいない。正解は「まつちやましょうでん」である。
私はここへは以前に3回も来ている。
場所は言問橋から数分で小高い山の上にあり、なぜか「大根」と「巾着」が売り物である。

持乳山聖天（毘沙門天）への石段の大根と巾着の彫物

本殿に向かう石段にも、大根と巾着の彫物がある。
社務所に行くと、大根を売っている。この日の大根1本の値段は200円だった。
神社のHPによると、「大根は身体を丈夫にし、夫婦仲良く一家の和合をご加護」で、「巾着は財宝で商売繁盛を表し、聖天さまのご利益の大きいことを示す」ということのようだ。

左手の休憩所に入ったら、大根の入った箱が山積みだった。

社務所で買った大根は本殿にお参りする時に奉納する。
するとその横の小屋で「お下がり」として自由に持ち帰ることが出来るので、以前に来た時は奉納はしないで大根だけをもらって帰ったことがあった。

これで浅草七福神を全てお参りしたが、今までにあまりに多くの都内の七福神をお参りしているので、神様も見慣れた私に「また来たの？」と呆れているかもしれない。

常香炉の向こうに本殿が見える（持乳山聖天）

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