心の伊達市民 第一号

元旦の大地震


元旦は1人で3ヵ所の初詣に行き、昼は家族と朝に続き2度目の「お節料理」を食べた。
特にやることも無いので居間のソファーに座り、五木寛之のエッセイ集「うらやましいボケかた」を読んでいた。色々と面白い話や参考になる話が書いてあったが、その中で五木寛之は「1年に数回しか頭を洗わない」と書いていた。

マンションの友人に「もの心が付いてから、体を洗ったことが無い」という男がいて驚いた。また亡くなった同級生のEさんは「歯を磨いたことが無い」と言っていた。世の中には不思議な人がいるものだと思った。


「うらやましいボケかた」  



本を読んでいたら、急に眩暈がした。
「年のせいで仕方ない」と思ったが、いつまでも続くので心配になった。
その時に女房が居間に飛んで来て、『能登半島で大地震よー!』と言った。

私は立ち上がって外を見たが、特に変わりはない。
でも自分の体は揺れていた。2匹の猫も驚いて、居間にやって来た。


「つなみ!にげて!」



しばらく続いた揺れが収まったので、テレビを点けてみた。
すると各局とも地震速報をやっていた。元旦の正月番組は全て無くなった。
暮れから用意していた正月番組は、他の時には使えない。

テレビ局も大損害だろうが仕方ない。画面には「津波警報」が表示されていた。
その内に表示に「津波・避難」、「つなみ・にげて」と表示が変った。
英語でも「EVACUATE!」(避難)と表示が出た。


窓の外は特に変化なし



能登半島には何回も行ったことがある。
ゴルフに夢中になっていた頃には、女房の女友達3人を引き連れて能登CCに何年か続けて行ってプレイした。朝市にも行ったが、テレビで見るとその辺りが燃えていた。
また震源地に近い「羽咋市(はくいし)」にも行ったことがある。

この町の小さな工場に、ベトナムから実習生が来ていた。8年前の大雪の2月に、私のよく知っている女の子が3人もいたので、訪ねたことがある。住まいは一軒家だったがボロ屋で、多分、今回の地震で倒壊しただろう。


ビルの間に筑波山が見える



元旦の夕方にマンションの管理会社から、メールが入った。
『石川県で発生の地震で中央区は震度2で、シータワー35階から48階のエレベーター4機のうち3機が停止しました。部品故障のため、復旧工事が未定となっています』。
乗用エレベーターの他に貨物用が2機あるので、まあ大丈夫だろう。

私の住むマンションは58階建ての棟が2棟あり、幸いにシータワーは私の住む棟ではない。2011年の東日本大震災の時は全部のエレベーターが停まり、私は歩いて41階まで上ったことがある。


マンションのエレベーターホール



2日のNHKニュースを見ていたら、突然、画面が羽田空港へ切り替わった。
そこには旅客機が着陸したと同時に、なにかにぶつかり炎上しながら滑走している姿が映し出された。そこからはズーと羽田空港の画面になり、繰り返し旅客機がぶつかり炎上する画像が流れた。消防隊が出動して消火活動をしているが、飛行機の中間から後ろくらいで燃えていた火が、ドンドンと前方に広がる。消防隊は強い火力になす術もない。

そして機体全体が炎に包まれた。後ほどの報道では、旅客機の全員が脱出できた。
しかし相手の海上保安庁の飛行機では機長以外の5人が死亡した。今年は正月早々、嫌な災害と事故が起きている。


炎上するJAL機



(おまけの話)
1月2日は皇居一般参賀に行き、3日は浜離宮恩賜庭園に行った。
3日には午前11時から、鷹匠による「鷹狩の技」である「放鷹術」の実演があった。
今までに2回ほど見たことがあるが、正月はやることがないので見に行った。

今回は一眼レフカメラを持って行き、決定的瞬間を捉えようと思った。
自宅からブラブラと歩いて築地大橋を渡り、約20分ほどで浜離宮に着いた。


  「鷹匠」の正装で一番弟子と二番弟子らしい2人



久し振りの「鷹匠」の演技を見るのだが、久し振りに行って驚いた。
以前は鷹匠も3人くらいで、観客も50人ほどだった。
それが今回は鷹匠は10人、観客は500人くらいいそうだ。

広場を囲むようにパイプ椅子が並べられ、私は早めに行ったと思っていたら、もう席が無かった。なんとか写真の取れそうな場所を探して、前の方で確保できた。


 鋭いクチバシと爪



午前11時に開始となったが、鷹匠の演技の前にお偉方が3人も挨拶した。
まあこれは無料で見せてもらうのだから、仕方ないだろうと思う。
それが終り鷹匠は自分の鷹を腕に止まらせて、会場を3周した。
そしていよいよ始まりだ。鷹匠が離れて2人立ち、一方の鷹匠の腕からもう一方の鷹匠の腕に飛んで行く。

鷹の機嫌が悪いのか、あまりに見物客が多過ぎるのか、鷹は腕に止まったまま動こうとしない。これには鷹匠も困ってしまった。
やっと飛んだら、木の上に止まってしまいどうやっても降りて来ない。


 長い付き合いで、鷹と鷹匠の気持ちが通じる



少し離れたビルの屋上から鷹を放ち、それを鷹匠の腕で受ける演技をしたが、これは1回だけで、しかも鷹は鷹匠の上を通り過ぎて、またも木の上に止まってしまった。
女性の鷹匠が出て来て真っ白な鷹を操ったが、やはり鷹の機嫌が悪い。

ウサギを放ち、それを鷹が捕まえる演技では、ウサギが逃げないのですぐに捕まった。
色々な演技を1時間にわたり行ったが、色々と失敗はあったが楽しかった。
また来年も見に来よう。


 白い鷹が女性の鷹匠のところに飛んで行く

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コメント

  1. Shinji

    Shinji

    返信

    今年は、おめでとう、と心から言えない正月になりました。

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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

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